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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第十五章 奪還編 〜世界の消去担当が襲来! 絶体絶命のピンチを家族の絆でねじ伏せる⁉〜

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第126話 え、パパが勇者!? 間に合わない現実を、家族の「同期」でねじ伏せろ!? 灰色の街に響く咆哮――消滅の連鎖を断ち切る、反撃の狼煙(のろし)ー!?

あんな「……やるしかないでしょ。あたしたち、ただの観光客じゃないんだから!」


亮「だな。手ぶらで帰ったら、晩飯の味も落ちそうだしな」


ベアトリス「躊躇している時間はないですわ! わたくしの剣、この不条理な世界を叩き斬るためにありますわ!」


みゆ「……合わせる。パパの非論理的な挙動に、私の全演算リソースを同期させます」


“干渉できる瞬間がある”。


物理法則を無視した無音の灰色の世界において、それだけが今の唯一の希望だった。

理由は不明。

再現性も不明。

だが――。


あんな「でも、やるしかないよね」


あんなは、灰色の石畳を蹴って駆け出した。

通りの先、さっきよりも明らかに“薄くなっている”人影へ。

そして、建物さえもが陽炎のように揺らめき、崩れかけている街並みへ。


あんな「そこの人! 止まって! 危ないってば!」


あんなが叫ぶ。

だが、空気の震えないこの世界では、その声は自分の鼓動にさえ届かない。

当然、相手の反応はない。


あんな「分かってるっての! 届かないなら、無理やりにでも届かせるまでよ!」


必死に手を伸ばす。

だが、指先は空虚な霧を掻き回すように、男の体をすり抜けた。


あんな「くっ……! まだダメなの!?」


みゆ「……まだ、何かが足りない。私たちの位相をあちら側に定着させるための『杭』が、決定的に不足しています」


その瞬間。

あんなの目の前にいた男の輪郭が、激しく揺らいだ。存在の崩壊が始まる。

亮が、動いた。

何の前触れもなく、何を狙ったのかも分からない、ただの散歩のような足取りで。


亮「……任せておけ」


あんな「え? パパ!?」


みゆ「……方法は? 物理干渉の確率は、まだ零点数パーセントです!」


亮「ここだー」


亮は、消えゆく男の背後に立ち、思い切り右腕を振った。

まるで、旧知の仲の友人の肩を叩くかのように。


――グッ。


無音の世界に、物理的な「衝撃」が刻まれた。

亮の手が、男の肩を力強く捉えた。

確かな手応え。

亮はそのまま、消滅の渦に飲み込まれようとする男の体を、強引にこちらの次元へと引き戻すように引っ張った。


亮「戻れっ!! ここが、お前のいる場所だろ!」


亮がぐっと力を込める。

次の瞬間。

男の体の色が、掠れた絵画を修復するように、わずかに――だが、はっきりと濃く戻った。


亮「よっしゃー! 意外と手応えあるじゃないか」


ベアトリス「成功ですわ! 今確かに掴んでおられましたわ!」


あんな「嘘でしょ!? どうやったの?」


亮「いや、何も。コツとかはないぞ」


あんな「パパにだけなぜか出来るのって……」


亮「何か出来そうだったから、腕を掴んだ。……うん、それだけだ」


みゆ「……理解不能。ですが、事実として観測されました。この世界への入口を力技で開いたパパだけが、何らかの『特異点』として機能している可能性があります。世界そのものが、パパの意思を無視しきれていない……」


あんな「可能性はありそうだね。パパの強引さは、世界法則すら置き去りにするのね」


もっふる「ピィー!」


だが、神崎家が掴んだ小さな勝利を嘲笑うかのように。

ほんの数秒後――。

通りの奥。

広場。

そして横道。

複数の人影が、一斉に、そして激しく揺らいだ。


あんな「え……」


一人じゃない。

二人でもない。

五人、十人――。

港町ベーゼに生きる人々が、同時多発的に、雪のようにその色が薄くなっていく。


ベアトリス「……数が。数が多すぎますわ!」


みゆ「……崩壊の連鎖が始まっています。指数関数的に、消失の規模が増大している」


あんな「無理だってば! こんなの追いつけるわけないでしょ!」


一人を助けている間に、別の誰かが足元から崩れていく。

亮がどれほど規格外の力を持っていても、一人の体は一つだ。

どうやっても、この消失の速度には追いつかない。


みゆ「……でも、突破口は見つかりました。パパを『起点』に、私たちの魔力を同期させれば、干渉の範囲を広げられるかもしれません」


あんな「……! ほんとに!? やる、やるわよ!」


ベアトリス「不可能なんて言ってられませんわ。わたくしも、全力でお支えしますわ!」


もっふる「ピィー!」


空気が変わる。

絶望的な沈黙だけだった状況に、“無理やりこじ開ける余地”が生まれる。

だが、亮は、まだ何も言わない。

ただ、もう一度だけ。

灰色の空の下、消えかけている人々を、その目に焼き付けるように見つめた。

そして――小さく、息を吐いた。


亮「……間に合わせる。全員だ」


その声は小さい。

でも――亮の瞳の奥には、穏やかな天然のパパではない、理不尽な消失を許さない、静かな怒りが燃えていた。

全員が、再び動き出す。

それでも、現実は残酷だ。

数が多すぎる。

時間が足りない。

どれほどあがいても、今のままでは“全員は救えない”という論理的な壁が立ちはだかる。


こうして――

強行奪還は始まったが、圧倒的な数と時間不足により、救いきれない現実が突きつけられる。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

「戦闘開始」――ついに、この消失を引き起こしている“敵”が姿を現す――!

「防御不能、接触即消滅!?」


――世界の掃除屋クリーナー現る!

物理法則をゴミ箱に捨てる黒き影に、神崎家が全力回避のダンスバトル!?

灰色の世界を管理する謎の存在、グラファイトとインク。

彼らが振るうのは「破壊」ではなく「消去」。

触れただけで存在そのものが定義ごと消される、かつてない絶望的な攻撃が一家を襲う!

目の前で消された住人の姿に、あんなの怒りが、パパの静かなる炎が爆発する!


「名乗ってる途中に攻撃するなんて、最近の若いのは!」

――パパの説教は届かないが、娘たちの連携コンボは異次元をブチ抜く!?


次回、第127話 え、パパが勇者!? 消去担当の黒き影が襲来!? 防御無視の消去攻撃に、一家全員が回避特化の全力パニックー!?


みゆの「アクア・ウォール」が墨を弾き、ベアトリスの剣が影を切り裂く!

アンカーを叩き潰せば、世界は戻るのか?

それとも、消えた人々は二度と戻らない「ログ」になってしまうのか……!?


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