表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二十六章 凱旋編~聖火山の謎を胸に抱えて、みんなで囲む祝杯!?~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

226/234

第213話 え、パパが勇者!? 世界の危機でも頭の中はお米一色!?

聖火山フェルナードを後にした一行は、夕暮れが近づく頃、南の村カルデアへと戻ってきた。

村の入口では、多くの村人たちが不安そうな表情で外を見つめている。

そして、一行の姿を見つけた瞬間。


「帰ってきた!」


「ルーク様たちだ!」


「みんな無事だぞ!」


歓声が一斉に上がった。

子どもたちは駆け寄り、大人たちは心底安堵したように胸をなで下ろす。

村長もゆっくりと歩み寄ってきた。


村長「皆さん……本当によくご無事で戻られたのじゃ」


ルーク「ただ今戻りました。無事に任務は完了しました」


ルークは軽く頭を下げる。

カイルやレイン、リリナたちも、それぞれ村人たちの温かい声に笑顔で応える。

紅蓮の輪や流星の面々も、ようやく肩の力を抜き、張り詰めていた表情を緩めた。

亮はそんな賑やかな光景を見渡し、温かい眼差しで小さく笑う。


亮「みんな元気そうで良かったなぁ」


あんな「本当だね。無事でいてくれてホッとしたよ」


みゆ「村への被害も思っていたより少ないようです。建造物の損壊率は極めて軽微です」


ベアトリス「安心いたしましたわ!」


もっふる「ピィー♪」


その時だった。

村長の表情が少しだけ曇る。


村長「……ですが、皆さんが聖火山へ向かわれた後、この村も大変なことになっておりましたのじゃ」


その一言に、その場の賑やかさがすっと引き、静まり返る。


ルーク「何があったのですか?」


村長「大量の魔物が村へ押し寄せてきたのじゃ。村の戦士や村の者、皆さんと力を合わせて応戦しましたのじゃ」


村人たちも当時の恐ろしい記憶を思い出したように顔をしかめる。


「あの数は異常だった……」


「村がなくなると思ったよ……」


「せめて子どもたちだけでも逃がそうとしていたんだ」


重苦しい空気が流れる。

村長は遠く聖火山を見つめながら続けた。


村長「もう駄目だ……そう覚悟した、その時じゃ」


誰もが息をのむ。


村長「魔物たちが一斉に動きを止めたのじゃ。そして、皆そろって聖火山の方を見上げましたのじゃ」


ルークたちは顔を見合わせる。


村長「次の瞬間には、魔物たちが一斉に引き上げていったのじゃ」


村人たちも納得したように何度も深くうなずく。


「あんなことは初めてだったよ」


「本当に奇跡だった」


ルーク「こちらでも、説明のつかない出来事が起きましたが、聖火山の異常は完全に収まりました」


オスカー「ですが、その原因は分かっていません。王都でも詳しい調査が必要になるでしょう」


亮はふと空を見上げる。

夕闇の迫る澄み渡った空には、もう黄金の翼はない。


それでも、胸の奥には不思議な温もりだけが優しく残っていた。

ベアトリスもそっと胸へ手を当て、小さく目を閉じる。

誰も言葉にはしない。

だが、神崎家だけは、その奇跡が起きた本当の理由を知っていた。


村長は調査隊をゆっくりと見渡した。

その表情から、不安はもう雲が晴れるように消えている。

代わりに浮かんでいたのは、心の底からの安堵だった。


村長「皆さんのおかげで、村は救われたんじゃ。本当にありがとうございますじゃ」


村人たちも次々と頭を下げる。


「ありがとうございました!」


「助かりました!」

「無事で帰ってきてくれて良かった!」


ルーク「私達だけの力ではありません。皆さんが村を守り抜いてくださったからこそです」


ルークは穏やかに首を横へ振る。

その言葉に、村人たちは照れくさそうに笑った。

少しだけしんみりとした空気が流れた。


その時。

村長は突然、大きな笑い声を上げる。


村長「よしっ! 暗い話は終わりじゃ!」


村人たちが一斉に村長を見る。


村長「今日は皆が生きて帰ってきた日じゃ! 村も無事じゃ! 聖火山の災厄も終わったのじゃ! こんな日は盛大に祝わねば損じゃろう!」


村人たちの表情が一気にパッと明るくなる。


「宴だー!」


「久しぶりの大宴会だ!」


「酒を運べー!」


「料理の準備を始めろー!」


村中が活気溢れる動きを見せ始めた。

女性たちは大鍋を出して料理の準備をする。

男性たちは大きな机や椅子を広場へ運び、焚き火の準備を始める。

子どもたちは嬉しそうに走り回り、もっふるを追いかけ始めた。


もっふる「ピィー!」


あんなはその賑やかな光景を見て微笑む。


あんな「やっとみんなに笑顔が戻ったね」


みゆ「はい。皆さんのバイタルデータからも、極めて良好な感情の高まりが観察できます」


ベアトリス「これこそ平和ですわ!」


亮「やっぱり、笑顔が一番だな」


その時だった。 亮が何かを思い出したように、村長へ近づいていく。


亮「そうだ、村長さん」


村長「ん? どうしたのじゃ?」


亮「村長さんに、ちょっと聞きたいことがあるんだ」


あんな「あ、そういえば神殿でも言ってたよね」


みゆ「珍しく、とても真剣な表情でした」


ベアトリス「そうですわ! 一体何をお聞きになりたいたいのですわ?」


亮「すごく重要なことなんだ」


あんな「重要なことって……何?」


亮「お米のことだ」


あんな「そこなの!? あの状況で考えてたの、お米のことだったの!?」


みゆ「安定のパパです。ブレない思考回路には感服します」


ベアトリス「お米ですわ!」


もっふる「ピィー♪」


村長は首をかしげる。


村長「……米じゃと?」


亮「ああ。白くて、ツヤツヤしてて、ふっくらしていて……とにかくすごく美味しい食べ物なんだけど」


村長は腕を組み、うーんとしばらく考え込む。

そして。


村長「おお!」


亮「!」


村長「それならあるのじゃ!」


亮の目が一瞬で少年のように輝く。


村長「あれは栄養もあって美味いのじゃ。今日の宴でもでるんじゃ。楽しみにしておれじゃ!」


亮「やったー!」


思わず少年のようにガッツポーズを決める亮。

あんなは呆れて苦笑し、みゆは静かに肩をすくめた。


あんな「もう、そんなに嬉しいんだ……」


みゆ「パパの期待値が限界突破しています」


ベアトリス「私も楽しみですわ!」


もっふる「ピィー♪」


亮は満面の笑みを浮かべ、胸を躍らせる。

異世界に来てからずっと恋焦がれていた、お米がやっと食べられる。

そう信じて疑わなかった。


こうして――

激闘を終えた一行を待っていたのは、温かな村人たちの歓待と、パパの溢れんばかりの期待感。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、

村長の自信満々な一言によって、新たな波乱の食卓を迎えようとしていた。

激闘を終え、念願のふっくら炊きたてお米と感動の対面……と思いきや、大皿に盛られていたのはまさかの……!?

食卓を一瞬で地獄絵図に変えるみゆの過剰魔法とあんなの悲鳴に、調査隊も村人も大パニック!?


次回、第214話 え、パパが勇者!? 悲願のお米?登場で大歓喜からの大勘違い!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ