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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三十三章 回廊編〜パパが無自覚にフラグを回収⁉ 炸裂する新技と仕掛けられた罠!?〜

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第284話 え、パパが勇者!? おとなしい魔物が連続強襲!? 娘の鋭い考察で見えない黒幕発覚!?

魔物の群れを撃退した一行は、再び不気味なまでに真っ直ぐな通路の奥へと進んでいった。


ボルグ「……この魔物たちについても、戻ったら王へ報告した方がいいな」


ノルク「はい。封印の先に魔物がいたことも伝える必要があります」


あんな「さっきの魔物、突進力は凄かったよね」


みゆ「あの巨大な鋭い爪による攻撃も侮れません」


ベアトリス「今回は数が少なくて助かりましたわ!」


グルム「油断は禁物だぞ。この通路はまだ分からないことが多すぎる」


亮「そうだな。何が出てくるか分からないし、気を引き締めていこう」


一行は警戒を維持しながら、真っ直ぐな回廊を進んでいく。

先頭に立つのは神崎家の面々。

そのすぐ後ろを、ドワーフの三人が慎重な足取りで追う。


壁も床も古い石造りだが、崩落している場所は一つとしてない。


亮「それにしても、本当に長いなー」


あんな「うん。どこまで続いてるんだろうね」


ベアトリス「一向に先が見えませんわ!」


みゆ「一本道ですから、ひたすら前進するしか選択肢はありません」


亮「一直線っていうのも、なんだか退屈になってくるな」


グルム「ハハ、まあそう言うな」


もっふる「ピィー♪」


もっふるののどかな鳴き声に、張り詰めていた緊張がほんの少しだけ和らぐ。


みゆ「……待ってください」


みゆが小さな声で静止を促し、足を止めた。


亮「どうかしたか?」


グルム「……」


みゆは無言のまま、薄暗い通路の先を見据えている。


ボルグ「何かあったか?」


みゆ「気配がします。奥から……」


あんな「また魔物……!?」


みゆ「可能性は極めて高いです」


全員が前方の暗闇へ集中する。

だが、何も見えない。


石畳の奥深くから、確かに何かが迫ってくる気配があった。


カツ……。


カツ……。


固い爪が石畳を引っ掻くような、小さな音が不気味に響き始める。


亮「……何か聞こえてきたな」


みゆ「はい」


ベアトリス「確実にこちらへ近づいてきていますわ!」


あんな「みんな、行くよ!」


あんなが速やかに剣を抜き、みゆが杖を構える。

ベアトリスも構えを取った。


グルム「俺たちは邪魔にならないように後ろに下がっていよう」


ボルグ「分かった」


ノルク「任せました!」


足音が次第に大きくなっていく。


カツ……!


カツ……!


そして薄暗い闇を切り裂き、再び一匹の魔物がその巨体を現した。


あんな「また来た!」


ベアトリス「来ますわ!」


魔物が激しい咆哮とともに一気に地面を蹴った。


あんな「任せて!」


あんなが前へ躍り出る。

真っ直ぐ突っ込んでくる相手の攻撃を間一髪で受け流し、そのまま素早く側面へ回り込んだ。


みゆ「今です! ファイア!」


みゆの杖から放たれた炎が一直線に飛ぶ。

だが、魔物は巨体に似合わぬ身軽さで身体をひねり、火球をかわした。


ベアトリス「こちらですわ! 火炎剣!」


反対側から迫るベアトリスの炎の刃に対し、魔物は後方へ大きく跳び退く。


あんな「逃がさない!」


あんながすかさず追撃の踏み込みを見せ、上段から剣を振り下ろした。


ガキン!


硬い爪で刃を受け止めた魔物が、そのまま激しく押し返してくる。


あんな「くっ……力が強い!」


亮「あんな!」


あんな「大丈夫!」


あんながぐっと足を踏みしめ、押し切られるのを耐え抜く。

魔物は低く唸りながら、再び距離を詰めてきた。


みゆ「正面から来ます!」


あんな「分かった!」


突進してくる相手を前に、あんなの脳裏を一瞬だけ先ほどの感覚がかすめた。


――大地斬。


あんな「……っ!」


だが、あんなは今回、その技を発動させられなかった。

まだ感覚を完全に掴みきれていない。


あんな「まだ……焦っちゃダメ……!」


みゆ「お姉ちゃん!」


あんな「任せて!」


すれ違いざまに相手の突進を横へかわす。

その隙を見逃さず、ベアトリスが前へ躍り出た。


ベアトリス「全力ですわ!」


みゆ「ファイア!」


ベアトリス「火炎剣!」


左右から挟み込むように放たれた二つの炎が、魔物の動きを完全に止めた。


あんな「そこっ!」


あんなが飛び込み、渾身の力で刃を叩き込む。

深く刃が入り、魔物が大きくよろめいた。


グルム「……いや、まだだ!」


倒れるかと思われた魔物が、荒い息を吐きながら無理やり体勢を立て直す。


ボルグ「何だと!? まだ動くのか!」


亮「なかなかしぶとい奴だな」


みゆ「……おかしいです」


亮「何がだ、みゆ?」


みゆは荒ぶる敵を凝視していた。


みゆ「このホールモールという種族は、本来Cランクの比較的おとなしい魔物です。こちらから積極的に攻撃や刺激を与えない限り、このように執拗に人を襲う習性はありません」


ボルグ「おとなしいだと……? この猛攻がか?」


ノルク「では、なぜこれほど過剰に攻撃的なのですか……?」


みゆ「原因は不明です」


魔物が血走った目をギラつかせ、再び鋭い爪を構えた。


あんな「また来るよ!」


みゆ「気をつけてください!」


大きく踏み込み、弾丸のような速度で距離を詰めてくる。


あんな「何度来ても跳ね返すだけ!」


ベアトリス「右ですわ!」


あんな「分かった!」


間一髪で攻撃をかわす。

だが、魔物は威力を殺さぬまま反転し、再び牙を剥いて襲いかかってきた。


亮「なんだってこんなに必死なんだ……?」


みゆ「やはり異常です……!」


通路に魔物の金切り声のような咆哮が不気味に響き渡る。


ノルク「こんなにも執拗に……まるで何かに怯えているかのような……」


グルム「何かに追われて逃げてきているのか……?」


ボルグ「だとしたら、俺たちに牙をむく理由が通らんぞ!」


みゆ「……」


みゆは激しく暴れる目の前の敵と、その奥へ果てしなく続く暗闇の通路を交互に見つめた。


みゆ「もしかすると……この魔物自体が、何者かによって『誘導』されている……?」


亮「誘導……?」


みゆ「いえ、まだ確証はありません」


魔物が三度、怒涛の勢いで襲いかかってくる。


あんな「考えるのは倒してから!」


みゆ「了解です!」


ベアトリス「迎え撃ちますわ!」


三人が同時に武器を構え、迫り来る影へと踏み込んだ。


こうして――

本来はおとなしいはずの魔物が見せる異常な執着。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)に、

暗闇の奥から発せられる“見えない意思”の存在が静かにまとわりつき始めていた。

本来はおとなしいはずの魔物が、まさかの狂暴化?

暗闇の底から響き渡る重なり合った無数の足音……。

押し寄せる魔物の大群に神崎家が大ピンチ!?


次回、第285話 え、パパが勇者!? 暗闇から無数の足音!? 狂暴化した魔物の群れが押し寄せて大ピンチ!?

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