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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第十七章 再会編 〜ただの「娘自慢」のつもりが、国家を揺るがす「最強の教官」に認定!?〜

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第135話 え、パパが勇者!? 王都の怪しい商人にロックオンされて絶体絶命ー!? 距離感ゼロの猛烈営業にパパが陥落して、神崎家が破産(買い占め)の危機ですかー!?

王都の朝は早い。

宿屋「白風亭」の窓から差し込む陽光が、亮の瞼を優しく叩いた。


亮「うーん、今日もいい朝だ。天気もいいしスローライフ日和だー」


あんな「パパ、昨日のこと覚えてないの?」


亮「昨日のこと?」


あんな「ライオネル団長たちとの約束だよ」


みゆ「あの約束でスローライフは0%です」


亮「騎士団に遊びに来てくれだろ」


あんな「遊びなわけないでしょ」


みゆ「パパのお気楽モード」


ベアトリス「楽しみですわ」


一行は、鼻歌交じりの亮を先頭にして騎士団へと歩き出した。


あんな「王都はいつ来ても活気があるね」


みゆ「流通の中心です。密度は高い」


ベアトリス「賑やかですわ!」


もっふる「ピィー!」


通りを歩きながら、店を見て回る。

武具、食材、雑貨――並んでいる品々の種類は驚くほど多い。


その時――。


「おやおやおや!これはこれは!」


妙に通る声が、横から割り込んできた。


商人「これは運命的な出会いですねぇ!」


すぐ後ろから、妙に近い声。


あんな「近い!」


振り向くと、男の顔が目の前にあった。

細い目がギラつき、口元は笑っている。

距離が異常に近い。


あんな「……何この人」


みゆ「不審度、高」


ベアトリス「個性的ですわ!」


もっふる「ピィー!」


ゼーマン「これは失礼しました。私は商人のゼーマンと申します。神崎様ですね。以後お見知りおきを」


亮「近い近い。顔が近いですよ。で、商人のゼーマンさんが何か用?」


ゼーマン「これはこれは亮様、こちらが私のお店です。よろしければ中へ。品揃えは、王都一と自負しております」


目の前には三階建てのひときわ大きいお店がある。


亮「王都一なのか。入ってみよう」


あんな「ちょっとパパ、一歩引いて! 相手のペースに飲まれすぎ! そんなに簡単に怪しいお店に入らないでよ」


みゆ「パパの警戒心、マイナス値を更新中。ゼーマン氏の瞳孔反応から判断して、我々を“上客”と見ている確率98.7%です 」


ベアトリス「楽しみですわ」


もっふる「ピィー♪」


店内には武具、宝石、食品、日用品――ありとあらゆるものが揃っている。

どれも質は悪くない。


従業員一同「いらっしゃいませ、ようこそセレスティアへ」


よく教育されている。


亮「ここは、なんでも屋か?」


ゼーマン「違いますよぉ、“なんでも扱える男”です」


あんな「なんか胡散臭いのよね」


みゆ「営業能力は高そうです」


ベアトリス「楽しそうですわ!」


もっふる「ピィー!」


ゼーマンがまた顔を近づける。


ゼーマン「あなた方……ただ者じゃないでしょう?」


あんな「だから近いって」


みゆ「パーソナルスペース侵害」


ベアトリス「個性的ですわ!」


もっふる「ピィー!」


ゼーマンは一歩下がる――が、すぐまた距離を詰める。


ゼーマン「いい匂いがするんですよ……金の匂いが」


あんな「何それ」


みゆ「比喩表現」


ゼーマン「いえいえ、分かるんです。分かるんですよぉ」


じっと神崎家を見る。


ゼーマン「使う側の人間か、稼ぐ側の人間か……」


亮「どっちに見える?」


ゼーマン「――両方」


即答だった。


ゼーマン「これはこれは……見つけてしまいましたねぇ」


あんな「完全にロックオンされたわね」


みゆ「危険度、中」


ベアトリス「すごい目ですわ!」


もっふる「ピィー!」


ゼーマンが大きく手を広げる。


ゼーマン「ぜひ!ぜひとも!こころゆくまでご覧になっていってください!」


亮「で、何がオススメなんだ?」


ゼーマンはニヤリと笑う。


ゼーマン「全部です」


あんな「いや、雑すぎるでしょ」


みゆ「範囲が広すぎます」


ゼーマン「いえいえ、用途に応じて、提案しますよ」


ベアトリス「頼もしいですわ!」


もっふる「ピィー!」


武具を軽く叩き、宝石を持ち上げ、食品を指差す。


ゼーマン「戦うならこれ、飾るならこれ、楽しむならこれ」


あんな「ほんとに何でもあるわね」


亮「便利だな」


ゼーマン「そうでしょう?」


顔をまた寄せる。


ゼーマン「あなた方は“お得意様”になる匂いがする」


みゆ「確定しました」


ベアトリス「気に入られてますわ」


もっふる「ピィー!」


あんな「……どうするの?」


亮「まあ、見てくか」


みゆ「情報収集も兼ねます」


ベアトリス「はいですわ!」


もっふる「ピィー!」


ゼーマンが満足そうに笑う。


ゼーマン「ありがとうございます……これは良い出会いです。長いお付き合いができそうです」


あんな「同じ商人でもオルドさんとは違うタイプだね」


みゆ「オルドさんは誠実な人」


と、ちょっと目を離したすきに、亮はすでに棚に手を伸ばしていた。


亮「これいいな」


手に取ったのは、無駄に装飾されたナイフ。


ベアトリス「カッコイイですわ」


あんな「いらない」


みゆ「用途不明」


亮「いや、ちょっとかっこいいだろ」


あんな「“ちょっと”ではいらないです」


みゆ「衝動買いです」


ゼーマンがすっと顔を寄せる。


ゼーマン「その一品、バランスも良く実用性も――」


あんな「いらないです」


みゆ「却下」


亮「えー」


ベアトリス「残念ですわ……」


もっふる「ピィ……」


次に手に取ったのは、謎の装飾がついた腕輪。


亮「これどうだ?」


あんな「いらない」


みゆ「不要」


ゼーマン「それは魔力の流れを――」


あんな「いらないです」


みゆ「説明不要です」


ゼーマン「……なるほど」


目を細める。


ゼーマン「厳しいですねぇ」


亮「厳しすぎない?」


あんな「無駄遣い防止よ」


みゆ「合理的判断です」


ベアトリス「でも楽しいですわ」


もっふる「ピィー!」


亮は気にせず、次々と手に取る。

工具、食器、謎の便利グッズ。

そのたびに――


あんな「いらない」


みゆ「却下」


この繰り返し。

ゼーマンはその様子を興味深そうに眺めている。


ゼーマン「……面白い関係性ですねぇ」


亮「そうか?」


あんな「普通よ」


みゆ「通常運転です」


ベアトリス「仲良しですわ」


もっふる「ピィー!」


ふと、亮の手が止まる。


亮「なあ」


ゼーマンを見る。


亮「米ってあるか?」


みゆ「穀物の一種です」


ゼーマンが少しだけ首を傾げる。


ゼーマン「……米、ですか?」


考えるように顎に手を当てる。


ゼーマン「申し訳ありません、私のお店で取り扱いはありません」


亮「そうか……」


ゼーマン「ですが……」


一歩近づく。


ゼーマン「調べることは可能です」


あんな「出た」


みゆ「営業トーク」


ゼーマン「いえいえ、本気ですよ」


口元が歪む。


ゼーマン「珍しいものほど、価値がありますからねぇ」


亮「じゃあ頼む。いくらかかってもいいからさ」


あんな「ちょっと、即答しないでよ。『いくらかかってもいい』なんて、商人の前で一番言っちゃダメな言葉だと思うよ 」


みゆ「パパの希望的観測による経済損失の予兆を確認。ですが、主食の確保はQOL(生活の質)向上に直結するため、調査依頼の有効性は認められます 」


ベアトリス「楽しみですわ!」


もっふる「ピィー!」


ゼーマンは満足そうに頷く。


ゼーマン「承知しました。少し時間をいただきますが、必ず何かしら情報を」


亮「助かる」


あんな「……ほんとに買い物だけで終わらないね。でも、お米見つかるといいよね」


みゆ「肯定。ですが新たな事件発生の匂いがします」


ベアトリス「冒険の匂いですわ!」


もっふる「ピィー!」


亮「よし、そろそろ行くか。騎士団が待ってるしな」


あんな「……ほんとに休む暇ないんだから」


みゆ「肯定。この流れはやらかすパターン」


ベアトリス「騎士団、楽しみですわ」


もっふる「ピィー♪」


こうして――

怪しげな商人ゼーマンとの強烈な出会いは、王都での生活に新たな波乱の予感を持ち込む。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

お米という微かな希望、そしていよいよ騎士団の門へと向かうのだった。


王都の精鋭たちが言葉を失う!?


娘たちが魅せた「次元の違う強さ」に、訓練場はもはや崇拝の嵐!

最強の若手ルークさえも赤子のようにあしらう、あんなたちの圧倒的演武!

騎士全員がガチ恋勢ファンへと変貌し、平和に終わるはずだった模擬戦……。


しかし、空気を読まないパパが放った「ある一言」が、伝説の騎士団長の逆鱗に触れる!?

「お腹空いた」よりタチが悪い!?

国家最高戦力を相手に、パパがとんでもないデスゲームを提案したんですがー!?


次回、第136話 え、パパが勇者!? 娘たちの「圧倒的高み」に騎士団が心酔ー!? 王都の精鋭を全員ファンに変えた直後、パパが特大の爆弾発言を投下したんですがー!?


王都の英雄、ライオネル団長の目がマジになった!?

パパ、その口を閉じないと一家全員、明日を拝めませんよー!



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