第261話 え、パパが勇者!? これがドワーフの食卓!? 娘たちも興味津々の食文化体験!?
ドワーフたちからの熱烈歓迎から解放された神崎家ともっふる。
賑やかな大通りを歩いていると、どこからか肉の香ばしい匂いと、濃厚なスパイスの香りが漂ってきた。
亮「よーし!この店にするか」
あんな「そうだね。すっごく美味しそうな匂いがする」
みゆ「賛成です」
ベアトリス「食べますわ!異国の食文化、楽しみですわ! 」
もっふる「ピィー♪」
お店に入ってみるとそこは熱気あふれる大衆食堂だった。
店内には頑丈そうな巨大な木製テーブルが並び、どの席もドワーフたちで大盛況となっていた。
亮「結構混んでるな。やっぱり人気店なのか 」
あんな「活気がすごいね。みんないい顔して食べてる」
みゆ「あちらの奥に、奇跡的に空いているテーブルが一つあります」
ベアトリス「では、その席ですわ!」
もっふる「ピィー♪」
神崎家が重厚な丸椅子に腰を下ろすと、威勢のいい店員がやってきた。
店員「お客さん、初めて見る顔だな! 注文どうしますか?」
亮「そうだな。せっかくなのでとりあえず、お店のおすすめを持ってきてもらおうか」
店員「分かった!おすすめだな」
店員が厨房へ向かって声を張り上げる。
店員「おすすめ、四人前と一匹!」
しばらくすると。
ドン!
巨大な鉄鍋が、テーブルの中央に置かれた。
亮「……」
あんな「……」
みゆ「……」
ベアトリス「……」
さらに。
ドン!
山盛りの肉料理が載った大皿が置かれる。
ドン!
もう一皿。
そして。
ドン!
もっふるの前にも大きな丼が置かれた。
亮「……もっふるのも、すごいな」
もっふる「ピィー!」
あんな「パパ……」
亮「うん」
あんな「この量は?」
亮「……」
みゆ「四人分とは思えません」
ベアトリス「そうですわ!」
店員「お!やっぱり足りないのか」
亮「え?」
店員「珍しいお客だから、少し少なめにしたんだ。失礼したな」
ドワーフA「そりゃそうだ!そんなちょっぴりの量じゃ、腹の足しにもならねえぞ!」
ドワーフB「お客さんにそんなケチくさい量出すなよー!」
周囲のドワーフたちは豪快に笑いだす。
店員「すぐに追加の料理を持ってきますので」
亮「いやいや、量が多いという話なんですけど…」
あんな「パパ、大丈夫?私たちの胃袋の限界を超えてるよ」
みゆ「完全に供給過多だと思われます」
ベアトリス「頑張りますわ……」
もっふる「ピィ……」
その会話を聞いていた隣のテーブルから、声が飛んできた。
ドワーフA「おい、にいちゃんたち!」
亮「はい?」
ドワーフA「もっと食わねえともたんぞ!」
亮「……にいちゃん?」
ドワーフA「おう!」
亮「俺?」
ドワーフA「他に誰がいるんだ?」
亮「俺、五十歳なんですけど……」
ドワーフA「五十?」
ドワーフは亮を上から下まで眺める。
ドワーフA「なんだ、まだ若造じゃねえか!ガハハハ!」
亮「若造……」
あんな「パパ、若いんだって」
亮「良いね!久しぶりに若者だー!」
あんな「いつもはおじさんだったからね、良かったね」
あんなは太陽のような笑顔で頷いた。
みゆ「ドワーフの寿命と年齢感覚は、人間とは大幅に異なるようです」
ドワーフA「嬢ちゃんたちも、遠慮するな!」
あんな「え?」
ドワーフA「若いものは食えるだけ食え!」
あんな「はい!いただきます。ドワーフの皆さんに負けてられませんから 」
みゆ「私もいただきます」
ベアトリス「では、私もいただきますわ!大食い勝負ですわ!」
もっふる「ピィー!」
大食い競争のような感じの中、食べ始める
ドワーフA「おっ、良い感じだ!」
ドワーフB「兄ちゃんも遠慮するなよ」
亮「遠慮なんてしませんよ。うん。美味しい」
あんな「本当だ。美味しい!」
みゆ「肉の旨味が凝縮されていて、これは美味しいです」
ベアトリス「美味しいですわ!力が湧いてきますわ!」
もっふる「ピィー!」
ドワーフA「だろ!ここの料理は絶品なんだ」
あんな「はい!とっても美味しいです」
隣では、ドワーフたちがものすごい勢いで料理を平らげていく。
ドワーフA「おかわり!」
店員「おうよ!」
ドワーフB「こっちもな!」
店員「おう!すぐ持ってく」
あんな「こっちもおかわりお願いします」
ベアトリス「わたくしもおかわりですわ!」
ドワーフA「ハハハ! 嬢ちゃんたち、最高の食べっぷりだ! 」
亮「……」
ふと気づくと、亮の目の前にあった巨大な鉄鍋が、いつの間にか空になっていた。
亮「早いな……みんな、どこに入ってるの……?」
ドワーフA「おい、にいちゃん!」
亮「はい?」
ドワーフA「手が止まってるぞ!」
亮「いや……結構お腹いっぱいで」
ドワーフB「何言ってんだ!おう、こっちに兄ちゃんにもドンドン持って来い」
店員「あいよ」
ドワーフは豪快に笑う。
ドワーフA「こんなんで腹いっぱいになってたら、鍛冶場でもたねえぞ!」
亮「鍛冶って、そんなに体力使うんですか?」
ドワーフA「朝から晩まで炎の前で鉄を叩いてみろ!」
ドワーフは太い腕を振り上げる。
ドワーフA「腹が減ってしょうがねえ!」
ドワーフB「だから食う!」
ドワーフA「食って!働く!そしてまた食う!」
亮「なるほど……」
あんな「それなら、この量も納得かも」
みゆ「理にかなっています」
ベアトリス「皆さん、本当によく召し上がりますわ!」
ドワーフA「そういうことだ!」
ドワーフは、満足そうに腹を叩いた。
亮「よし!郷に入っては郷に従えだ!食べるぞ!」
もっふる「ピィー♪」
豪快に食べ始める
ドワーフA「いい食べっぷりだ。気に入った」
ドワーフB「おう、兄ちゃんたち!この後、鍛冶場に遊びに来い」
亮「いいんですか?」
ドワーフA「遠慮するな、ただ、熱いからな!覚悟してこいよ」
亮「見学してみたいと話をしていたところだったのだよ」
あんな「だよね」
みゆ「さすがはパパです。意図せず見学ルートを確保しました」
ベアトリス「行ってみたいですわ!」
もっふる「ピィー♪」
亮「……それにしてもすごいな」
あんな「豪快に食べて……」
みゆ「そして、また昼から鍛冶仕事ですね」
ベアトリス「ドワーフの皆さんらしい、熱気に満ちた食事ですわ!」
もっふる「ピィー」
亮「もっふるは、まだ食べてるのか?」
もっふる「ピィー!」
亮「……元気だな」
ドワーフ「ははは! いいぞ小さいの、もっと食え!」
もっふる「ピィー!」
食堂全体に、ドワーフたちの賑やかな笑い声と鉄鍋の音が響き渡っていた。
神崎家は、その豪快な雰囲気にすっかり巻き込まれながらも、和やかな時間を楽しむ。
ドワーフ国での最初の食事。
神崎家は、規格外な料理の量だけでなく、ドワーフたちのパワフルで豪快な暮らしを、身をもって体験することになったのだった。
ふと、満腹になって息をつく亮の背後に、食堂の入口から冷ややかな視線が注がれていた。
人混みの隙間から見え隠れする、ドワーフとは明らかに異なる細身の影。
だが、賑やかな宴に包まれた神崎家がその気配に気づくことはなかった。
こうして——
豪快なドワーフたちの食卓を満喫し、新たな出会いを果たしたのだった。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が
鉄と炎の熱気の中で賑やかに続いていく。
ドワーフの熱気あふれる鍛冶場で見学スタート。
職人たちの魂がこもった剣に娘たちの目が輝く中、騎士の熱血魂がまさかの大暴走!? 力任せのフルスイングで工房の棚を豪快に粉砕。
次回、第262話 え、パパが勇者!? ドワーフの鍛冶場を見学!? 娘たちの目が輝き始める!?




