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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二十九章 獣人国編〜言葉なき少女と紡ぐ、絆と波乱の異国生活⁉〜

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第242話 え、パパが勇者!? ポポちゃん、秘密基地探検で大冒険!?

集落の中庭に、子供たちの弾けるような笑い声が響き渡っていた。

ポポは、ルナとドナと一緒に過ごしている。

言葉はまだ半分も通じないけれど、そんなものは関係なかった。

三人はもう、すっかり大親友だ。


ルナ「ポポ、こっち! こっちだよー!」


ルナが猫耳をぴんと立て、しっぽをふりふりと振らせながら楽しそうに手招きする。

ポポがパタパタと小さな足で近づくと、今度はドナが身を乗り出した。


ドナ「次はこっち! 捕まえてごらーん!」


ポポ「えっ? あ、待って……!」


ドナが反対側へ向かって走っていくのを、ポポも慌てて追いかける。


ルナ「ざんね〜ん! こっちでした!」


ドナ「あはは! ポポ、おしい!」


ポポ「むー! つかまえる……!」


一生懸命に追いかけるポポの顔にも、満面の笑顔が広がっていく。

言葉が完璧に通じ合わなくても、一緒に走って笑い合うだけで十分だった。

それだけで、三人は最高に楽しかった。


しばらく追いかけっこをして遊んでいると、ルナがふと集落のすぐ隣に広がる広大な森の方へと視線を向けた。


ルナ「ねえ、森に行ってみない? すごく面白いものがいっぱいあるんだよ」


ドナ「行こう行こう! きのこともいっぱい生えてるし、あたしたちのすっごい秘密基地もあるんだから!」


ポポ「……森? 秘密基地……?」


聞き慣れない言葉にポポが首を傾げると、ルナとドナが両側からポポの手をぎゅっと握りしめた。


ルナ「大丈夫、すぐ近くだから! いつもみんなで遊んでる場所だし安心だよ」


ドナ「木の実もいっぱい落ちてるよ! ポポにあげる!」


ポポ「……うん! 行く!」


ポポが元気に頷くと、三人はしっかりと手を繋ぎ、弾むような足取りで森へ向かって走り出した。

その楽しそうな後ろ姿を、離れた場所から神崎家の面々が見守っている。


亮「お、あいつらどこ行くんだ? なんだか楽しそうだなあ」


あんな「ルナちゃんとドナちゃんが、森の秘密基地を案内してくれるみたいですよ。ポポちゃん、すっかり懐いちゃって」


みゆ「子供同士のコミュニティ形成スピードは目覚ましいものがあります。言語の壁を物理的距離と遊びの共有で軽々と突破しています」


ベアトリス「素晴らしいですわ! ああ、わたくしも一緒に混ざって『鬼ごっこ』というものを嗜みたいですわ……!」


亮「平和でいいなあ。よし、俺はみんなが帰ってくるまでのんびりするかー」


そう言った亮に、あんなとみゆの鋭い視線が同時に突き刺さった。


あんな「ちょっとパパ! のんびりするかではなくて、手伝いでもしてきたら」


みゆ「色々と仕事はありそうです」


亮「えーたまにはのんびりさせてよー」


もっふる「ピィ〜……」


獣人国の暮らしは、深い森とともにあった。

家々のすぐ近くまで立派な木々が広がり、その先にはさらに広大な樹海が続いている。

獣人たちにとって森は恐ろしい場所ではなく、日々の遊び場であり、恵みを与えてくれる大切な暮らしの一部なのだ。


ルナ「こっちだよ! この大きな木の根っこを潜るの!」


ドナ「ポポ、足元気をつけてね!」


ルナ「見て見てポポ! このお花、甘い匂いがするんだよ!」


ポポ「ほんと……? わあ、クンクン……あまい!」


木々の間から差し込む柔らかな木漏れ日が、三人の髪や耳をキラキラと照らしている。

風が吹くたびに青々とした草木がサワサワと揺れ、どこか遠くで見たこともない珍しい鳥が涼やかにさえずっていた。

おだやかで、温かな時間が流れていく。


ポポ「……!」


ポポはふと立ち止まり、見上げるほど高い木々と、一面に広がる緑の風景を見渡した。


ルナ「ポポ、どうしたの?」


ポポ「……きれい。森、とってもきれい!」


ルナとドナに教えてもらったばかりの言葉を、ポポは愛おしそうに、一つひとつ確かめるように口にする。


ルナ「でしょー! ポポが喜んでくれて嬉しいな!」


ドナ「うん! 森はあたしたちの宝物なんだよ!」


三人は顔を見合わせると、また弾けるような笑顔で駆け出していった。

秘密基地があるという、木漏れ日の差し込む森の少し奥へ。

無邪気で幼い足取りで、どんどん進んでいく。


――ガサッ。


不自然に、重く木々が揺れた。

遊ぶことに夢中な三人は、まだ何も気づいていない。


――ガサガサ……。


遠くの枝に止まっていた鳥たちが、何かから逃げるように一斉に羽ばたいた。


ズ……、ズズ……。


地の底から響くようなほんの僅かな振動が、足元の地面を伝う。

だが、夢中で追いかけっこをするポポたちは気づかない。


ルナ「ポポ、あっち! 秘密基地までもう少しだよ!」


ドナ「早く早くー!」


ポポ「うん!」


三人は手を繋いだまま、さらに森の奥へ向かって走っていく。

その背後で何かが、静かに、そして確実に動き出していた。

まだその異形の姿は見えない。

ただ、先ほどまでの穏やかな温もりは消え去り、森の空気がふっと冷たく、重いものへと変わっていた。


こうして――

楽しいはずの森での時間が、静かな危険の気配に包まれ始めていた。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が

波乱の予感を秘めたまま、未知なる冒険へと続いていく。

獣人国にも存在しないポポの出生記録、そして「転生者説」という衝撃の可能性。


さらに300年続く「人間への敵意」に潜む恐るべき不自然な謎とは……。

理由なき謎が深まる中、無邪気に遊ぶポポたちが待つ森でまさかの大異変が発生!?


次回、第243話 え、パパが勇者!? ポポちゃんの秘密が判明!? 神崎家と族長たちが語る本当の故郷とは!?

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