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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第十三章 港町編 〜平和なパン屋で親バカ全開!? 団らんの裏で街を蝕む『影』の正体とは〜

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第116話 え、パパが勇者!? 存在しない「昨日」を捏造中!? 店主のジョークか世界のバグか、違和感を「美味ければOK」でスルーするパパの能天気チートー!?

港町ベーゼの朝。

通りにはいつも通りの活気が戻っていた。


あんな「今日はどうするの?」


亮「いつものパン屋、美味しかったからまた行くか」


あんな「珍しく、いきなり“南へ行くぞー!”って走り出すかと思ったのに」


みゆ「何かが起こる前触れ、確定」


亮「何も起こらないよー大丈夫だよー。ただパンが食べたいだけだって」


ベアトリス「パン屋、楽しみですわ!私もあそこの香ばしい香りが忘れられませんの!」


石畳の通りをのんびりと歩き、目的の店へと向かう。

使い込まれた木の看板。

漂ってくる焼きたての香り。

昨日と同じ場所。

――のはずだった。


パン屋のご主人「いらっしゃい!」


明るい声で迎えられる。


亮「どうも」


あんな「美味しかったからまた来ちゃいました」


パン屋のご主人「……?」


ほんのわずかに、表情が止まる。


パン屋のご主人「……ええと。失礼ですが、お目にかかるのは初めて……ですよね?」


あんな「え?」


亮「いや、昨日来たじゃないですか。娘たちを嫁にどうだなんて、冗談まで言って」


パン屋のご主人は首をかしげる。


パン屋のご主人「昨日は一日中、新作の仕込みで店は閉めてましたよ」


あんな「えぇ!?嘘でしょ?」


ベアトリス「そんなはずはありませんわ……。確かにここでパンを……」


みゆ「事実確認、および周辺状況の検分を開始」


店内を見る。

パンは並んでいる。

客もいる。

店主も、あの時と同じ顔だ。

どこからどう見ても“普通に営業している”いつものパン屋だ。


亮「でも俺たち、ここでパン買って、ご主人とも奥さんともお喋りして――」


言いかけて、亮は言葉を止めた。

思い出そうとする。


確かに来た。

確かに買った。

確かに食べた。


だが、その時の光景を引き出そうとすると、脳の奥に霧がかかったような感覚に襲われる。


あんな「……あれ? 確かに、昨日……だよね?」


ベアトリス「確かに来たはずなのですわ……」


記憶は確かにある。

でも、細部が妙に曖昧だ。


みゆ「脳内データの整合性、著しく低下。記録、曖昧です」


パン屋のご主人「ははは。うちとよく似た、どこか別のお店と間違えておられるのではありませんか?」


自然な笑顔を浮かべる。

違和感はない。

だからこそ、余計に引っかかる。


亮「……まぁ、そうかもな。海底から戻ったばかりで、みんな疲れてるのかもしれない」


あんな「うーん、そうかなぁ……。でも、あの味は確かに……」


ベアトリス「きっと、強行軍による旅の疲れが今頃出たのですわ」


みゆ「……」


みゆだけが、パン屋のご主人をじっと見ていた。


亮「じゃあ、せっかくだし買ってくか」


あんな「そうだね!」


みゆ「賛成。栄養補給の必要性は変わりません」


ベアトリス「焼きたてですわ!良い香りがいたしますわ!」


もっふる「ピィー♪」


不思議な話は、いつの間にか流される。

いつも通りに。


亮「今日のおすすめ、ありますか?」


パン屋のご主人「昨日も同じことを聞かれましたが」


亮「え?」


パン屋のご主人はすぐに笑う。


パン屋のご主人「冗談です」


何事もなかったようにパンを並べる。


あんな「……今のちょっとびっくりした」


亮「だな」


ベアトリス「お茶目な方ですわ」


みゆ「……」


何も言わない。

ただ、見ている。

パンを受け取り、店を出る。


あんな「結局どっちなんだろ」


亮「気にしすぎじゃないか?」


ベアトリス「ええ、些細なことですわ」


港町の風景は変わらない。

人の流れも、音も、日常も。

すべてが“普通”のまま。


亮「まぁ、美味ければOKだな」


あんな「それはそうだね!」


みゆ「同意」


ベアトリス「ですわ!」


もっふる「ピィー♪」


笑いながら歩いていく。

違和感は、そのまま道端に置いていくように。

ただ一つ。

「昨日」のはずの出来事だけが——

少しだけ、噛み合っていなかった。


こうして――

小さな違和感を“気のせい”として流しながら、神崎家のスローライフは続いていく。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

違和感の正体を知らぬまま、穏やかな夜へ――!?


これぞ究極の「凪」!

魔王も勇者も空気も読めない、神崎家だけの絶対平和領域パーフェクト・スローライフ

海底王国の激闘、そしてパン屋の奇妙な違和感……そんな波乱をすべて「お腹いっぱい」で上書きし、一家はついに港町ベーゼの平穏に同化した。


あんなの笑顔、みゆの冷静な分析、ベアトリスの笑い、そしてもっふるの鳴き声。

「南へお米を探しに行く」という大義名分すら、「明日でいいか」の魔法の言葉で優しく封印!


「何も起きない」ことが、パパにとっては「最大のご褒美」?


次回、第117話 え、パパが勇者!? 港町ベーゼに響く、穏やかな波音と家族の笑い声!? 何も起きない夜こそが、パパが求めた「最強の幸福」の形ー!?


みゆのストレス指数も最小値を記録。

物語はついに「動かないこと」で最高潮へ!?

でも亮さん、あまりに平和すぎて、読者のツッコミ不在が一番の危機かもしれませんよ!?



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