↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二十八章 国境編〜ポポのおうちを目指す旅が、まさかの誘拐犯!?〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

243/329

第229話 え、パパが勇者!? 美人四姉妹で獣人国へ!温かな家族の絆を乗せて爆走!?

第二十八章、スタートです!


ポポちゃんの故郷を目指し、ついに王都を出立した神崎家一行。


「今度こそ、のんびり風を感じながら家族でスローライフな旅を!」


と願うパパですが、ベアトリスの大張り切りによる大爆走から始まり、三百年間途絶えていた歴史の壁、そしてまさかの不審者?


国境を越える前から、やっぱり今回も騒動とツッコミの嵐です。


けれど、新たに「四姉妹」となった娘たちの絆と、ポポちゃんを無事におうちに送り届けるための家族の決意は本物。


神崎家は無事に獣人国にいけるのか?


神崎家のドタバタ異世界スローライフ(?)、

新章もぜひ楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!

亮「よーし、獣人国へ出発だー!」


青空の下、亮の爽やかな声が街道に響き渡る。


快適な速度で走る一台の大きな荷車。

それを引いているのは、大型鹿系魔物・グランディアだ。


御者台では、亮が穏やかな笑顔で手綱を握っていた。


亮「いやー、こうして風を感じながらのんびり旅するのも久しぶりだなあ」


あんな「そうだね。前回の移動はバタバタだったから、こういう移動もたまには良いかも」


亮「それに、この立派な荷車。本当にありがたいよなあ」


あんな「ゼーマンさん、本当に親切だよね。 小さいポポちゃんが歩くのは大変だろうからって、こんな立派な荷車を貸してくれるなんて感謝しきれないよ 」


ベアトリス「皆様で一緒に乗れるのですから、とってもありがたいですわ!」


もっふる「ピィー♪」


どこまでも広がる澄み切った青空。

心地よい爽やかな風が、通り抜けていく。

街道の両脇には、青々とした美しい草原がどこまでも広がっていた。


荷台では、あんなとみゆが並んで座り、その隣ではポポがもっふるを大切そうに抱きしめている。


もっふる「ピィ〜♪」


ポポ「……きれい」


ポポは、目の前を流れていく雄大な景色をぽかんと眺めていた。

壁に囲まれていた王都とは、まるで違う世界。


どこまでも続く広大な草原と、遠くに見える雄大な山々。

ポポにとって、見るものすべてが初めて体験する美しい景色だった。


あんな「ポポちゃん、楽しそうだね。私たちも一緒に旅ができてすごく嬉しいよ」


ポポ「うん……!ポポも嬉しい」


ポポは嬉しそうに微笑む。

その表情を荷台の奥に見つけた亮は、御者台から温かな眼差しで振り返った。


亮「そういえばさ」


あんな「ん? なにパパ?」


亮「これで、うちも四人になったんだよな」


みゆ「……家族構成の再定義ですか」


亮「ほら、あんな、みゆ、ベアトリス、それからポポちゃん」


ポポ「……わたしも……?」


亮「もちろん!」


亮は優しく笑った。


亮「これからは『神崎家の美人四姉妹』だな!」


ポポ「……!」


ポポは驚いたように、大きな瞳を丸くした。


亮「あれ……嫌だったかな?」


ポポ「……嫌じゃない! すっごく……うれしい……!」


ベアトリス「まあ! 素晴らしいですわ! ポポちゃんという可愛らしい妹ができて、わたくしも誇らしいですわ!」


あんな「ポポちゃんが一番下の妹ね!」


みゆ「パパらしいです」


ポポ「……お姉ちゃん……?」


ポポはおずおずと、あんなたちを見つめた。


あんな「そうだよ! 私たちがポポちゃんのお姉ちゃんだよ!」


ポポ「……そっか……お姉ちゃん……」


ポポは照れくさそうに頬を染めながら、心から嬉しそうに笑った。

その横で、もっふるがパタパタと短い羽を揺らす。


もっふる「ピィー♪」


亮「もっふるも嬉しそうだな」


もっふる「ピィー♪」


そんな温かく穏やかな時間が流れていたのだが。


すっと、ベアトリスが目を輝かせながら御者台へ身を乗り出した。


ベアトリス「わたくしもその荷車の操縦というものをやってみたいですわ!」


亮「え、グランディアの操縦を?」


ベアトリス「ええ! 騎乗や御者の技術も嗜んでおきたいのですわ!」


亮「そっか! やってみる?」


ベアトリス「ぜひやりたいですわ!」


亮「じゃあ、どうぞ。優しく持ってね」


亮が手綱を渡すと、ベアトリスは嬉しそうに握りしめた。


ベアトリス「こうですわ?」


亮「そうそう。グランディアは頭が良いから、強く引っ張らなくて大丈夫だからね」


ベアトリス「分かりましたわ!」


グランディアが、パカポコと心地よい足音を立てて街道を進む。


ベアトリス「まあ! 風を切って、とっても気持ちいいですわ!」


亮「うん、筋がいいよ。上手だ」


あんな「ベアトリス、すっごく楽しそう!」


みゆ「はい。運動学習における適応能力の高さを感じます」


あんな「パパより筋がいいんじゃない? パパ、王都を出る前に御者さんに教えてもらってた時、ひどかったもんね」


みゆ「記憶に新しいです。非常に危険な状態でした」


【〜回想〜】


王都を出発する直前、親切な御者から手綱の握り方を教わっていた亮。


御者「亮さん、このように手綱をですね、優しく張る感じで……」


亮「大丈夫だよー! 俺、こういうの得意だから!」


御者「あ、いえ、調子に乗ると魔物が……あっ! なかなか上手ですね!」


亮「でしょー! ハハハ!」


調子に乗った瞬間、グランディアが「ヒヒーン!?」と暴れ出し、荷車が激しく蛇行したのだった。


御者「暴れるなんて滅多にないグランディアが!? 一体何をしたんですか!?」


あんな「パパ! 調子に乗って何か変なことでもしたでしょー!?」


みゆ「褒められるとすぐに調子に乗って失敗する典型例です」


亮「そんなー! 褒められたから『よしよし』って心の中で思っただけなのにー!」


もっふる「ピィ……」


【〜現在〜】


あんな「……っていう前科があるからね、パパは」


亮「あの時はグランディアがちょっと張り切っちゃっただけだって」


ベアトリス「もっと速くしても大丈夫ですの!?」


亮「いやいや、まだ慣れてないんだからそのままで」


その瞬間。

グランディアの大きな耳がピクッと動いた。


亮「ん?」


グランディア「ブルルッ!」


突然、グランディアが何かを感じ取ったように速度を上げた!


ベアトリス「まあっ! スピードが上がりましたわ!」


亮「ベアトリス、慌てなくていい! 手綱を優しく引き寄せて!」


ベアトリス「分かっていますわ! お任せくださいですわ!」


しかし、ベアトリスの視線の先、街道の真ん中に大きな水たまりが広がっていた。


ベアトリス「……あら? あれは……?」


亮「あっ! まずい、水たまりだ!」


ベアトリス「えっ!?」


グランディアが水たまりを避けようと、急激に横へ進路を変えた!

荷車が大きく斜めに傾く!


ガタンッ!!


ポポ「きゃっ!?」


あんな「ポポちゃん!?」


みゆ「警告! 荷台右側、急速に傾斜します!」


もっふる「ピィー!?」


ポポ「もっふる!」


ポポはとっさにもっふるを抱きしめ、身を縮めた。


亮「ベアトリス、手綱を少し緩めて! まっすぐ走らせて !」


ベアトリス「こ、こうですわ!」


亮「そう!」


ベアトリスが慌てて手綱を緩めると、グランディアは姿勢を立て直し、再び速度を落とした。

荷車の揺れがゆっくりと収まっていく。


ベアトリス「……ふぅ。……今のは、少々揺れましたわ!」


あんな「少々!? 完全に横転しかけてたでしょ!?」


みゆ「計測データによれば、荷台が約二十度傾きました。転覆寸前です」


ベアトリス「今度は安全運転で行きますわ!」


ポポ「……ふふっ」


そのやり取りを見ていたポポが、思わず可憐な笑い声を漏らした。


もっふる「ピィー♪」


ポポの笑顔につられるように、もっふるもご機嫌で鳴く。


亮「よーし、のんびり安全に行こう。スローライフ旅行だ―」


だが、亮のそんな平和な願いは、次の瞬間あっさりと打ち砕かれた。


ベアトリス「お任せくださいですわ! 完璧な安全運転とは即ち、迅速な目的地への到達ですわ! 今度は最高速度でお届けいたしますわ!」


あんな「どこが安全運転なの!? 意図を真逆に解釈しないでー!?」


ベアトリス「お姉様からの熱い激励、確かに受け取りましたわ! いざ、限界突破ですわーー!!」


ビシィッ!


威勢良く手綱が振られた瞬間、グランディアが目を輝かせて猛烈なダッシュを開始した!


ガタガタガタガタッ!!


あんな「きゃああああ!? スピードが出すぎーー!!」


みゆ「警告! 荷台の揺れが限界値を超過、空中跳躍の危険性があります!」


ポポ「わぁーっ♪ すごーい! ぴゅーって飛んでるみたいー!」


もっふる「ピィーーーーーッ!?」


亮「ベアトリス! ブレーキ! ブレーキを踏んで――うわああああ!?」


あんな「荷車にブレーキなんてついてないでしょーー!!」


スローライフとは程遠い絶叫と悲鳴を街道に響かせながら、神崎家を乗せた荷車は、遥かなる獣人国へ向かって猛スピードで爆走していくのだった。


こうして――

『美人四姉妹』となった娘たちの賑やかな歓声とともに、新たな旅が幕を開ける。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、

風を切り裂く爆走とともに未知なる秘境へ突き進むのだった。


暴走する荷車で平原を大爆走する神崎家。


一方その頃、王都では歴史から消された「300年前の真実」を巡り最高幹部会議が大紛糾。

手続き無用の無茶振りな旅立ちに、国の重鎮たちが勝手に期待と勘違いを深めていく!


次回、第230話 え、パパが勇者!? 神崎家の勝手な旅立ちで王都大騒ぎ!?


勘違いと爆走の果てに、止まっていた歴史の歯車が今動き出す!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。