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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第四部【創地編】第二十七章 架橋編〜異世界の迷子を笑顔に!?~

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第225話 え、パパが勇者!? どんな理由でもこの子を守る!パパの温かい誓い!?

ポポは、もっふるの丸い身体にそっと寄り添うようにして静かに座っていた。

言葉が通じたことで幾分か安心した表情を見せているものの、その小さな身体には、長らく心に刻み込まれた消えない不安がまだ残っていた。


亮は、そんなポポの痛々しい姿を静かに見つめる。

そして、ゆっくりとゼーマンに向き直った。


亮「ゼーマンさん……。この子に、一体何があったんですか?」


ゼーマン「……そうですねぇ。お話ししておいた方がよさそうですね」


ゼーマンは重々しく静かに口を開いた。


ゼーマン「この子を引き取る前、現地の人たちはこの子を酷く恐れておりましてね」


亮「恐れて……?」


ゼーマンは深く頷く。


ゼーマン「ええ。理由は『言葉』です。この子が何を言っているのか、周囲の誰一人として理解できなかったのですよ。今も神崎様以外は何を言っているのか分かりません」


ゼーマンの表情が少し曇る。


ゼーマン「周りの者たちは、聞いたこともない不気味な言葉。意味の分からない言葉。それを……『悪魔の呪詛』だと言い出したのですよ」


あんな「……っ!」


あんなが息をのむ。ゼーマンは淡々と続けた。


ゼーマン「私が保護する前、現地では誰もがこの子を『悪魔憑き』だと騒ぎ立てていましてね。周囲の人々から容赦なく石を投げられ、暗い小屋に閉じ込められ、食事もろくに与えられていなかったのですよ」


部屋の空気が、ズシンと重く沈み込む。


あんな「……そんな……っ! ただ言葉が通じないってだけで……っ!?」


あんなは唇を噛み締め、両手で拳を固く握りしめた。

みゆも静かにポポへ視線を送る。


みゆ「未知の存在、および理解不能な現象に対し、排他的な恐怖を抱いて攻撃対象とした……典型的な群集心理の暴走です」


ゼーマン「ええ。ですがね……」


ゼーマンはポポを見つめ、静かに目を細めた。


ゼーマン「私は商人です。毎日腐るほど人間の顔を見る仕事をしています。この子の目を見れば一目瞭然でしたよ。誰かを害しようとしている目じゃない。ただただ、誰かに届いてほしいと、必死に助けを求めている目だとね」


亮はグッと力任せに拳を握りしめた。


小さな少女。

まだ、たったの六歳だ。

その子が、ただ助けを求めていただけなのに、誰にも言葉が届かず、痛い思いと冷たい暗闇に耐え続けてきたのだ。


ゼーマン「だからこそ、私は強引に買い取って連れてきました。周囲からは『悪魔を買う狂人』だと笑われましたけどね。あんな目をされたら、放っておけるはずもないでしょう」


ポポはうつむき、小さな肩を少し震わせている。


亮「ポポちゃん」


優しく名前を呼ぶと、ポポが不安そうに顔を上げた。


亮「もう、大丈夫だからね。痛いことも、怖いことも、絶対にさせないから」


ポポの瞳が大きく揺れた。

あんなは胸を押さえ、ポポに駆け寄る。


あんな「ずっと一人で……痛くて、寒くて……怖かったよね……っ」


ベアトリスもハンカチを握りしめ、悲しそうに目を伏せた。


ベアトリス「こんな小さな子が……どれほど耐え忍んできたのかと思うと、胸が潰れそうですわ……」


もっふる「ピィ〜♪」


ポポは泣き笑いのような顔で、もっふるの毛並みにそっと触れる。

それからしばらくして、張りつめていた緊張が一気に解けたのか、ポポはもっふるに身体を預けたまま、すやすやと小さな寝息を立て始めた。


丸くなって眠るポポの姿を見つめながら、神崎家は静かに声を潜めて話し始めた。


亮「……この子は、どうして俺たちの前に現れたんだろうな」


あんな「……偶然、なのかな。パパたちがたまたまここに来て、ゼーマンさんと出会ったから……」


あんなの言葉に、みゆが静かに話す。


みゆ「……データを整理し、分析を実行します」


神崎家の視線が、一斉にみゆへと集まる。


みゆ「現在確定している事実を提示します。第一に、獣人国は約三百年間にわたり、完全な国家断絶状態にあります。第二に、その状況下でありながら、獣人族の特徴を持つポポちゃんが私たちの前に現れました。そして第三に……彼女は、この異世界に存在するはずのない『日本語』を話しています」


しんと静まり返る部屋。


あんな「……確かに。普通に考えたら、あまりにもおかしいよね」


みゆ「肯定。確率論的に評価すると、これは単なる偶然とは言い難い状況です」


みゆは亮をまっすぐに見つめた。


みゆ「約三百年閉ざされた国から来たと思われる少女が、存在しないはずの言語を話し、そして『日本人である私たち』の前に現れた……。誰かが作為的に、この出会いを誘導した可能性を否定できません」


あんな「それって……誰かが意図して、ポポちゃんをパパたちに会わせたってこと……!?」


みゆ「可能性は極めて高いと考えます」


亮は、すやすやと眠るポポの小さな横顔を見つめた。

背後にどんな大きな謎や、誰かの意図が隠されていようとも。


亮「……理由が何であれ、俺たちがやるべきことは一つだけだ」


亮は力強く、しかしどこまでも温かい眼差しで娘たちを見た。


亮「今はまず、この子を全力で守ること。絶対に悲しい思いをさせないことだ」


あんな「うん! パパの言う通りだよ!」


みゆ「肯定です。ポポちゃんの絶対的な安全確保を最優先します」


ベアトリス「命に代えても守りますわ!」


もっふる「ピィー♪」


その温かな声に、ポポが夢の中で少しだけ表情を緩め、安心したようにさらに深く眠りにつく。


小さな少女を巡る深き謎と、家族の新たな旅の目的が静かに芽吹いたのだった。


窓から差し込む夕暮れの光の中、眠るポポの体から、ほんの僅かだけ、まるで家族の言葉に反応したかのように、淡く柔らかな光がすっと揺らめいて消えた。


だが、それに気づく者は、まだ誰もいなかった。


こうして――

悲しい過去を乗り越え、少女を巡る大いなる謎とともに、新たな目的が刻まれる。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、

未来へ繋がる確かな一歩を踏み出すのだった。


言葉が届いた少女の次なる一歩。

それは、なんと約三百年間も人間との国交が完全に絶たれた未知の領域!

前代未聞の無茶振りに、今、立ち上がる!


次回、第226話 え、パパが勇者!? 確定!少女を故郷へ送り届ける先は!?

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