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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二十三章 聖山編〜 灼熱の聖火山の脅威を大前進⁉ 火山丸ごと氷漬けの大騒動⁉〜

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第194話 え、パパが勇者!? 激戦の余韻を断ち切るみゆの超冷静な分析と謎の怪しい影!?

サラマンダー・ロードが吐き出した極大ブレスが、津波となって調査隊を呑み込もうとした


その瞬間――。


オスカー「――《グランド・フォートレス》(大地要塞)!!」


上級魔術師オスカーが杖を地面に突き立てると、赤茶けた溶岩原から巨大な岩壁が凄まじい勢いで競り上がり、味方全員を包み込むようにドーム状の強固な砦を形成した。


ドガガガガァン!!


外壁を猛烈なブレスが灼く音が響き渡る。


ルーク「……ふぅ、今のは危なかったな。オスカー殿、見事な防御だ」


カイル「助かりました。あのまま生身で受けていれば、鎧ごと溶かされていたところです」


ノエル「さすがオスカーさんの最上位防御魔法です。完全に遮断するなんて……!」


防壁の隙間から外を窺えば、なおも凶悪な眼光をぎらつかせている。


グォォォォォォォォ――!!


サラマンダー・ロードが怒り狂ったように咆哮する。

と同時に、右側に展開していたもう一体の通常個体のサラマンダーが、地響きを立ててこちらの防壁へと突進してきた。


ガルド「おっと、そっちは俺たちの獲物だ! させるかよ!」


ガルドが大盾を構えて真っ向から激突を受け止める。

ずしりと響く衝撃に、ガルドの足元が地面にめり込んだ。


ガルド「ぐっ……! さすがにパワーがあるな。まともに相手をすると厄介だぜ!」


オスカー「ガルド、そのまま抑えて下さい! ノエル、アルト、水魔法を同時に放つぞ! 私の合図に合わせろ!」


ノエル「はい、いつでもいけます!」


アルト「はい、出力最大で合わせます!」


オスカーの指示のもと、魔術師団の面々が息を合わせる。


リュシア「ふん、水を操る本物の魔術を見せてあげるわ。いくわよ!」


三方向から同時に放たれる魔術師団の魔法。

そこに、天才魔導士リュシアの同時展開された高密度な水魔法が加わり、さらにミレイアの放った強化魔法の輝きが全員の術式へと融け合っていく。

極大の水魔法が、一塊の巨大な弾道となってサラマンダーへ殺到した。


ドゴォォォォォン!!


激しい水蒸気を巻き上げながら、魔法が至近距離で完全に直撃。


「グギャァァァァァッ!?」


全身の炎を強制的に消され、自慢の鱗をボロボロに砕かれたサラマンダーが苦悶の悲鳴を上げる。

その瞬間を、二人が見逃すはずはなかった。


セリナ「レオン! 今よ、一気に畳み掛めるわよ!」


レオン「おう!」


セリナとレオンが同時に地を蹴り、交差するように飛び出す。

レオンの鋭い剣がサラマンダーの懐を深く抉り、続くセリナの苛烈な斬撃がその首元へと容赦なく叩き込まれた。


「グ、ォ……ッ」


最後は力強い悲鳴を上げて、ドサリと地響きを立てて倒れ伏した。

その身体から、急速に熱量が失われていく。


二体目、撃破。


ガルド「ふぅ、何とか倒せたな。お前ら、いい連携だったぞ」


セリナ「ふん、当然よ。これくらいで手こずっていられないわ。……で、あとは」


リュシア「ええ。残るはあの中央の化け物――サラマンダー・ロードだけね」


ミレイア「うふふ、いよいよ大詰めですね。皆さん、もう一踏ん張りです」


レオン「……サラマンダー・ロード。流石に風格が違いすぎるな。全員、気を引き締め直そう」


残るは最後の一体。

全員が武器を構え直し、鋭い視線を向ける。


ルーク「今こそ好機だ! 総攻撃を仕掛けるぞ!」


ラウル「おう! 終わらせるぞ!」


サラマンダー・ロードが、配下を失ったことを悟ったのか、その全身から一層激しい炎を噴き上げた。


グォォォォォォォォ――!!


天を焦がさんばかりの巨大な炎が、再び彼らに向かって放たれる。


ドォォォォォン!!


オスカー「《ストーン・ウォール》(岩石障壁)!!」


オスカーがすぐさま土壁の防御壁を立ち上げるが、ロードの圧倒的なブレスの前には、その防御壁も無残に砕け散った。


しかし、それで十分だった。


ほんのわずかでも時間を稼げれば、十分な隙となる。

一斉に中央のサラマンダー・ロードへ向かって猛然と殺到する。


ルーク「一歩も下がるな! この一撃に全てを賭けろ!」


カイル「はっ!」


ルークの叫びに呼応し、王国騎士団が果敢に踏みとどまって敵の足留めを行う。

ラウルも剣を凄まじい速度で振るい、その強固な鱗を火花とともに叩き割っていく。


ディオン「我が槍の真髄、受けてみよ!」


さらにレオンとセリナも左右へ鋭く展開して死角からのヒット&アウェイを繰り返し、リュシアとオスカー、ノエル、アルトが後方から絶え間なく援護の魔法を撃ち込み続けた。


だが、サラマンダー・ロード、異常なほどに強い。


ガルド「怯むな! 力で押し込むぞ!」


ラウル「俺たちの攻撃が通らねえなら、通るまで叩き込むだけだ! 続けぇ!」


ルーク「一点突破だ! 皆の力を貸してくれ!」


ルークが飛び込む。

カイルの一撃。

レインの鋭い太刀。

ラウルの豪快な剣。

レオンの電光石火の刺突。


百戦錬磨の冒険者と騎士たちが、次々と、一切の容赦なく猛烈な攻撃をロードへと叩き込んでいく。


幾重にも重なる攻撃の波に、さしものサラマンダー・ロードの巨体が、ついに大きくよろめいた。


「グォォォォォ……ッ」


包囲は完全に完成していた。


ルーク率いる王国騎士団。

オスカー率いる王立魔術師団。

Aランク冒険者パーティー流星。

Bランク冒険者パーティー紅蓮の輪。


そして、完全にいつでも動ける構えをとっている、最強の神崎家。


全員の最大火力の攻撃が、よろめいたロードの頭上へと一斉に集中する。


「グォォォォォ……ッ!?」


凄まじい光と爆炎が巻き起こり、悲痛な断末魔の叫びと共に、サラマンダー・ロード、その巨体を激しく崩れ落ちさせた。

地響きが静まり、やがて肉体が光の粒子となって消え去っていく。


広場に、ふっと奇妙な静寂が訪れた。

激戦の余韻の中、肩で息をしながら、しばらくは誰も動こうとはしなかった。


ラウル「……ふぅ。今度こそ、本当に終わったか?」


ガルド「ああ……。流石に骨が折れたが、仕留めたな」


カイル「俺たちの、勝ちですね」


ルークもようやく、握り締めていた剣を静かに下ろした。

全員の顔に、張り詰めていた糸が切れたような安堵の表情が広がる。


エドガー「カリカリカリ……よし!『サラマンダー・ロード及びサラマンダー計三体の完全撃破を確認』……ふぅ、その旨をしっかりと記録!」


エドガーが興奮冷めやらぬ様子でペンを走らせる。

まさに、全員が勝利の喜びに浸り、心から安堵したその瞬間であった。


ゴォォォォォォォォ……。


不気味な、地を走るような重低音と共に、再び異様な熱波が足元から吹き抜けた。


ディオン「……ッ、これは……」


オスカー「何だ? ボスは確かに倒したはずでは……」


誰もが弾かれたように、空を見上げる。

空気が重い。

そして、あまりにも暑い。

サラマンダーたちがいた時とは明らかに違う。

世界そのものが沸騰しているかのような、凄まじいまでの熱気が肌を刺す。


――ドォン。


山の深層から、腹に響くような低い音が響いた。


ラウル「……おい、今のは何の音だ?」


――ドォン。


再び、大気を震わせてその音が響く。

それはまるで、この聖火山フェルナードのさらに奥深く、地脈の底で眠る巨大な何かが刻まれている、不気味な鼓動のようだった。


ディオンの顔色が、一瞬にして真っ青に変わる。


ディオン「まさか……山が、山そのものが……!?」


――ドォン。


――ドォン。


規則正しく、確実に大きくなりながら、聖火山フェルナードが不気味に鳴り響いていた。

さらに、彼らの動揺を煽るように。


ゴォォォォォォォォッ――!!


これまでとは比べ物にならない、肌が焦げ付きそうなほどの最大の熱波が吹き荒れた。

強烈な熱波に視界が歪み、全員が息をのむ。


ディオン「そんな馬鹿な……。元凶は倒したのでは……!」


ラウル「くそっ、むしろ異常がどんどん強くなってやがるじゃないか!」


調査隊が混乱に陥る中、みゆだけは表情を一切変えず、ただじっと佇んでいた。


あんな「……みゆ? どうしたの、そんなに山頂を見つめて」


みゆの視線は、煙が立ち上るさらに上の火口付近、聖火山の深部へと真っ直ぐに向けられていた。


みゆ「……修正。サラマンダー・ロードは熱源の主ではありませんでした。ただの、前座。――まだ、何も終わっていません」


もっふる「ピィ……」


その頃、そんな人間たちの混乱を、周囲の切り立った岩壁の遥か上方から、静かに息を潜めながら見下ろしている二つの怪しい影があった。


「……まさか、人間ごときがサラマンダー・ロードをこうも容易く退けるとは。正直、ここまでやるとは……想定外」


風に紛れるような、不気味な声が周囲の岩肌に吸い込まれる。

その隣に立つ、もう一人の影が小さく答えた。


「……だが、おかげで分かったことがある……」


「ええ。計画にとって、これ以上ない何よりの収穫です」


二人の影は、笑いを浮かべながらゆっくりと後退する。

そして、誰にもその存在を気付かれることなく、音もなく溶けるように消え去っていった。


こうして――

サラマンダー三体を撃破した調査隊。

しかし勝利の直後、聖火山フェルナードそのものが異変を見せ始める。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

勝利の先に待っていたのは、さらに大きな異常だった。

異変の元凶だったはずのサラマンダーを倒しても鳴り止まない、聖火山の底からの不気味な大震動。


これには百戦錬磨のAランクパーティも、ここにいたら蒸発しちまう!と顔面蒼白で前代未聞の緊急撤退を叫ぶ異常事態に!?


そんな一刻を争う限界寸前の大パニックの中、天を突く黄金の炎柱から悠然と立ち上がる規格外の巨大な影と、世界の命運を揺るがす大天災!?


次回、第195話 え、パパが勇者!? 緊急撤退⁉ 天を突く黄金の炎柱から現れた巨大な影!?


数百年の眠りから目覚めた黄金の絶対強者、かつてない絶望から生き延びろ!


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