第218話 え、パパが勇者!? 束の間の休息が一瞬で終了!? 重鎮勢揃いの王城大会議室へ強制連行!?
王都へ到着した聖火山調査隊は、そのまま重厚な石造りの王城へと足を運んでいた。
王都の中心に静まり返ってそびえ立つ王城は、今日も変わらず圧倒的な威厳と厳かな雰囲気を漂わせている。
ルークは一同の前でくるりと振り返り、感謝を込めて軽く頭を下げた。
ルーク「皆さん、今回はご協力本当にありがとうございました」
爽やかな挨拶を交わしたところで、一行はそれぞれの所属部署へと分かれていく。
ルークは王国騎士団本部へ。
オスカーは王立魔術師団本部へ。
記録院のエドガーは王立記録院の大書庫へ。
直属の上司や長官へ無事の帰還と正式な報告を行うため、それぞれ足早に歩いていった。
役目を終えた神崎家は、まずは宿へと戻ることにした。
亮は両手を頭の後ろで組み、肩の力を抜いて朗らかに笑う。
亮「ふぅ〜! これでようやく、長かった任務も無事に終わったなぁ」
あんな「パパらしい呑気さだねぇ。まあ、大きな怪我もなく帰ってこられて本当に良かったけど」
みゆ「肯定。ひとまず現地での調査任務は終了したと判定してよいでしょう」
ベアトリス「お部屋で少しゆっくりできますわ!」
もっふる「ピィー♪」
そこへ、過酷な調査を共に乗り越えた紅蓮の輪の面々が歩み寄ってきた。
ガルド「終わったな」
セリナはツンと澄ました顔で、あんなたちを指差した。
セリナ「無事に帰ってこれたわね。今回は引き分けにしといてあげるわ!」
リュシア「そうね。感謝しなさい」
ミレイア「Fランクにしては頑張ったと思いますわよ」
レオンだけがげっそりとした顔で、自身の胃のあたりを押さえていた。
レオン「帰ってきたのに……胃が痛い……」
あんなは呆れ顔で速攻でツッコミを入れた。
あんな「えっ、勝負? 別に勝負なんてしてないんだけど……」
みゆ「勝ち負けの概念は存在しません」
ベアトリス「わたくしたち神崎家は負けませんわ!」
もっふる「ピィー♪」
亮「……まあでも、みんなが無事で本当に良かったよ。一緒に戦えて心強かった! お疲れさま!」
ガルド「フッ……亮さんも娘さんたちも、大したもんだよ。お疲れさんだったな」
セリナ「ふん、まあね! 次に会う時は絶対に負けないんだから! あんたたちも無事で何よりだったわ」
張り合いながらも、最後はお互いの無事と健闘を爽やかに称え合い、温かい空気の中で別れを告げた。
神崎家は久しぶりに心の底から穏やかな気持ちになり、宿へと続く街道をのんびりと歩いていくのだった。
宿の部屋へ戻った神崎家は、それぞれ久しぶりの我が家のような安らぎの時間を過ごしていた。
亮は椅子へと大きく身体を沈め、満足そうにした。
亮「はぁーっ。やっぱり落ち着く空間で座る椅子は最高だな。これでやっと一息つけるよ」
あんな「さすがに今回は精神的にも体力的にも疲れたね。お風呂に入って美味しいご飯でも食べたいな」
みゆ「皆さん、過酷な環境下での長旅、大変お疲れ様でした」
ベアトリス「ありがとうございます!」
もっふる「ピィー♪」
しばらく部屋でくつろいでいると
コンコン。
部屋の扉が静かに叩かれた。
亮「はーい、どなたですか?」
亮が扉を開けると、そこには銀色に磨かれた甲冑を纏った一人の王国騎士が立っていた。
騎士はすっと背筋を正すと、胸に手を当てて丁寧に一礼する。
騎士「神崎亮様でいらっしゃいますね」
亮「あ、はい。そうですけど……」
騎士「第一皇女レオニア殿下より、神崎家ご家族の皆様へご出席の要請がございます」
亮「……え? 俺たち?」
亮は思わず自分の顔を指差した。
騎士「はい。王城にて明日会議が開かれます。神崎家の皆様にも、ご同席いただきたいとのことです」
亮は目を丸くして、口をぽかんと開けた。
亮「えっ!? もう調査は終わって、俺たちの出番も終わりだと思ってたんだけど!?」
あんなは深くため息をつきつつ、苦笑しながら立ち上がった。
あんな「はぁ……やっぱり呼ばれたね」
みゆ「当然の要請です。今回の私たちは単なる協力者ではなく、正式な調査隊の一員として行動し、現場の最深部に居合わせていましたから」
亮「ええっ!? そういうものなの!?」
ベアトリス「お呼びとあらば、どこへでもお供いたしますわ!」
もっふる「ピィー♪」
騎士は再び恭しく一礼した。
騎士「では明日の朝、改めてお迎えに上がります。失礼します」
去っていく騎士の後ろ姿を見送り、亮はガックリと肩を落とした。
亮「また王城かぁ……なんだか肩が凝るんだよなぁ」
翌朝。
身支度を整えた神崎家は、迎えの馬車に揺られ、騎士の案内のもと王城の大会議室へと足を踏み入れた。
大きな円卓が置かれた室内には、すでに王国を支える名だたる重鎮たちが勢揃いし、緊張感のある静寂が立ち込めている。
上座に鎮座するのは、気品と凛とした威厳を纏った第一皇女レオニア。
その左右には、
王国騎士団長、ライオネル・グランバーグ。
王立魔術師団長、マルティナ・アーヴェント。
王立記録院長、コンラート・ヴィーラント。
王都騎士団長、アルベルト・バルクハイム。
そして、王都冒険者ギルドのギルドマスター、ガリオス・クレイグ。
まさに王国の最高権力者たちが集結していた。
神崎家は入り口で静かに一礼する。
レオニア「亮殿、ご家族の皆さん。お忙しい中、急な呼び出しに応じていただき感謝します。どうぞ、ご着席ください」
神崎家は再び丁寧に一礼し、案内された席へ腰を下ろした。
会議室は静寂に包まれる。
神崎家による王国の運命を左右する正式報告が、今まさに始まろうとしていた。
こうして――
束の間の休息を終え、神崎家は再び王国の中心へと呼び戻された。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、
大会議室で迎える緊張の報告会とは。
王城の大幹部が集う緊急会議で、やる気満々なパパの報告がなんと開幕即却下!?
パパをよそに、頼れる姉妹が完璧な報告と分析で王国の重鎮たちを圧倒する。
次回、第219話 え、パパが勇者!? やる気満々なのに即却下!? 完璧フォロー最強姉妹!?




