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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三十章 山越編〜フラグ回収で大揺れの険しい山道⁉岩盤砕く超絶連携!?〜

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第255話 え、パパが勇者!? 街道が崩落で通行不能!? パパの提案即却下!?

街道を進む神崎家。

ドワーフ国を目指す旅は順調に続いていた、はずだった。


亮「……ん?」


先頭を歩いていた亮が、ふと足を止めた。


あんな「どうしたの、パパ?」


亮「道が……」


亮の視線の先。

街道が途中で無残に途切れていた。

大きな岩がいくつも転がり、崩れた大量の土砂が道を完全に塞いでいる。


あんな「うわぁ……派手に崩れてるね」


みゆ「地震による本格的な土砂崩落ですね」


亮「ここ、通れないな」


みゆ「はい。このまま直進するのは物理的に極めて困難だと思います」


亮は腕を組み、崩れた街道を神妙な顔で見つめた。


亮「……」


あんな「どうする?」


亮「どうするって言われてもなぁ」


亮は参ったように頭をかいた。

ドワーフ国へ向かうには、この街道をまっすぐ進む予定だった。

しかし目の前の道は、完全に塞がっている。


亮「これは……迂回するしかないな」


あんな「だよね」


みゆ「別の道を探しましょう」


亮「よし!」


もっふる「ピィー♪」


神崎家は一旦足を止めた。

ドワーフ国への旅はどうやら、そう簡単には進ませてもらえないようだった。


亮「ここだ! この斜面を登ればショートカットできるぞ! ほら、向こう側まで一直線だ!」


亮が街道脇の斜面を自信満々に指差した。


あんな「パパ、それただの崖だから!」


みゆ「パパ」


亮「ん?」


みゆ「角度六十五度。ロッククライミングは非推奨です」


亮「……」


亮は、もう一度じっくりとそこを見た。

確かに道ではない。

どころか、足を滑らせたら真っ逆さまのただの急斜面だった。


亮「……そうかな。なんとかなりそうだけど…」


ベアトリス「頑張って登りますわ!」


あんな「そこは頑張らなくてもいいよ」


ベアトリス「はいですわ!」


あんな「パパが変なこと言うから」


亮「いや。ちょっとしたアイデアの提案だよ」


みゆ「提案としても、滑落の危険性が高すぎます」


亮「ですよねー」


もっふる「ピィー♪」


笑い声が山々に響いた。


みゆが鑑定スキルを発動すると、地面に沿って淡い光がすっと走り、隠れていた地形の情報が一瞬で読み取られていく。


みゆ「少し戻ったところに、山側へ続く別の道があります」


亮「おっ、本当か!?」


みゆ「はい。そちらから迂回して進むことが可能です」


亮「じゃあ、そこから行こう!」


あんな「さすが、みゆだよね」


亮「……その言い方、なんか引っかかるぞ」


あんなは太陽のような笑顔で手を振ると、すぐさま話題を切り替えた。


あんな「気のせい気のせい! それよりパパ、見て! あそこに綺麗な花が咲いてるよ」


亮「え、あ、本当だ……じゃなくて!あんな、話を逸らしただろ!」


もっふる「ピィー♪」


崩れた街道を避けるため、神崎家は少しだけ来た道を戻り、山の中へと伸びる迂回路へと足を踏み入れた。


亮「しかし、地震で道がこんなになっちゃうんだな」


みゆ「山に近づくほど地盤の揺れが直撃し、影響も大きくなる可能性があります」


亮「それは困るな……」


あんな「でも、歩いて行ける道があるなら大丈夫でしょ」


ベアトリス「大丈夫ですわ!」


亮「そうだな!」


山間の険しい迂回路を進んでいく神崎家。


亮「お、こっちの道なら足元も悪くないし、ちゃんと通れそうだな」


ベアトリス「そうですわ! 空気も澄んでいて気持ちいいですわ!」


もっふる「ピィー♪」


あんな「もっふる、相変わらず元気だね」


もっふる「ピィー♪」


みゆ「……待ってください」


みゆがふっと足を止めた。


亮「どうした、みゆ?」


みゆ「この先です」


みゆが指差す前方、細い迂回路の脇に、大きな岩がいくつも転がっていた。

さらにその奥には、根元からへし折れて倒れた大木。

地面にも、ところどころ痛々しい亀裂が走っている。


ベアトリス「ここも地震の影響でしょうか……?」


みゆ「はい。先ほどの本道の崩落地点より、むしろ被害が広範囲に及んでいます」


亮「……思ったよりひどいな」


あんな「木まで倒れてるなんて……」


もっふる「……ピィー」


ベアトリス「この先も、十分注意した方がよさそうですわ!」


亮「そうだな」


亮は前方を見つめた。

山に囲まれ、まだドワーフ国の姿は見えない。

けれど進むほどに、地震の生々しい痕跡が増えている。


亮「ドワーフ国、本当に大丈夫なのかな……」


その問いに、誰もすぐには答えられなかった。

神崎家は少しだけ警戒を強めながら、狭まる山道をさらに奥へと進んでいった。


亮「……迂回路とはいえ、道がどんどん狭くなってないか?」


あんな「仕方ないよ、本道が使えないんだから。パパ、弱音吐かないの!」


亮「いや、弱音っていうか……どこまで続いてるのかなって」


みゆ「地形を見る限り、このまま山嶺に沿って迂回路を進むことになります」


ベアトリス「ですが、こうして足を進められているだけでも良かったですわ!」


亮「まあ、そうだな」


亮は自分に言い聞かせるように頷いた。

その横を、もっふるがてくてくと歩いていく。


もっふる「ピィー♪」


亮「お、もっふるは相変わらず元気そうだな!」


あんな「もっふるは最初からずっと元気だよ」


亮「確かにな」


神崎家は、山の中の迂回路をそのまま進み続けた。

山道は少しずつ傾斜を増し、さらに山の奥深くへと。

その先に待ち受ける、いっそう険しい山道と新たな試練へ向かって――。


こうして――

本道を諦めて険しい迂回路を選んだ神崎家は、未知の山奥へ深く踏み込んでいった。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が

険しい山道へと挑んでいくのだった。

切り立った崖の迂回路で、パパの不用意なフラグがまさかの大爆発。

豪快な大地震で落石と崩落が同時勃発し、前後の逃げ場が完全に消滅……。


頼れる娘たちが岩盤を砕き落石を跳ね返すも、ついに足場ごと谷底へ崩れ落ちる絶体絶命の危機!?


次回、第256話 え、パパが勇者!? 頼れる娘たちが岩盤粉砕!? へっぴり腰のパパを全力ガード!?


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