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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二十九章 獣人国編〜言葉なき少女と紡ぐ、絆と波乱の異国生活⁉〜

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第249話 え、パパが勇者!? 獣人国の市場を満喫!? やっぱりお米がない!?


「へいお待ち! 獣人国名物、大角鹿の豪快ハーブ焼きだ!」


香ばしい匂いとジューシーな煙と共に、大きな木製プレートがテーブルへ運ばれてきた。

市場の一角にある活気あふれるお食事処。

村の散策を楽しんでいた神崎家は、香ばしい匂いに誘われてそのままお店へと入っていた。


亮「うわぁ、美味しそう! それじゃあみんな、食べようか」


亮の声を合図に、神崎家が揃って手を合わせる。


「「「いただきます!」」」


もっふる「ピィ♪」


獣人国での温かい食事。

豪快に焼き上げられた肉料理に、香ばしいハーブの匂いが立ち上る野菜の炙り焼き。

王都の洗練された料理とはまた一味違う、素材の旨味を生かした味付けを神崎家も心から楽しんでいた。


あんな「これ、お肉がすごく柔らかくて美味しい!」


みゆ「独自の香辛料と調理法ですね。過去のデータベースにもない組み合わせで、非常に興味深いです」


ベアトリス「獣人国ならではのお料理ですわ!」


亮「うん。これはこれで本当に美味しいな」


ポポ「おいしい!」


ルナ「でしょ? これ、一番人気なんだよ!」


ドナ「こっちの木の実のスープも美味しいよ!」


ポポ「ホントだ、食べてみる!」


言葉を覚えている最中のポポや、一緒に並んで勉強していたベアトリス、ルナとドナのテーブルからも、弾んだ楽しそうな声が響いていた。


美味しくお腹を満たしたところで。


あんな「ねえパパ、食後の運動がてら、今度は市場を本格的に見て回ろうよ!」


亮「いいな。この国の食材、もっといろいろ見てみたいし」


みゆ「流通している一次産品を観察するのは、地域の生態系を知る上でも有意義ですね」


ベアトリス「市場散策! とっても楽しみですわ!」


ルナ「案内してあげる」


ドナ「わたしもー」


亮「ありがとう。よろしくな」


ルナ「うん」


ドナ「ポポ、こっち行こ!」


ポポ「うん」


神崎家はポポやルナ、ドナたちと一緒に、村の中心にある賑やかな市場へ向かった。

市場へ足を踏み入れると、そこには色鮮やかな食材がずらりと並んでいた。


見たこともない大ぶりの野菜。

甘い香りを放つ果物。

威勢よく切り分けられる様々な肉。

露店の間を歩くだけで、目移りしてしまうほどの活気だ。


あんな「わぁ……いっぱいある! 見てるだけでワクワクするね」


みゆ「王都の市場とは流れている流通品が明確に異なります」


ベアトリス「わたくしも見たことのない果物がたくさんございますわ!」


ポポ「これ、なに?」


ルナ「それはね――『おひさまのパパイヤ』だよ!」


ドナ「甘くてジューシーで、そのまま食べられるよ!」


ポポ「へぇ……! すごい!」


ポポも、ルナとドナに案内されながら興味津々で市場を楽しんでいる。


亮「すみません、この珍しいキノコは何に使うんですか?」


店主「おう旦那! それは肉と一緒にじっくり煮込むと最高にダシが出るんだ美味いぞ!」


亮「なるほど! 煮込み用かぁ、美味しそうだな」


亮も子供のように目を輝かせながら、いろいろな店を見て回る。

珍しい食材や調味料を眺めているうちにふと、亮の足が止まった。


亮「……ん?」


何かを探すように、ぐるりと辺りの棚を覗き込む。


亮「ちょっと待てよ……」


あんな「パパ、どうしたの? 何か気になるものでもあった?」


亮はもう一度、じっくりと市場の隅々にまで視線を走らせた。


亮「……お米、ないかな?」


みゆ「……」


亮「どこかのお店に置いてあったりしないのかな?」


期待を捨てきれない亮は、市場を見回してから近くの露店へ歩み寄った。


亮「すみません、ちょっとお尋ねしたいんですが」


店主「ん? なんだい旦那、買い出しか?」


亮「あの、米……お米って、置いてたりしますか?」


店主「……コメ?」


亮「はい。こう……小さな白い粒で、炊くとふっくらモチモチして、甘みがある食べ物なんですが」


獣人の店主「うーん、聞いたこともないな」


亮「そっか……」


諦めきれず、亮は別の店にも声をかけてみる。


亮「あの、お米って知りませんか?」


獣人の商人「米? なんだそりゃ、魔物の名前か? 聞いたことねえな」


亮「ここにもないか……」


あんな「ないねー。異世界に来てからもずっと探してるけど」


みゆ「これまで訪れた各地域の都市や村を含め、市場でそれらしき穀物は確認できません」


亮はもう一度、賑わう市場を見渡した。

豪快な肉もある。

新鮮な野菜もある。

甘くて美味しい果物もある。

活気と笑顔に満ちた、素晴らしい市場だ。


それでもやっぱり、お米だけはどこにもなかった。


亮「やっぱり……どこに行っても米はないんだなぁ」


寂しそうにつぶやく亮に、あんながくすりと笑う。


あんな「まあ、獣人国にもないのは分かったけどさ」


亮「うん……」


みゆ「この世界は広いです。可能性はあります」


ベアトリス「お米、わたくしも一度食べてみたいですわ!」


ポポ「わたしも、お米食べたーい!」


もっふる「ピィー♪」


亮「ポポちゃんも食べたいか。ふっくら炊きたてのご飯は最高なんだよな」


ポポ「炊きたて、ポポも食べたい!」


亮「はは、そうだな。いつか見つかったら、みんなで一緒に食べよう」


亮の言葉に、神崎家の面々も楽しそうに顔を見合わせる。

獣人国の料理も美味しい。

市場の雰囲気も、温かくて最高に楽しい。


賑やかな市場の熱気の中に、神崎家の和やかな笑い声がどこまでも高く響き渡っていった。


こうして――

獣人国の美味しい食材に囲まれつつも、やっぱりお米には巡り合えなかった一日。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が

今日も平和に続いていくのでした。

ポポの笑顔と居心地の良さに後押しされ、獣人国への長期滞在を即決する神崎家。


しかし平和な日常を切り裂くように、頻発する不気味な地鳴りと巨大な揺れが足元を襲う……。


次回、第250話 え、パパが勇者!? ポポちゃんの笑顔を守るため獣人国に永住決定!?

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