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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二十九章 獣人国編〜言葉なき少女と紡ぐ、絆と波乱の異国生活⁉〜

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第241話 え、パパが勇者!? ポポちゃん、獣人語のお勉強!? 一緒に覚えれば怖くない!?

先ほどまでの冷たく張り詰めた緊張感がすっかり消え去り、和やかな温もりに包まれた獣人国の広間。

ポポは亮たちのすぐそばにちょこんと腰を下ろし、安堵したように息をついていた。


すると、扉からそっと二人の少女が顔を覗かせる。

一人は猫耳をぴんと立てた可憐な少女。

もう一人は、大きな体をした熊人の少女だ。


ニャルミア「ルナ、ドナ」


二人を呼ぶ猫人族長ニャルミアの声に促され、二人は少し緊張した様子で前へ歩み出た。


ニャルミア「ルナ、ドナ、ご挨拶を」


ルナ「ルナ」


猫人の少女ルナは、自分の胸を指差す。


ポポ「……ルナ」


ルナ「そう! 私の名前、ルナ!」


ポポ「ルナ」


続いて、ルナはポポの胸を指差す。


ポポ「ポポ」


ルナ「ポポ」


ポポ「うん、ポポ!」


ポポがにっこりと笑うと、隣の熊人の少女ドナも元気よく胸を叩いた。


ドナ「ドナ!」


ポポ「ドナ」


ポポは二人をじっと見つめる。

言葉はまだ分からない。

それでも、この二人が自分と仲良くなろうとしてくれている温かな思いは、ちゃんと心に伝わっていた。


ポポ「……うん!」


ルナが嬉しそうにポポの手を取る。


ドナ「よろしくね!」


ポポ「……?」


首を傾げるポポだが、ドナの楽しそうな顔を見て自分も嬉しそうに微笑んだ。

ルナに手を握られたまま、ポポはパタパタと足を揺らしている。

反対側からはドナが覗き込み、ポポの顔を見ては無邪気に笑っていた。


言葉の壁をあっさりと超えていく子供たちの姿に、亮は感心する。


亮「……なんだか、あっという間に友達になってるな。子供ってすごいなあ」


あんな「本当だね。ポポちゃんもすごく楽しそう!」


みゆ「言語によるコミュニケーションを介さずとも、感情の同調率が非常に高い状態です」


ベアトリス「これならもう、安心ですわ!」


もっふる「ピィ♪」


獣人国に来てから、まだほんのわずかな時間しか経っていない。

知らない言葉ばかりで、まだ何も分からない。

それでもポポの周りには、もう一緒に笑い合える新しい仲間ができていた。


ルナは、ポポの可愛らしい顔をじっと見つめた。


ルナ「ねえ、ポポ」


ポポ「……?」


ルナ「ポポは、獣人の言葉が分からないんだよね?」


首を傾げるポポの様子を見て、ドナも優しく頷く。


ドナ「やっぱり分からないみたい」


ルナ「だったら――私たちが教えてあげようよ!」


ドナ「うん!」


二人は嬉しそうにパッと顔を見合わせた。


ポポは不思議そうに二人の会話を聞いているが、何を話しているのかまでは理解できない。

そんなポポの頭を優しく撫でながら、あんなが声をかけた。


あんな「ポポちゃん」


ポポ「……ん?」


あんな「ルナちゃんとドナちゃんが、ポポちゃんに獣人語を教えてくれるって言ってるよ。一緒に勉強しよって言ってくれてるけど、どうする?」


ポポは、ルナとドナを交互に見つめる。

二人とも、溢れんばかりの笑顔でポポを見つめ返していた。


ポポ「……する!」


あんな「ふふっ、ポポちゃんが『言葉を教えてほしい』って」


ルナ「!」


ドナ「やったー!」


二人は歓声を上げ、嬉しそうにポポの手をキュッと握りしめた。


ルナ「じゃあ、まずはゆっくりね」


ドナ「ポポ、分からなくても大丈夫だからね!」


二人はポポの目線をしっかり合わせながら、ゆっくりと言葉を届けていく。

ポポは真剣な眼差しで耳を傾けていた。

まだ意味までは汲み取れない。

それでも、何度も繰り返し語りかけてくれる二人の声を、一生懸命に受け止めようとしている。


ルナ「もう一回いくよ」


ドナ「そうそう、上手!」


ポポ「……」


ポポは一生懸命に小さな口を動かす。

うまく言えない。それでも、あきらめずにもう一度。


ポポ「……」


ルナ「うん!」


ドナ「上手、上手!」


褒められたポポの口元が、柔らかな微笑みに緩む。

ルナとドナも、自分のことのように嬉しそうに笑った。

言葉の完全な意味はまだ伝わらない。

けれど三人の間には、温かく確かな絆が生まれ始めていた。


しばらくすると、ポポはルナとドナの発する音をそっくりそのまま真似するようになっていた。


ルナ「りんご」


ポポ「……りんご」


ドナ「木の実」


ポポ「……木の実」


二人の顔が満面の笑顔になった。


ルナ「言えた!」


ドナ「ポポ、すごいよ!」


ポポ「……!」


二人に手放しで褒められ、ポポも満足そうに顔をほころばせる。

その様子を、少し離れた場所から見守っていたベアトリスが、感極まったように胸に手を当てた。


ベアトリス「……そうですわ!」


ベアトリスは、楽しそうに言葉を交わし合う三人を温かい眼差しで眺める。

そして、何かを決意したように背筋をぴんと伸ばした。


ベアトリス「私、決めましたわ! 私も覚えますわ!」


あんな「え?」


ベアトリス「獣人国の言葉ですもの。私もポポちゃんと一緒に覚えたいですわ!」


ポポ「……?」


ベアトリスの気合いの入った言葉は、ポポにはまだ理解できない。


それでも、ベアトリスが自分に向けて優しく笑っていることだけは、はっきりと分かった。

ベアトリスも優しく微笑み返す。


ベアトリス「一緒に頑張りますわ!」


あんな「ベアトリスも一緒に頑張るって言ってるよ」


ポポ「……うん!」


賑やかな三人に、頼もしいお姉さんがもう一人加わった。


ルナ「じゃあ、これから毎日教えてあげるね!」


ドナ「うん! ポポ、一緒にやろう!」


ポポ「……うん!」


小さく、力強く頷くポポ。

その隣で、ベアトリスも笑みを浮かべる。


ベアトリス「わたくしも負けませんわ!」


ポポ「……みんな……!」


覚えたての温かな言葉を、ポポが小さく口にした。


ルナ「そう。みんな!」


ドナ「みんな一緒!」


ポポは二人とベアトリスを見比べ、本当に嬉しそうに笑った。

その様子を後ろから眺めていた亮は、安心した表情を浮かべる。


亮「いやあ、子供の吸収力って本当にすごいなあ。俺も少しは見習わないとな」


みゆ「言語習得における脳の可塑性は、幼少期ほど顕著です。とはいえ、ベアトリスの学習意欲も数値化すれば相当な熱量です」


もっふる「ピィー♪」


獣人国で暮らし始めたポポに、少しずつだが新しい言葉とかけがえのない大切な友達が増えていく。


こうして――

災難から始まった異国での騒動は、幼い少女たちの絆と神崎家の温かな対応によって、平和な第一歩を踏み出したのだった。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が

未知なる国での新たな出会いとともに賑やかに続いていく。

すっかり大親友になった子供たちが、ワクワクいっぱいの森の秘密基地へ!?


しかし無邪気にはしゃぐ三人の背後で、森の空気が一変し怪しい影が忍び寄る……。


完全オフモードで親バカ全開のパパは、この静かな異変に気づくことができるのか。


次回、第242話 え、パパが勇者!? ポポちゃん、秘密基地探検で大冒険!?


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