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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三十二章 鉱山編〜散歩気分で迷い込んだパパ、ドワーフ国を揺るがす大騒動を引き起こす?〜

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第276話 え、パパが勇者!? 誰も入らない禁断の坑道で謎の重低音!? 地底から伝わる不気味な鼓動に踏み込む!?

ズン……。


足元から、再び重く低い振動が伝わってきた。


亮「……まただ」


みゆ「はい。回数が増えています」


今度の振動は、これまで以上に靴底を通してはっきりと体に響いていた。

足元から伝わる不気味な揺れに警戒しつつも、亮はふと背後を振り返る。


亮「……とりあえず、コウモリのほうはもう大丈夫だよな」


あんな「うん、大丈夫。コウモリは来てないみたい」


亮「助かった……」


コウモリの群れをなんとか振り切った神崎家は、古びた坑道の壁際で一度足を止めた。


亮「ちょっと休もう」


あんな「うん」


みゆ「賛成です」


ベアトリス「さすがに、あれだけの数は疲れますわ!」


亮「D級って聞いたから、もっと楽に倒せるかと思ったのに……」


みゆ「強さと厄介さは別です。個体の戦闘力が低くとも、集団による特殊な状態異常攻撃は十分に脅威となり得ます」


亮「それは今回、身をもって分かった……」


あんな「なぜかパパが一番ダメージを受けていたよね」


みゆ「パパが新スキル、ダメージホイホイを習得したと思われます」


亮「そんなスキル、存在してないから。それに、みゆもダメージ受けていたぞ」


みゆ「そのような事実はありません」


もっふる「ピィー♪」


亮「えーー」


坑道を亮の叫び声が木霊する。


あんな「まあまあみんな無事だったし、コウモリも私たちを追いかけてこなかったから良かったよね」


亮「そういえば、途中から一気に奥へ引き返していったよな」


みゆ「あそこがちょうどコウモリの縄張りだったと思われます」


あんな「こっちが勝手に縄張りに入ったという事?」


みゆ「そういう事です。知らないとはいえ、私たちが入った事で襲ってきたと考えられます」


ベアトリス「それは当然ですわ!」


亮「コウモリさんたち、ごめんな」


もっふる「ピィー♪」


もっふるが同意するように、亮の肩の上で翼を小さく羽ばたかせた。


その時。


ズン……。


かすかな振動が、足元の岩盤から伝わってきた。


息を呑み、全員がその場に黙り込む。


亮「……今の?」


みゆ「またです」


あんな「気になるよねこの振動。地震とも違うし」


みゆ「はい」


亮「振動というか鼓動というか……」


あんな「不気味な感じがするよ」


みゆ「現段階ではデータが少なすぎるため何とも言えません」


亮「さて……どうする?」


あんな「戻る?」


亮は、薄暗く不気味に続く坑道の奥を見つめた。

暗闇の向こうから、冷ややかな風が吹き抜けてくる。


ズン……。


亮「……やっぱり、あっちだよな」


みゆ「はい」


ベアトリス「進むしかありませんわ!わたくしもお供いたしますわ!」


あんな「無理はしないでね」


亮「よし。行ってみよう」


十分に休息を取った神崎家は再び歩みを進めた。

しばらく進むと、坑道の様子が明らかに変わってきた。


岩壁は荒れ、ところどころ崩れた岩石が転がっている。

頭上を支える木製の支柱もすっかり朽ち果てて古びていた。


みゆ「かなり年代物です。ドワーフの方々も、普段は入らない場所だと思われます」


あんな「こんなところまで続いてたんだ……本当に広いね、この地下世界」


亮「昔はここでも採掘してたのだよな」


ズン……。


またしても振動が伝わってきた。


今度は、さっきよりも一回り強く足元を揺らす。


亮「……やっぱり奥からだ」


みゆ「はい。振動の伝播経路から見て、間違いありません」


亮「これ……音なのか?」


みゆ「音として聞こえているような気もします。ですが、振動としても感じます」


ベアトリス「空気が揺れているようですわ…… 何とも不気味ですわ……」


ズン……。


今度は先ほどよりも弱い揺れが波打つ。


亮「強くなったり、弱くなったりしてるな」


みゆ「はい。周期的な強弱が観察されます」


あんな「何なんだろう……」


闇の残響に耳を澄ませながら、さらに慎重に奥へ進む。


ズン……。


規則正しく繰り返されるその振動は、まるで何かが静かに呼吸しているようだった。


亮「……生きてるみたいだな」


みゆ「……私も、そう感じます」


あんな「こんな地下深くにいる魔物って……」


みゆ「分かりません。既存のデータには該当する魔物は存在しません」


みゆが慎重に奥の状況を確認する。


みゆ「反応は、さらに奥です」


亮「じゃあ、ゆっくり行こう」


あんな「うん」


ベアトリス「警戒して進みますわ!」


息を潜めるようにして慎重に坑道を進んでいく。

その先。

暗く狭い坑道の向こう側に、わずかな開けた空間が見え始めていた。


あんな「……あそこ、広くない?」


亮「本当だ」


みゆ「坑道の先に、大きな空間があります」


さらに一歩、踏み出す。


ズン……。


今までで最も大きな振動が、足元から全身へと直撃するように伝わってきた。


あんな「何か嫌な予感がするよ……」


暗闇に包まれたその空間の先に、一体何が潜んでいるのか。

まだ、神崎家には見えていなかった。


こうして――

ドワーフ国の誰も足を踏み入れない禁断の坑道で、神崎家は不気味な鼓動の源へと刻一刻と迫っていくのだった。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)の

暗闇に佇む大空間の向こうで、静かな異変が彼らを待ち受けていた。

地下深くで発見されたのは、決して触れてはならない古代の封印の扉。


次回、第277話 え、パパが勇者!? 勝手に地下へ行ったら怒られる!? その結果は!?


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