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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三十二章 鉱山編〜散歩気分で迷い込んだパパ、ドワーフ国を揺るがす大騒動を引き起こす?〜

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第273話 え、パパが勇者!? 地震はいつものこと!? ドワーフ国に広がる異変の影!?

翌朝。

宿屋「岩窟亭」


亮「昨日は楽しかったー!」


あんな「ほんと楽しかったね。ドワーフの人たち、みんな豪快で賑やかだったし」


みゆ「いかにもドワーフの伝統文化という感じでした」


ベアトリス「お祭り騒ぎのようで、わたくしもとっても楽しかったですわ!」


あんな「でもパパ、あれだけ飲んで大騒ぎしたのに、全然平気なんだね。二日酔いとかないの?」


亮「まだまだいけるぞー! 朝ごはんが待ち遠しいくらいだ!」


あんな「……パパの身体って、実はドワーフ並みにタフなんじゃない?」


みゆ「確かに、昨夜パパが摂取したアルコール量を考えれば、翌朝これだけ元気なのは驚異的です」


ベアトリス「昨夜は樽ごと抱えて飲んでいらっしゃいましたわ!」


亮「ハハハ、健康第一だからな!」


あんな「説得力が全然ないよ……」


みゆ「健康第一の意味を調べて欲しいです」


もっふる「ピィー♪」


その時だった。


ゴゴゴゴゴ……。


あんな「え……?」


足元から、地鳴りのような重低音が響き、部屋の床がゆっくりと揺れ始めた。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!


次の瞬間、はっきりと分かるほど揺れが大きくなる。

壁の棚がガタガタと派手な音を立て、机の上の食器がぶつかり合った。


あんな「キャッ!? なに!?」


みゆ「地震です! 震度4、いえ、徐々に増幅しています!」


ベアトリス「地震ですわ!」


亮「ちょ、ちょっと待て! 落ち着けみんな!」


いくらドワーフ国の都市が地震に強いと言っても心配になる。


あんな「みんな大丈夫?」


亮「大丈夫だけど、結構でかいぞ! テーブルの下に避難だ」


みゆ「揺れが複雑です! 立っているのも危険です」


ベアトリス「お覚悟を……! わたくしがお守りしますわ!」


神崎家が大騒ぎで構える中。

廊下のすぐ外から、のんびりとしたドワーフの話し声が聞こえてきた。


ドワーフ「おーおー、揺れてるなー」


亮「……揺れてるなってレベルじゃないと思うんだが?」


ドワーフ「今日はちょっとデカめだな。まあ、いつものやつだ」


亮「最近、地震は多いのは分かっているけど、ここまで平然としていられるものなのか」


ドワーフ「気にしていたら身がもたねえぞ。そのうち収まるだろ」


亮「そんな軽い感じなの!?」


亮の叫びも虚しく、数分ほど経つと揺れは徐々に小さくなり、やがて地下街に元の静けさが戻ってきた。


あんな「……お、終わった?」


みゆ「はい。揺れは完全に収まりました」


ベアトリス「みなさん、まったく慌てていらっしゃいませんでしたわ!」


亮「うーむ、地震に慣れすぎてるのかな……」


戸惑う神崎家の前を通ろうとした先ほどのドワーフに、亮は声をかけた。


亮「なあ、この国って地震が多いから平気なのか」


ドワーフ「ああ、昔からだからな」


亮「やっぱりそうなんだ」


ドワーフ「ああ。何しろこの国で暮らしてるからな。岩盤が鳴ったり揺れたりすること自体は珍しくねえんだ」


みゆ「では、今回の揺れも以前から発生しているものと同じなのですか?」


ドワーフ「……いや」


みゆの問いに、ドワーフは顎をさすりながら少し首をひねった。


ドワーフ「最近は、ちょっと違うんだよな」 


亮「違う?」


ドワーフ「ああ。前から揺れることはあったが、最近になってから揺れる頻度が明らかに増えているな」


みゆ「頻度が増えている……」


ドワーフ「それだけじゃねえ。なんとなくだが、揺れ方自体も前とは違う気がするんだ。うまく説明できねえんだがな、そう感じてる」


亮「つまり、ただ地震が増えただけじゃないってことか」


ドワーフ「そういうことだ。まあ、深く考えても仕方ねえがな!」


ドワーフはガハハと笑いながら、いつものように力強い足取りで立ち去っていった。


あんな「……あんなに大きな地震だったのに、平然としてたね」


ベアトリス「わたくしたちのほうが、よほど大騒ぎしてしまっていましたわ!」


亮「まあ、俺たちは地震に慣れてないしな……」


黙り込んでいるみゆの顔を、亮は覗き込んだ。


みゆ「……気になります」


亮「さっきドワーフが言ってた違和感か?」


みゆ「はい。昨日の鉱山地下深くで検知した、あの断続的なエネルギー反応。それに加えて、今日の揺れと頻度の増加……」


あんな「地下深部の反応と、この地震に関係があるということだね」


ベアトリス「大変興味深いですわ!」


みゆ「別々に考えるより、同じ原因によって引き起こされていると仮定する方が、データとして自然です。ドワーフの方々が慣れから見過ごしているだけで……地下深くで、何かが確実に起きています」


亮「地下深くで何かが起きていて、それがこの国全体を揺らしてる……か」


みゆ「……ドワーフ王から受けた合同調査依頼、その核心に近づいているかもしれません」


亮「なるほどな。宴会で盛り上がって忘れかけてたが、俺たちはその調査のためにここへ来たんだもんな」


あんな「ほんとだよ、パパが一番盛り上がっていたのだよ」


亮「よし、ドワーフ王の期待に応えるためにも、本格的に地下深部を調べてみるとするか!」


みゆ「それと足元から伝わる『波形』が、先ほどから微小に変化し続けています」


あんな「え……それって……」


みゆ「はい。調査が必要です」


亮「そうだな。ドワーフの人たちにお世話になったことだし、放置するわけにはいかないな。ちょっと調べてみるみるか」


もっふる「ピィー♪」


昨日までは、ただの楽しい異世界観光と鉱山見学のはずだった。

だが地下深部から伝わってきた謎の鼓動のような反応、増え続ける異質な地震。

そしてドワーフたちが皮膚感覚で感じ取っていた違和感。

無関係に見えた点と点が、静かに、そして確実に一つの巨大な異変へと繋がり始めていた。


みゆは静かに視線を落とし、微振動を刻み続ける石畳へと手をかざす。

その瞳には、これから立ち向かう不穏な影への確信が静かに宿っていた。


こうして――

昨日までの呑気な宴会気分から一転、神崎家はドワーフ国の地下に眠る、不気味な異変の気配を感じ取り始めるのだった。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)の

平穏な日常の裏で、静かな不穏が足元から忍び寄っていた。

王様との約束もどこへやら、開始早々に安定の迷子に……。


偶然発見したボロボロの謎の廃坑道を前に、少年の心を取り戻したパパの暴走探検が幕を開ける!?


次回、第274話 え、パパが勇者!? 地震の原因を探れ!? パパの暴走⁉ 勝手に地下調査開始!?

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