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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二十五章 神殿編〜 大地を守護する「炎の神力」継承!? 〜

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第203話 え、パパが勇者!? 外界の様子が完全遮断⁉ 正体不明の静寂な神殿で手探り探索がスタート!?

しんと静まり返った神殿。

コツ、コツ、と一行の足音だけが、遥か高い天井へと吸い込まれるように、石造りの回廊に響いていた。

亮たちは、どこまでもまっすぐに伸びる回廊を、並んでゆっくりと歩いていた。


左右に規則正しく並び立つのは、太く、見事な彫刻が施された巨大な石柱。

上を見上げても、闇が深くて天井の終わりがどこにあるのかすら見通せない。

壁一面には、見慣れない緻密な紋様や、幾何学的な古代文字がびっしりと刻まれている。


どれほどの年月、この場所は誰の目にも触れずに存在し続けてきたのだろうか。

そう思わせるほどの荘厳そうごんで、どこか背筋が伸びるような静けさが、神殿全体を包み込んでいた。


あんな「……ねぇ」


あんなが、少し不安そうに隣を歩く亮の袖を引いた。


亮「ん? どうした、あんな」


あんな「フェニックスとの戦い、あの後どうなったのかな……」


その言葉に、亮の足がわずかに止まった。

神秘的な空間に圧倒されていた頭が、急激に先ほどまでの現実へと引き戻される。


亮「そうだよな……」


ベアトリス「ルークさんたち、お怪我はありませんでしょうか。皆さんのことが、本当に心配ですわ」


もっふる「ピィ……」


あの激戦の最中、自分たちだけが突然この場所へ強制転移させられたのだ。

あの戦いが無事に決着したのか、それともまだ熾烈な攻防が続いているのか、ここにいる誰にも分からない。


亮は温かい眼差しで娘たちの曇った表情を見つめながら、そっと安心させるように微笑んだ。


亮「何か分かる方法があればなぁ」


みゆ「現在、外部情報は一切取得できません」


亮「やっぱりか、みゆ」


みゆ「はい。この空間を取り囲む結界の強度は、私の想定していた強度を大きく上回っています。 外界との情報、および魔力の流れは完全に遮断されています」


あんな「それって、外の様子が全く分からないってこと?」


みゆ「肯定します。現時点では、確認する手段がありません」


もっふる「ピィー!」


亮は小さく息を吐いた。

やはり、気になる。

今すぐ戻れるなら戻りたい。


フェニックスとの戦いはまだ終わっていなかったはずだ。

ルークや他の冒険者たちは、今もあの灼熱の中で必死に戦っているかもしれないのだから。


亮は周囲を見回した。

どこを見渡しても、光の届かない回廊が続くばかりで、出口らしきものは見当たらない。

戻る方法など、どこにも見当たらなかった。


あんな「とにかく、早く出口を見つけてルークさんたちと合流しないとね」


みゆ「しかし、ここからの具体的な脱出方法は現時点で不明です」


亮「……そうだな。今は進むしかないな」


みゆ「合理的判断です。現状、他に進むべき有力な選択肢はありません。それが最善と判断します」


ベアトリス「承知いたしましたわ!どこまでもお供いたしますわ!」


もっふる「ピィー!」


神崎家は再び歩き出す。

まっすぐに続く回廊。

まるで、見えない意思に導かれているかのように、一行は奥へと進むしかなかった。


歩きながら、みゆは壁の装飾へとしきりに視線を向けていた。

そこには、神話の一場面を描いたかのような見事な壁画と、見たこともない複雑な文字が刻まれている。


亮「みゆ、それなんて書いてあるんだ? 何かヒントになりそうなこと、分かるか?」


みゆ「文字のパターンをスキャンし、解析を試みます」


数秒の間、みゆは壁の文字をじっと凝視していたが、やがて静かに首を横に振った。


みゆ「解析不能。現在この大陸で使用されている全ての言語との一致率は0%です」


亮「読めないか。まあ、そんなに簡単にはいかないよな」


みゆ「はい。ですが、記述のパターン化は可能です。データを蓄積し、今後の手がかりとします」


あんなは、壁画の一部である、大きな翼を広げた存在の彫刻を見上げていた。

石を削って作られたはずなのに、一枚一枚の羽根まで精巧に刻まれている。

そのあまりの立体感に、まるで今にも動き出し、天井の闇へと飛び立ちそうな錯覚さえ覚えるほどだった。


ベアトリス「……とても、美しいですわ。神聖な気配すら漂っています」


亮「そうだな。これを作った人は、本当にすごい技術を持ってたんだろうな」


誰も、必要以上に大きな声を出そうとしなかった。

自然と、会話のトーンが囁くような静かなものになっていく。

この場所には、訪れた者の心を凪にさせ、声を潜めさせる、不思議な何かがあった。


しばらくその静寂の回廊を歩き続けていると。

やがて、進む先の方から、柔らかな光が漏れ出しているのが見え始めた。


あんな「あれ……光?」


ベアトリス「部屋があるようですわ」


みゆ「前方へ広い空間を確認。魔力の反応もここで大きく変化しています」


亮は静かに、しかし決意を込めて頷いた。


亮「行こう」


もっふる「ピィー!」


四人と一匹は、さらに歩みを進める。

回廊を抜け、その柔らかな光が差し込む部屋へ向かって、ゆっくりと足を踏み入れた。


こうして――

静寂に包まれた謎の神殿を進む神崎家。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、

未知の光の先でさらなる急展開が待ち受けていた。

冷たく静寂に包まれた神殿の奥で、突如として赤金色の凄まじい光を放ち活性化し始める巨大な祭壇。


誰も触れていないはずの古代の儀式場が目覚めるなか、なんと過去にパパが釣りの「重り」として使っていた謎の五角形の石が共鳴を始める驚愕の事実が発覚?


一刻を争う異変のなかで、超重要アイテムの名前を完全にど忘れして娘たちから一斉にツッコまれる、どこまでもブレないパパの超天然な大やらかし体質が今回も大炸裂!?


次回、第204話 え、パパが勇者!? 神殿の祭壇が覚醒!? 赤金色の輝きが運命を動かし始める!?

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