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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二十九章 獣人国編〜言葉なき少女と紡ぐ、絆と波乱の異国生活⁉〜

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第244話 え、パパが勇者!? 逃げ場なしの激震!? 子供たちが絶体絶命!?


ポポ「……!」


陽光が遮られた不気味な暗がりの中、巨大な脅威が立ちふさがっていた。

木々の向こうから突如として姿を現した異形の巨躯に、子供たちは一歩も動くことができない。


ルナ「……なに、あれ……?」


ドナ「分からない……」


ポポ「……こわい……」


太い枯れ木や蔓で形作られた身体は、一見するとどっしりと地を踏みしめる巨大な熊のようにも見えるが、どの動物ともつかない不気味な異形の姿をしている。


背中には巨大な木の根や暗緑色の苔が複雑に絡みつき、まるで何重もの鎧のように重厚な樹皮が全身をびっしりと覆っていた。


頭部から突き出た歪な二本角。

ゆっくりと開いた口の中には、鋭い牙が列をなしている。


ポポ「……!」


魔物の赤い瞳が、三人の小さな身体を捉える。


ドンッ!


空気を揺らす強烈な地鳴りが響き渡った。


ルナ「逃げて!」


ドナ「ポポ!」


ポポ「うん!」


悲鳴のような声を上げ、三人は一斉に足を踏み出した。

背後から押し寄せる重苦しい足音。


ドドドドドッ!


巨体が木々をなぎ倒しながら、容赦なく迫ってくる。


ポポ「はぁ……はぁ……!」


ルナ「こっち!」


ドナ「急いで!」


迷路のような木々の間を必死に駆け抜ける。


ズドォン!


魔物の突進により、大人二人がかりでも抱えきれない木が何本も砕け散った。


ポポ「きゃっ!」


ドナ「ポポ!」


舞い散る木片と爆風に煽られ、転びそうになるポポ。

ルナが必死に手を伸ばす。


ルナ「ポポ、こっち!」


ポポ「ルナ……!」


ぎゅっと小さな手を繋ぎ直し、三人は再び奔走する。


それでも、迫り来る魔物の速度は衰えない。

巨躯が少しずつ、着実に距離を詰めてくる。


ポポ「助けて……!」


周囲には大人も、助けとなる者も誰もいない。


ポポ「助けてー!」


叫び声が、静もり返った森の奥深くまで駆け抜けていく。


ルナ「ポポ、こっち!」


ドナ「急いで!」


三人は繋いだ手を離さないまま、必死に脚を動かし続ける。

背後で再び衝撃音がした。


ズドンッ!


ポポ「きゃっ!」


ルナ「走って!」


ドナ「止まっちゃダメ!」


地表に張り巡らされた巨大な根につまずきかけながらも、泥を跳ね上げて逃げ惑う。


ドンッ!


一際大きな地揺れが三人を襲った。


ポポ「うわっ!」


浮き上がるような衝撃に体制を崩し、倒れそうになったポポの身体をルナがしっかりと抱き止める。


ルナ「大丈夫!」


ポポ「……うん!」


ドナ「まだ来る!」


振り返ると、魔物はすでに至近距離でこちらを鋭く見下ろしていた。

巨大な角を低く下げ、地表を爪で引っかく。


ズドドドドッ!


再び猛烈な勢いで地を蹴る魔物。

三人はなりふり構わず奥へ奥へと逃げ込む。


ポポ「はぁ……はぁ……!」


ルナ「もう少し……!」


ドナ「ポポ、頑張って!」


ズドンッ!


直後、耳を裂くような破壊音とともに魔物の角がすぐ横の木をへし折った。


ポポ「きゃあっ!」


ルナ「ポポ!」


木屑を浴びながら三人が悲鳴を上げた、その時である。


???「おい! 子どもたち!」


木の影から、一人の獣人戦士が疾風のごとく駆け込んできた。


虎人戦士「そのまま走れ!」


ポポ「……!」


戦士は三人の前に庇うように立ち塞がる。

しかし、背後から迫る異形の姿を正視した瞬間、その顔が驚愕に染まった。


虎人戦士「……森喰いだと!?」


ポポ「……もり……?」


ルナ「知ってるの?」


虎人戦士「お前たちは逃げろ!」


身の危険を察しながらも、戦士は震える手で武器を構え直す。


虎人戦士「ここは俺が――」


怒号を遮るように、森喰いが鋭い咆哮とともに地面を踏み鳴らした。


ドンッ!


虎人戦士「来い!」


正面からの突進に対し、戦士は全身の筋力を絞り出して踏み留まろうとする。


ズドォォォン!


激突の瞬間、重厚な金属音が響き、戦士の身体は呆気なく宙を舞った。


虎人戦士「ぐあっ!」


ドゴンッ!


凄まじい衝撃を受け、戦士の身体が太い木の幹へ叩きつけられる。

そのまま地面に崩れ落ち、ピクリとも動かない。


ポポ「……!」


ルナ「キャー!」


ドナ「助けてー」


救援の望みは一瞬で打ち砕かれた。

森喰いがゆっくりと、残された幼い三人へその巨体を向け直す。


ポポ「……いや……」


ルナ「ポポ、逃げて!」


ドナ「もうだめ……!」


あまりの恐怖に膝が震え、三人は指一本動かすことができない。


ズン……。


魔物が重い一歩を踏み出す。


ズン……。


死を運ぶ巨躯が、刻一刻と迫る。


ポポ「助けて……」


ぽつりと漏れた小さな絞り出すような声は、静まり返った深い森の奥へと虚しく吸い込まれていった。


こうして――

魔獣の圧倒的な脅威を前に、子供たちは絶体絶命の危機に瀕する。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)の

子供たちの運命は。

獣人国の総力を結集した猛攻すら無力化する、絶望の巨大魔獣『森喰い』


絶体絶命の危機に瀕する子供たちと森を守るため、マイペースな神崎家が誇る最強の家族愛が今こそ爆発する?


次回、第245話 え、パパが勇者!? 総力戦でも傷一つなし!? 森喰いの脅威に獣人戦士たちも全滅寸前!?


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