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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三部【神炎編】第二十一章 南征編 〜お米を求めて南国へ出発したはずが、国家規模の精鋭調査隊に⁉〜

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第173話 え、パパが勇者!? 思考を完全先読みする娘たちの食欲センサーと可愛いお返事でトボトボ歩くー!?

南へ続く街道。

精鋭たちを乗せた馬車は予定通りに進み続け、ついにその目的地へと差し掛かっていた。


ルーク「皆、前を見てくれ。見えてきたな」


カイル「ええ。あれが交易都市フレイアスです」


先頭の馬車からルークとカイルが指差す先、地平線の向こうに巨大な石造りの城壁が姿を現した。

白茶けた岩肌の台地にそびえ立つその姿は、王都のそれほどではないものの、遠目からでも十分に伝わる大きさだった。


南方最大級の交易都市、フレイアス。


亮「おおーっ! ついに着いたか! やっぱり大きな街だね」


ベアトリス「凄いですわ! 王都の建物とは、どこか形や壁の色が違って見えますわ!」


あんな「それにしても、門の前は凄く人が多そうですね」


みゆ「肯定。交易都市ですから。周囲の物流データから見ても、人口密度は王都の主要商業区に匹敵します」


城壁の大きな城門へと近づくにつれ、街道を行き交う人々の姿は増えていく。

珍しい南方の特産品を山積みにした荷車を引く商人。

その護衛として鋭い目を光らせる冒険者たち。


さらには、薄手でカラフルな、王都では見慣れない服装をした旅人。

すれ違う誰もが放つ独特の熱気は、明らかにこれまでの王都周辺とは違う雰囲気を出していた。


セシル「本当に、遙々南方まで来たんですね。空気の匂いからして違います」


エドガー「うむ。乾燥度、および大気中の微粒子の構成が変化している。すでに記録済みだ」


セシル「ちょっとエドガーさん、そんな細かいことまで書いてるんですか?」


エドガー「当然だ。王立記録院として、現地の生きたデータ収集に妥協は許されない」


一行の馬車は無事に城門を通過した。


門をくぐり、一歩街の中へと足を踏み入れた瞬間、さらに凄まじい活気が出迎える。


ずらりと並ぶ、日よけの布を広げた露店。

大声を張り上げる商店の売り子たち。

肩を寄せ合って行き交う人々。

どこからか漂ってくる、濃厚な香辛料の香り。

そして、店頭に山積みにされた、見たこともない鮮やかな色彩の南国の果物。

視界に飛び込んでくるすべてが、南方独特の文化の広がりを物語っていた。


そんな南国の賑わいに目を輝かせていた亮が、ぽつりと呟く。


亮「……米!」


あんな&みゆ「違います」


ベアトリス「違いますわ!」


亮「えぇっ!? 俺、まだ心の中で思っただけで、何も言ってないぞ」


あんな「いいえ、口から『米!』ってハッキリ出ました」


みゆ「肯定。パパの音声データは、バッチリ私の耳に記録されています」


ベアトリス「わたくしにも聞こえましたわ! どこまでもブレない、流石ですわ!」


もっふる「ピィー♪」


そんな神崎家のいつも通りのやり取りを見て、ルークは小さく笑った。


ルーク「ははは。お米の調査もいいが、まずは予定通りに動こう。オスカー」


オスカー「ああ、分かっている」


ルーク「俺とカイル、そしてオスカーの三人で、まずは領主への到着報告と挨拶に向かう」


今回の南方調査は、国王の命による正式な王国案件である。

この地に到着した以上、まずは領主館へ向かい、正式な手続きを行う必要があった。


カイル「分かりました。レイン、残りのメンバーの宿の確認を任せていいか?」


レイン「は! お任せください。手配済みの宿へ皆さんをご案内します」


ルーク「頼んだ。では、後ほど宿で合流しよう」


そう言い残し、ルークたちの乗った先頭の馬車はそのまま大通りを折れて領主館の方へと向かっていった。

残された調査隊の一行は、ノエルの先導で宿泊先へと移動することになる。


レイン「さあ、みんな、こっちよ。馬車を労りながらゆっくり進みましょう」


あんな「レインさん、よろしくお願いします」


みゆ「移動開始。よろしくお願いします」


ベアトリス「南方の宿、とっても楽しみですわ!」


馬車の荷台からは、すっかり長旅で疲れ果てた《紅蓮の輪》の面々も後ろから続いて降りてきた。


セリナ「はぁー……やっと馬車の揺れから解放されて、休めるわね」


リュシア「本当に長旅だったもの。お肌がガサガサになっちゃうわ」


ミレイア「早く大きなお風呂に入りたいです」


レオン「それに関しては、俺も大賛成だな。さすがに身体がバキバキだ」


ガルド「ああ、俺も久しぶりに固い地面じゃなくて、ふかふかのベッドで大の字になって寝たいぜ」


そんな一同の疲れを吹き飛ばすように、亮が元気よく拳を突き上げた。


亮「よし、お風呂の後は、俺はやっぱり現地の美味しいご飯だ!」


あんな「パパ、まず宿に荷物を置いてからです!」


みゆ「同意見。まず宿です。順番を守ってください」


ベアトリス「ええ、まず宿ですわ!」


もっふる「ピィー♪」


亮「……はい、分かりました」


と小さく返事をして、しゅんと肩を落としながら娘たちの後ろをトボトボ歩き出した。


南方最大級の交易都市、フレイアス。

調査隊は、旅路を終えてついに最初の目的地へと到着した。


こうして──

神崎家をはじめとする調査隊は、大きなトラブルもなく無事に交易都市フレイアスへと到着した。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

不穏な熱気を孕む南方調査、この賑やかな大都市を舞台に、ここから本格的に動き始めるのだった。

山の奥深くにいるはずの凶暴な魔物たちが、まさかの大活性化。


さらには独自の文化を持つ村での不気味な地熱上昇という、南方最大級の交易都市ギルドで判明した未曾有の異常事態。


歴戦のギルド長が放つ「ただの自然現象とは思えん」という不穏すぎる大警告を前に、パパの思考データは相変わらず「お米が美味しく炊けるか」で埋め尽くされていている!?


次回、第174話 え、パパが勇者!? 南方ギルドで判明した未曾有の異常事態と歴戦のギルド長が放つ不穏すぎる大警告に !?


案内役となる実力派Aランク冒険者パーティとの合流を前に、物語は予測不能な緊迫の新展開へ突入する?


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