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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三十三章 回廊編〜パパが無自覚にフラグを回収⁉ 炸裂する新技と仕掛けられた罠!?〜

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第286話 え、パパが勇者!? 大地斬が炸裂!? 三姉妹完璧連携と背中を託し合う絆!?

暗闇の中から次々と魔物が飛び出してきた。


あんな「来るよっ! みんな、身構えて!」


みゆ「数が多いです! 押し潰されないよう、距離を保ちつつ迎撃してください!」


ベアトリス「お任せくださいですわ!」


魔物の群れが、地面を蹴って一気に距離を詰めてくる。


あんな「まずは一匹目!」


あんなが正面から猛スピードで突進してきた第一陣の魔物へ向け、鋭く剣を振るう。


ガキン!


硬い爪と刃が激しくぶつかり合い、その威力を受け流すようにしてそのまま横へと弾き飛ばした。


あんな「よし、次っ!」


速やかに足を踏み直した瞬間、別の魔物があんなの死角である横側から飛び込んできた。


あんな「くっ……!」


あんなが極限の反応で身体をひねる。

頭上スレスレを、凶悪な爪が鋭い風切り音とともに通り過ぎていった。


みゆ「お姉ちゃん、後ろ!」


あんな「任せて!」


振り向きざまに刃を閃かせると、間一髪で間合いを詰めていた個体が後ろへと跳び退いた。


みゆ「ファイア!」


みゆの掲げた杖から放たれた炎が、一直線に通路を駆け抜ける。

一匹の魔物が素早く身を翻して炎を回避した。

だが、そのすぐ横に控えていた別の魔物へ、火球が直接命中する。


ベアトリス「そこですわぁっ!」


隙を逃さず、ベアトリスが強靭な踏み込みを見せる。


ベアトリス「火炎剣!」


鮮やかな炎を纏った刃が宙を舞い、炎の直撃を受けてひるんでいた魔物の巨体を一刃で斬り裂いた。


ベアトリス「ふぅ……ですが、まだ後ろから来ますわ!」


みゆ「右方向から三体、同時に接近中!」


あんな「三体も!? ちょっと多すぎるでしょ!」


魔物の群れが一斉に向きを変え、前衛の三人へ狙いを定めて殺到する。


あんな「みゆ、合わせて!」


みゆ「了解です!」


みゆが素早く杖を構え直し、魔力の術式を即座に展開させた。


みゆ「ファイア!」


一直線に通路を走る熾烈な炎。 先頭の一体が身を捻って炎をかわすが、その着地点へすかさずあんなが飛び込んだ。


あんな「せいっ!」


冴え渡る刃が相手の懐を捉え、勢いよく一体を叩き伏せる。

しかし、残る二体が左右から挟み込むようにしてあんなへ襲いかかった。


あんな「しまった――っ!」


ベアトリス「お姉様っ!」


横から疾風のごとく割り込んだベアトリスが、右側の魔物を強引に斬り払う。


あんな「ベアトリス、助かった!」


ベアトリス「まだですわ! 攻撃の手を緩めてはなりませんわ!」


斬り払われた個体とは別の魔物が、今度はベアトリスへ向けて牙を剥く。


みゆ「ファイア!」


みゆの正確無比な火球が、迫る魔物の足元へ寸分違わず着弾した。

炎に足をすくわれ、魔物の動きがピタリと止まる。


ベアトリス「助かりましたわ!」


みゆ「今です!」


ベアトリス「はいですわ!」


二人が呼吸を合わせ、同時に渾身の追撃を叩き込む。

深手を負った魔物が、そのまま力なく床へと崩れ落ちた。


グルム「ふぅ……神崎家の三人が前線を張ってくれて助かったぞ」


ボルグ「我が国が誇る精鋭戦士たちも顔負けの連携ではないか」


ノルク「ですが……油断はできません」


ノルクが神妙な面持ちで通路の奥へと視線を巡らせていた。


ノルク「まだ……来ます!」


カツ……カツ……。


暗闇の深奥から、硬い爪が地面を叩く不吉な足音が再び響き始める。


あんな「まだいるの!?」


みゆ「……はい。第二波が来ます」


ベアトリス「本当にしつこい魔物たちですわ!」


暗闇から次々と姿を現す魔物たち。


あんな「もう……しつこいんだから!」


あんなが剣を固く握り直したその瞬間。

脳裏の奥底から、感覚が再び鮮明に湧き上がってきた。


大地斬。


あんな「……ふぅっ」


すっと息を整え、地面へと全身の意識を研ぎ澄ませる。

足を踏み込み、頭の中にある最適な軌道のまま刃を一直線に振り下ろした。


あんな「大地斬――っ!」


ズバァン!


地面を駆け抜けた不可視の衝撃波が、突進してきた魔物を真っ正面から捉え、一撃で派手に弾き飛ばす。


あんな「よし! 感覚が掴めてきたよ!」


みゆ「非常に頼もしいです、お姉ちゃん」


ベアトリス「さすがはお姉様ですわ!」


もっふる「ピィー♪」


あんなは意気揚々と剣を構え直した。

正面から飛び込んできた次の魔物に向かって、間髪入れずに刃を振り下ろす。


あんな「大地斬――っ!」


ズバァン!


豪快な衝撃が回廊を響かせ、敵を次々と打ち倒していく。

だがその直後、一匹の魔物があんなの頭上を飛び越え、後方に控えていたみゆへ向かって一直線に駆け出した。


みゆ「……っ!?」


あんな「みゆっ!」


あんなが咄嗟に足を伸ばすが、距離がある。

魔物の足の方が速い。


グルム「危ない!」


だが、みゆの目の前へ間一髪で割り込んだのはベアトリスだった。


ベアトリス「させませんわ! 火炎剣!」


赤々と燃え上がる炎の剣が横一文字に走り、突進の勢いを削ぎ落として魔物を豪快に弾き飛ばす。


みゆ「……助かりました」


ベアトリス「お互い様ですわ! 背中は渡しませんわ!」


あんな「うん、三人でしっかり連携すれば絶対に大丈夫!」


みゆ「はい!」


幾重にも押し寄せていた魔物の数が、彼女たちの連携によって着実に減っていく。

一体、また一体と倒れ伏し、やがて最後の魔物があんなの一閃によって床へ倒れ込んだ。


あんな「……ふぅ、ふぅ。……今度こそ、終わった……?」


みゆ「周囲の空間を再確認します」


みゆが静かに歩み寄り、杖の先端をかざして通路の奥を見据える。

今度は、耳障りな足音も、激しい気配も伝わってこない。


みゆ「……今のところ、新たな敵の気配はありません。戦闘終了です」


あんな「ふはぁ……疲れたぁ……」


あんながホッと胸を撫でおろした。


亮「みんな、怪我はないか!? 大丈夫だったか?」


後ろで見守っていた亮が駆け寄り、心配そうに娘たちの顔を覗き込む。


あんな「大丈夫だよパパ」


みゆ「私も問題ありません」


ベアトリス「大丈夫ですわ! 皆さまのお役に立てて光栄ですわ!」


もっふる「ピィー♪」


そんな中、みゆは倒れて動かなくなったホールモールを見つめていた。


みゆ「……ですがパパ、やはりおかしいです」


みゆがしゃがみ込み、魔物の状態を詳しく観察する。


みゆ「身体組織や爪の形状等に、何ら特別な変異は見られません」


ノルク「魔力の波形や異変もありませんか?」


みゆ「はい。外部から特殊な強化魔法や薬物が投与された形跡もありません」


グルム「それなのに、あれほどの狂暴性を見せて襲いかかってきたわけか」


みゆ「そこが最大の疑問点です」


ボルグ「本来はおとなしい種類の魔物だったな?」


みゆ「はい。ホールモールは極めて温和な性質です」


あんな「うーん、やっぱり何かに追われてパニックになってたのかな」


みゆ「その可能性もあります」


ベアトリス「ということは、この回廊のさらに奥に、この魔物たちを怯えさせる『何か』が存在するということですわ!」


みゆ「まだ分かりません」


ノルク「ですが、これだけの魔物がこの場所に密集していた理由は突き止める必要がありますね」


グルム「……」


グルムは険しい表情で、暗闇へと続く回廊の奥を見据えた。


グルム「ならば、進んで確かめるほかあるまい」


ボルグ「ここで引き返しては、結局何一つ解明できんからな」


ノルク「国王陛下へ正確な報告を届けるためにも、調査を継続すべきかと」


みゆ「私も賛成です。原因を解明しない限り、この場所の安全は確保できません」


あんな「私も! ここまで来たら最後まで見届けたいしね」


ベアトリス「もちろんですわ!」


亮「みんな頼もしいなぁ。よし、じゃあ気をつけて奥へ進んでみようか」


一行は再び回廊の深部へと歩みを進めた。


しばらく歩き続ける。

あれほど凄まじかった魔物の姿は、もはや影すら見当たらない。

ただ、どこまでも一直線に伸びる古びた通路が静寂の中に横たわっている。


この回廊は、まだ終わらない。


こうして――

激闘の果てに魔物の群れを退けた一行だったが、封印の回廊は静まり返ったままどこまでも続いていた。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

まだ誰も知らぬ未知の存在が静かに息を潜めていた。

静まり返る古代回廊で突如明かされる、パパの恐るべき新スキル発動の衝撃真相!!

『フラグ建築』と『トラブルホイホイ』の相乗効果で、衝撃の爆炎が神崎家を容赦なく襲う!?


次回、第287話 え、パパが勇者!? 新スキル発動!? 99.7%の確率で理不尽トラブル!?


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