↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三十一章 鍛冶編〜気さくな挨拶で溶け込むパパ⁉〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

277/328

第263話 え、パパが勇者!? ベアトリスの炎が鍛冶場を変える!? みゆの頭脳がドワーフを驚かせる!?

ガシャーンと派手に工具棚を粉砕したベアトリスの一撃から、どうにか立ち直ったドワーフたち。

冷や汗を拭いながらも、神崎家を鍛冶場のさらに奥へと促した。


ドワーフ「いやーさすがにたまげたぞ。ここで振り回されたら命が幾つあっても足りねえ」


ドワーフB「元気のあるお嬢ちゃんだ」


ドワーフC「若いうちは元気があったほうがええ」


豪快に笑っているドワーフたちを横に、亮たちは申し訳なさそうにペコペコと平謝りを繰り返す。


ドワーフ「まあ、気にするな。次はこっちだ!」


ドワーフに案内され、神崎家は鍛冶場のさらに奥へ進んでいく。

そこには、先ほどまでとは違う光景が広がっていた。


巨大な炉がいくつも並んでいる。

だがその炉には、炎を入れるための薪も炭も見当たらない。

代わりに、炉の脇には大きな魔石が置かれていた。

そこから伸びた何本もの管が、炉へとつながっている。


みゆ「……魔道具ですね」


ドワーフ「おう!よく分かったな!」


みゆ「この魔石から、炉へ魔力を送っているんですか?」


ドワーフ「そうだ!」


みゆ「なるほど……」


みゆが瞳を輝かせ、装置の細部をじっと観察する。


亮「みゆ、分かるのか?」


みゆ「まだ全部ではありません。ですが、極めて合理的で興味深い構造です」


ドワーフ「嬢ちゃん、分かるのか?」


みゆ「ただ熱を作るだけではなく、炉の状態に合わせて魔力の流れを調整しています」


ドワーフ「おお!」


みゆ「魔力をそのまま炎に変えるのではなく、流量を調整している……」


ドワーフ「その通りだ!」


みゆ「かなり精密ですね。ドワーフの技術力の高さが伺えます」


ドワーフ「俺たちが何百年もかけて改良してきたんだ!」


みゆは炉と装置を交互に見る。


みゆ「これがドワーフの鍛冶技術」


ドワーフ「そういうことだ!」


ベアトリス「なるほどですわ!」


ベアトリスは炉の炎を眺めていた。


ベアトリス「ですが――」


亮「ん?」


ベアトリス「この炎では、少々弱いですわ!」


亮「え?」


ドワーフ「……は?」


ベアトリス「もっと強い炎のほうが、よろしいのですわ!」


亮「いやいや、外から見てても十分すぎるくらい熱いと思うけど」


ベアトリスが炉へ近づいていく。


ドワーフ「お、おい。また何かしでかすつもりか」


ベアトリスが指先を軽く上げる。

小さな炎が灯った。


ベアトリス「では、少しだけやってみますわ!」


亮「ちょっと待て!」


あんな「ベアトリス、ストップ!また暴走するから! 」


ボッ!


次の瞬間、炉の炎が一気に膨れ上がった。


ゴオオオオオッ!


ドワーフ「うおおおおおおおっ!?」


ドワーフD「な、なんだ!? 炎が、炎が一気に膨れ上がったぞ!」


ドワーフE「何をしたんだ!?」


ベアトリス「?」


亮「何したんだー」


ベアトリス「火をほんの少し強くしただけですわ!」


亮「いやいやいや!」


炎の勢いは衰えるどころか、さらに激しさを増していく。


ゴオオオオオッ!


炉の周囲に設置された魔石が、一斉に輝き始めた。


ドワーフ「魔石が反応してるぞ!」


ドワーフD「管の流量を見ろ!」


ドワーフE「上がりすぎだ!このままだと爆発するぞーっ!」


みゆ「……なるほど」


亮「みゆ、なるほどじゃない!」


みゆは激しい熱風の中でも微動だにせず、冷静に装置の数値と魔力の流れを見つめている。


魔力が魔石から管へ流れ込み、そのまま炉へ送られている。

だが、炎の温度が跳ね上がるにつれて、装置内部の魔力の流路までもが強制的に切り替わり始めていた。


みゆ「ベアトリス」


ベアトリス「はいですわ!」


みゆ「そのまま、その炎を維持してください」


亮「みゆ!?」


ベアトリス「分かりましたわ!お任せくださいですわ!」


ゴオオオオオッ!


ドワーフF「ひえええええ! 炉が爆発するぞ!」


みゆ「落ち着いてください。この装置、炉の熱量を感知して魔力の流量を自動調整するフィードバック機構が組まれています」


ドワーフD「ふぃーど……なんだと!?」


みゆ「つまり、ベアトリスの超高出力な炎を押し込むことで、今まで動かなかった不純物精製用のバイパス管に魔力が循環し始めています」


ドワーフD「な、なんだって……!?」


炉の中で熱されていた未完成の金属塊が、見たこともない蒼白の輝きを放ち始めた。

ベアトリスが満面の笑みで魔力を込め、みゆが冷静に数値を呟きながら魔力制御をする。


みゆ「熱伝導率、最適値に達しました。ベアトリス、火を止めてください」


ベアトリス「はいですわ!」


スッと炎が消え、鍛冶場に静寂が訪れる。

炉の熱が引いた後には信じられないほど美しく、透き通った波紋を宿す一本の『剣』が鍛え上げられていた。


ドワーフE「ば、ばかな……! 莫大な魔力、絶妙な火加減、そして完璧な魔力循環の制御……! 俺たちが何十年挑んでも辿り着けなかった『神の領域』の精錬が、今ここで完結したというのか……」


ドワーフD「魔力循環の精度が桁違いだ……こんなの、普通は絶対にできねぇ!」


ドワーフF「名剣だ……! 歴史に残る名剣が今、誕生したぞーっ!!」


亮「え? ベアトリスが火遊びして、みゆがいじっただけなのに……?」


あんな「ちょっと、今度は鍛冶場を火事にする気かと思ったじゃない!」


ベアトリス「最高の火加減でしたわ!」


みゆ「ベアトリスの過剰な熱量と、私のデータ解析による合作です」


ドワーフD「嬢ちゃんたち……いや、師匠とお呼びしていいか」


亮「いや絶対ダメです!!」


もっふる「ピィー♪」


騒然となる鍛冶場の奥から、ドスン、ドスンと重い足音が近づいてきた。


「何の騒ぎだ!」


その姿を見たドワーフたちが、一斉に振り返る。


ドワーフたち「「「親方!!」」」


鍛冶場の空気が一瞬で変わった。

その頑固そうな老ドワーフは、出来上がった名剣と、呆然と立つ亮の姿を交互に見つめた。


こうして――

ベアトリスの暴走とみゆの頭脳が奇跡を起こし、神崎家はまたしてもドワーフたちを大混乱に陥れるのだった。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が

また騒がしく展開していく。


頑固なドワーフの親方を唸らせたのは、まさかのパパのTVうろ覚え雑学。

折れず曲がらずの「日本刀」の秘密を語っただけで、職人たちが神技と崇める大混乱に。


次回、第264話 え、パパが勇者!? ドワーフの親方登場!? パパ、なぜか鍛冶場で大人気!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。