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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二十二章 南国編~お米と温泉目当ての観光気分で進んだら、火山信仰の村が前代未聞の緊急事態に⁉~

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第182話 え、パパが勇者!? 全身刺青の戦士集団!? 村を守る最強戦士二十人!?

神崎家の女性陣が温泉で熱い火花を散らし、亮たちが男湯で極楽の声を上げていた、その頃──。


王都の王国騎士団に所属する若き精鋭、カイル、レイン、リリナの三人は、村の訓練場へと足を運んでいた。


「せいっ!」


「はっ!」


訓練場に近づくにつれて、空気を震わせるような力強く鋭い掛け声が響いてくる。

開けた土の広場では、二十人ほどの男たちが激しい訓練を行っていた。


大粒の汗を飛び散らせながら、木剣を鋭く振るう者。

しなやかな動きで槍を構え、突きを繰り出す者。

その全員の顔から首筋、腕や肩、さらには全身にかけて、独特な模様の刺青がびっしりと刻み込まれていた。


リリナ「わぁ……。皆さん、すごい迫力です……」


カイル「ああ、無駄のない動きだ。見事な鍛え方だな」


三人が感嘆の声を漏らしながらその様子を見つめていると、訓練の指示を出していた、ひときわ大柄な男がこちらへと近付いてきた。


ダリオ「……王都から来たという、調査隊の方々ですね。自分はこの村の戦士たちをまとめている、戦士長のダリオと言います」


カイル「初めまして、ダリオ殿! 王国騎士団所属のカイルです。そしてこちらが、レインとリリナです」


レイン「レインです。よろしくお願いします」


リリナ「リリナです。よろしくお願いします!」


それぞれが背筋を伸ばし、騎士の礼を執って頭を下げる。

レインは、整然と並んで再び木剣を構え直した戦士たちの肉体へ、興味深そうに視線を向けた。


レイン「皆さん、とても特徴的な刺青を全身に入れているのですね」


ダリオ「ああ。これはこの土地に伝わる、山への深い敬意と畏怖を示すための、我が村独自の戦士の刺青です」


リリナ「火山信仰の一部ですか?」


ダリオ「その通り。カルデアの戦士は、この墨を入れ、戦士として生きる誓いを立てる。代々受け継がれてきた伝統なのだ」


リリナ「なるほど……。なんだか、見ているだけで力が湧いてきそうな、すごく強そうな紋様ですね!」


レイン「ええ、それに皆さん、ただ伝統を守っているだけでなく、かなり実戦を意識して体を鍛え上げています」


ダリオ「ふっ、村を守るための唯一の手段だからな。鍛錬を怠るわけにはいかん」


この過酷な南方で生き抜いてきた者としての誇りがあった。

その背後では、戦士たちが再び息の合った動きで力強く訓練を再開していく。


リリナ「本当に、すごい熱気です……」


カイル「ああ。ただ型をなぞるだけじゃない。全員、実戦経験もかなり豊富そうに見えるな」


ダリオ「……最近は嫌でもその経験が増える一方でな」


レイン「……それは、やはり魔物による被害ですか?」


ダリオ「ああ。ここ数ヶ月の間に、周辺の魔物の数が明らかに異常なほど増えた」


カイル「やはり、そうなのか」


ダリオ「以前であれば、あの聖火山フェルナードの深い山奥に潜んでいたはずの凶暴な魔物たちが、なぜか最近になって次々と人里まで下りてくるようになったのだ」


レイン「山奥の魔物が……。明らかに異常です」


ダリオ「しかも、ただ下りてくるだけではない。一度に現れる数があまりにも多く、さらに個々の動きが異様なほど荒々しく狂暴化している」


リリナ「あの……もしかして、その中にはフレイムウルフの群れも含まれていますか?」


ダリオ「……ほう、よく知っているな」


リリナ「はい! 実は、私たちがこの村へ来る途中でも、突然遭遇したんです!」


ダリオ「そうだったのか。無事で何よりだ」


カイル「ただの遭遇ではありません。襲ってきたフレイムウルフの群れは、まるで訓練された軍隊のように、こちらの退路を完全に塞ぐ統率された動きをしていました」


ダリオの顔が、さらに深刻な真実を悟ったように真剣さを増していく。


ダリオ「……やはり、か。お前たちの言う通りだ」


レイン「ダリオ殿、何か別の場所でも同じような心当たりが?」


ダリオ「ああ。昔からこの地で戦ってきたが、こんな不気味なことは一度もなかった。それが最近になって急に」


カイルは再び、声を掛け合いながら訓練に励む戦士たちを見つめた。

村を守る彼らの肉体的・精神的な負担は、確実に、増えている。


カイル「……これ以上の放置はできないな」


レイン「そうですね。作物の不作だけでなく、防衛の面でも村の限界が近い」


リリナ「一刻も早く、山で何が起きているのか原因を見つけないと!」


ダリオ「……ああ。この村の平穏を守るために、どうかよろしく頼む、王都の騎士たちよ」


カイル「任せておけ! 調査隊の名にかけて、必ず異変の元凶を突き止めてみせる!」


ダリオ「頼もしいな。……話は変わるが、もし良ければ、我が村の若い戦士たちと少し模擬戦をしてもらえないか? 王都の最新の剣技を、ぜひ彼らにも学ばせたい」


カイル「おっ、いいぞ! 願ってもない申し出だ! レイン、リリナ、準備はいいな! 遠慮せず相手をしてやれ!」


レイン「わかりました。腕が鳴りますね」


リリナ「はい! 私の剣がどこまで通用するか、精一杯がんばります!」


こうして──

調査隊の騎士たちは、カルデア村を支える二十人の誇り高き戦士たちから、魔物活性化の生々しい実態を聞き出すことになった。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?) は、

村を守る戦士たちの命がけの戦いは、目に見えない大自然の異変との、孤独な戦いでもあったのだった。

温泉ののぼせから復活した神崎家が、村の子供たちと全力の追いかけっこで大騒ぎ。


最近の暗い雰囲気を雲が晴れるように消し去る亮の笑顔に、村人たちもほっこり温かい空気感に包まれる!

そんな微笑ましいカルデア村の日常を満喫していたまさにその瞬間、見張り台から容赦なく平穏を切り裂く不穏な警鐘が激しく鳴り響く。


次回、第183話 え、パパが勇者!? 村の子供たちと大騒ぎ!? カルデア村の日常が容赦なく平穏を切り裂く警鐘ー!?


突如として訪れた緊急事態、この大地の異変がついに牙を剥く――!?

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