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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三十一章 鍛冶編〜気さくな挨拶で溶け込むパパ⁉〜

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第262話 え、パパが勇者!? ドワーフの鍛冶場を見学!? 娘たちの目が輝き始める!?

食堂の丸椅子に深く腰掛け、神崎家全員で放心状態になっていた。

先ほどまで隣のテーブルで豪快に料理を平らげていたドワーフが、入口から顔を出して手招きしている。


ドワーフ「おう、にいちゃんたち!行くぞ!」


ドワーフ「見学に来るのだろ!」


亮「ちょっと待って。お腹がいっぱいで動けないです」


あんな「ちょっと食べすぎた……苦しい…… 」


みゆ「腹十二分目といったところです」


ベアトリス「限界ですわ!動いたら何かが漏れ出てしまいそうですわ!」


もっふる「ピィー♪」


ドワーフ「なーんだ、あれくらいでしょうがねぇなー」


亮「5分待って、いや3分でいいから」


ドワーフ「ハハハ! この店を出て右に行った先にある鍛冶場だ。後から来いよ!」


亮「行きます」


あんな「絶対に行きます」


みゆ「後学の為、是非見学に伺います」


ベアトリス「その前に休憩ですわ!」


もっふる「ピィー♪」


ドワーフ「おうよ! 待ってるからよ」


豪快に笑いながら出ていくドワーフを見送り、しばらくして神崎家は、重い腰を上げて食堂を後にした。

街の奥へ進んでいく。

やがて、ひと際大きな石造りの建物が見えてきた。


入口に近づいた瞬間。

むわっと熱気が押し寄せてくる。


亮「……暑い!」


あんな「わあ……すごい熱気……」


中から、大きな音が響いていた。


ドン! ドン! ドン!


ドワーフ「お!やっと来たか!」


あんな「鍛冶場、見せてもらえるのですよね?」


ドワーフ「おうよ!歓迎するぜ!」


みゆ「楽しみです」


ベアトリス「楽しみですわ!」


もっふる「ピィー♪」


神崎家が中へ入ると広大な工房の中では二十人ほどのドワーフたちが汗を流して働いていた。

そこには巨大な炉。

積み上げられた金属。

壁一面に並べられた工具。

そして、赤く輝く鉄を一心不乱に叩き続けるドワーフたち。


ドン!


ハンマーが叩きつけられるたび、綺麗な火花がパッと周囲に飛び散る。


あんな「すごい……!」


亮「これが……鍛冶場か。迫力が違うな 」


あんなは、目の前の光景から目が離せない様子だった。


ドン! ドン! ドン!


巨大なハンマーが振り下ろされる。

そのたびに、赤熱した金属から火花が飛び散る。


あんな「すごい……」


ドワーフ「どうだ!」


亮「すごいです!圧倒されますね! 」


ドワーフ「だろ!」


ドワーフは嬉しそうに笑う。


ドワーフB「おい、そこ持ってくれ!」


ドワーフC「任せろ!」


真っ赤になった金属が炉から取り出される。


ドワーフB「いくぞ!」


ドン! ドン! ドン!


あんな「……」


ベアトリス「あんなお姉さま。随分と楽しそうですわ」


あんな「うん!だって、こんなの初めて見るんだもん!」


ドワーフ「嬢ちゃん、鍛冶場を見るの初めてなのか?」


あんな「そうなんです。ちょっとドキドキしています」


ドワーフ「ほう。なら、こっちへ来な!」


ドワーフが壁際へ歩いていく。

そこには何本もの剣が並んでいた。


あんな「わあ……!」


ベアトリス「まあ……」


あんな「こんなにいっぱい!」


ドワーフ「全部、俺たちが魂込めて作った剣だ」


あんな「すごい……」


ベアトリス「一本一本、形も刃の厚みも違いますわ!」


ドワーフ「おうよ」


ドワーフが一本の剣を手に取る。


ドワーフ「こいつは軽さと扱いやすさを重視した剣だ」


あんな「軽いの?」


ドワーフ「持ってみるか?」


あんな「いいの?」


ベアトリス「わたくしも持ってみたいですわ!」


ドワーフ「おう、怪我すんじゃねえぞ」


あんなとベアトリスがそれぞれ剣を受け取る。


あんな「……軽い!それに見た目よりずっと手に馴染むよ! 」


ベアトリス「本当ですわ!重さを感じさせない素晴らしいバランスですわ!」


あんな「でしょ!」


ドワーフ「だが、軽いだけじゃねえ。こっちは真逆だ」


ドワーフが別の重量級の大剣を取り出す。


あんな「うわ……見るからに重そう……」


ドワーフ「持ってみな」


あんな「うん!」


あんなが持ち上げる。


あんな「……重い!」


ドワーフ「ははは!」


ベアトリス「わたくしも持ってみたいですわ!」


ベアトリスは自信満々に大剣を受け取った。


ベアトリス「この重量感、素晴らしい手応えですわ! 騎士たるもの、いかなる大剣であっても優雅に扱ってみせますわ!」


あんな「ベアトリス、ちょっと顔がマジになってるよ」


ベアトリス「ハァーッ! 見ていてくださいですわ!これぞ騎士の舞ですわ!」


亮「ちょっとベアトリス!? 狭い室内で振り回すなーーっ!?」


気合一発、ベアトリスがそのまま大剣を全力でぶん回した。

鋭い風切り音とともに、大剣の重みで身体が持っていかれる。


ぶんっ!!


ドワーフ「ぬおっ!? 避けろーっ! 嬢ちゃん本気で振り回してやがる!?」


あんな「きゃーっ! 壁の棚が切れる切れるーっ!」


みゆ「推定運動エネルギー過大。回避行動を取ってください」


もっふる「ピィーーーーッ♪」


慌てて身をかがめるドワーフたち。

豪快な一撃は大気と床を激しく削り、凄まじい勢いで壁の工具棚を豪快に吹っ飛ばした。


ガシャーン!!


けたたましい破壊音が響き渡り、大量のハンマーや工具が飛び散る。


ベアトリス「……剣の遠心力に少々振り回されてしまいましたわ!」


亮「『少々』じゃないから! 棚は粉々だから」


あんな「もう、ベアトリスはすぐ加減を忘れて暴走するんだから!」


みゆ「ベアトリスの剣技は、常に過剰気味の傾向があります」


ドワーフA「ひぇ〜……冷や汗が出たぞ。だが、あの華奢な腕であの大剣を力任せにぶん回すとは、恐ろしいパワーのお嬢ちゃんだ……」


ドワーフB「おう、恐れ入ったぞ。うちの職人でもあの勢いで振り回せる奴はそういねえぞ」


ベアトリス「お任せくださいですわ!騎士の力、お見せいたしますわ!」


あんな「褒めてないからね」


亮「本当すみません……うちのベアトリスが……」


頭を下げて謝る亮の姿に、ドワーフたちは「威勢がよくていいじゃねえか!」と笑い飛ばしてくれたものの、あんなとみゆはハァと息をついた。

豪快なドワーフ国での生活は、まだ始まったばかりである。


こうして――

見学早々、ベアトリスの剣の暴走によって鍛冶場に激震が走るのだった。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が

また騒がしく幕を開けるのだった。

ベアトリスの規格外な火力が激突し、鍛冶場の炉がまさかの爆発寸前。


危機一髪の中、みゆの精密すぎる分析が合わさった時、誰も見たことのない奇跡の光景が訪れる。


次回、第263話 え、パパが勇者!? ベアトリスの炎が鍛冶場を変える!? みゆの頭脳がドワーフを驚かせる!?

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