第166話 え、パパが勇者!? 数千年の歴史が眠る最高峰の記録院で世界の歯車が狂う異常事態が発覚して王都の天才が大パニック!?
王国記録院。
この国の数千年に及ぶ歴史、過去の災害、魔物の生態
そして大戦の足跡まで、あらゆる公的な記録が保管される、知の最高峰とも言える場所だった。
その奥の一室。
コンラート「……南方火山地帯の異変ですか」
記録院の責任者であるコンラート、机の上に山積みにされた大量の報告書に頭を悩ましていた
広範囲にわたる火属性魔力の異常上昇
街道におけるフレイムウルフの異常な活性化
火山地帯周辺における急速な高温化現象
それに伴う商隊の襲撃被害の増加
コンラートは静かに紙をめくっていた。
マルティナ「魔術師団でも火属性制御異常を確認している。まだ軽微だが、無視できない」
コンラート 「そうですね」
王立魔術師団師団長と記録院。
王都でも屈指の頭脳同士の会話。
部屋の空気は重い。
コンラートは席を立ち、背後の棚から、厳重に保管されていた一冊の古い資料を取り出した。
机に置かれたのは、ひび割れた古びた革表紙の書物だった。
色褪せた文字で綴られた、かなり昔の時代の記録。
マルティナ「それは?」
コンラート「過去の災害記録です」
そこには、今と似た記述が並んでいた。
『南方火山地帯にて火属性魔物活性化』
『火属性魔力の異常増幅を確認』
『広域的な熱変動あり』
マルティナの表情が変わる。
マルティナ「……類似していますね」
コンラート「ええ、その通りです 。過去にも類似記録は存在しています」
部屋が静まり返った。
コンラート「しかし……決定的な部分がおかしいのです」
マルティナ「何がですか?」
コンラートは、さらに別の年代記と周期をまとめた数式図を隣に広げる。
コンラート「これらの記録通りであるならば、この現象が発生する『周期』がまったく合いません」
マルティナ 「……」
コンラート「これほどの規模の熱源活性化は、星の運行と魔力の潮流の計算上、本来ならまだ数十年は先のはずなのです。こんなに早く起きる道理がない」
その言葉で空気が変わった。
ただの自然界のサイクルによる自然現象ではない。
世界の歯車が、何らかの理由で無理やり進められているかのように狂わされているのだ。
マルティナ 「原因は突き止められそうですか?」
コンラート「分かりません。そもそも過去記録自体が古すぎて大半の記述が断片的にしか残っていません。これ以上の深い分析は、机の上だけでは不可能です 」
王都は現在、人員不足だった。
ベーゼ事件。
森の異変。
各地警戒。
そこへ今回の南方異常。
マルティナ「魔術師団も余裕がない」
コンラート 「そうですよね」
マルティナ 「ああ、だが、南方火山地帯の現地確認が必要です」
コンラート「ならば、少数精鋭で調査するしかないですね」
マルティナ「そうだな。ギルドとも連携し、最適な人材を選出させよう 」
コンラート「至急レオニア様にご報告をします」
二人はすぐに動き出す。
だが、まだ誰も知らなかった。
この南方調査が、やがて伝説級の存在へ繋がっていくことを。
こうして――
王都では、南方異変への本格調査が動き始めていた。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、
まだ誰も知らない火の歴史と静かに交差し始めていた。
国を揺るがす特級危険地帯の調査要請という超シリアスな局面に、神崎家がまさかの食欲大暴走で完全拒絶。
国家の危機そっちのけで「お米」と「肉」の妄想に狂うパパ&みゆ&ベアトリスの三大食いしん坊を前に、長女あんなの容赦ないツッコミの嵐がギルドで炸裂することに……!?
次回、第167話 え,パパが勇者!? 暴走するパパ&みゆ&ベアトリスの三大食いしん坊をあんなが全力でツッコミまくる神崎家の爆笑日常!?
世界の破滅フラグ(?)を極上の胃袋センサーで秒速粉砕する、神崎家流スローライフの底力が試されるー!?




