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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第十二章 海底編〜完璧主義を打ち砕け! 迷える家族を救ったのはパパの愛⁉〜

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第112話 え、パパが勇者!? 女王が認めた「バラバラで最強」な家族の絆!? 試練の先の長い帰り道、五人で歩けばそれもスローライフの1ページー!?

神崎家の一行は、再びあの真珠の輝きに満ちた謁見の間に立っていた。

四人と一匹はそれぞれの試練で負った心の「傷跡」を、亮のこの圧倒的な安心感によって、少しずつ癒やされていくのを感じていた。

その様子を、玉座の女王は静かに見守っていた。


女王「……揃ったようですね」


声が広間に響く。

その神秘的な視線が、五人を順番に、射抜くように見ていく。


女王「試練は終わりです」


一瞬の沈黙。場に緊張が走る中、女王が問いかけた。


女王「それで……自分の力、自分の弱さを確かめられたかしら?」


亮「え? どうだったんだ? よく分かんないうちに終わっちゃったけど」


あまりにも自然な、緊張感のない問い。

一瞬、場が止まる。

みゆが「ふぅ」と小さく息をつき、あんなが困ったように苦笑する。

ベアトリスだけは、騎士らしく背筋をピンと伸ばした。


女王「見せてもらいました。それぞれが、異なる強さを持っている」


女王が口を開くと、再び空気が引き締まる。


あんなの瞳を見つめる。


女王「迷いながらも、皆を繋ぎ止める『支える力』」


みゆの理知的な顔を見る。


女王「混沌の中に筋道を見出す『見通す力』」


ベアトリスの誇り高い姿を見る。


女王「己の信じる道を迷わず『選んだ意志』」


もっふるの丸い体を見る。


女王「恐怖を越え、一歩を『踏み出した勇気』」


最後に、亮へ視線を据えた。


女王「そして――既存の器では、決して定義できぬ者」


亮「お? 俺、なんか変な名前つけられた?」


女王「だが、個の強さだけでは、真の調和には足りぬ」


空気が変わる。五人の間に、わずかな緊張が走った。


女王「強さは、個で完結するものではない。あなたたちは、実に見事に噛み合っている。異なる強さが、互いを否定せず、自然に補い合っている」


あんなが、みゆを見る。

みゆは、ほんの少しだけ照れくさそうにしていた。

ベアトリスはもっふるを見つめ、もっふるは「ピィ」と短く鳴いて亮の足元に擦り寄る。


亮「よく分かんねぇけど、いい感じってこと?」


女王の唇が、わずかに、けれど優しく微笑んだ。


女王「それは“力”ではない。あなたたちの“在り方”そのもの」


その瞬間、空間に包み込むような柔らかな光が広がった。


あんな「あ……」


みゆ「……帰還処理の開始を確認。魔力波形、極めて安定」


ベアトリス「やりましたわ……! 」


もっふる「ピィィ!」


もっふるが嬉しそうに跳ねた。


亮「おー、帰れるのか。よかったよかった。お腹空いちゃったもんな」


亮がのんびりと笑う。

光が強くなり、竜宮城のような景色が白く溶けていく。

最後に、女王の声だけが、耳元に残った。


女王「その在り方、忘れるな」


次の瞬間。

五人の姿は、海底から掻き消えていた。


青年「……女王様。なぜ地上までお送りしなかったのですか? ここから地上までは、かなりの距離がありますが」


女王「え? ……あ」


女王は少し視線を逸らし、頬を朱に染めて扇で口元を隠した。


女王「――あ、あの家族なら、どんな困難も乗り越えます」


青年(……送り届ける術式を忘れただけでは……?)


――そして、その空のさらに深く。

女神は、穏やかな微笑みを浮かべていた。


ふふ……あの家族にとっては、海底の試練でさえも、絆を深めるための舞台に過ぎなかったようですね。

古の王が課した、逃げ場のない残酷な精神の試練。

完璧であろうとするがゆえに迷い、己の弱さに足がすくみそうになった娘たちを救ったのは、やはりあの勇者の、どこまでも変わらない「パパ」としての笑顔でした。


使命感ではなく、純粋な気持ちで……ただ幸せを分かち合い歩む彼らの姿。

バラバラの個性が一つの輪となり、海底王国に新たなる輝きを増すことでしょう。

その純粋な想いこそが、世界で最も強く、そして優しい魔法なのかもしれませんね。


さて……次はどんな日々を紡ぐのでしょう。

己の弱さを知ることで、より一層強くなったあの家族。

地上へと続く長い帰り道さえも、彼らにかかればきっと、笑顔の絶えないスローライフの一ページに変わってしまうのでしょう。


光が揺れ、風がそっと深海の静寂をなでる。

その微笑みは、暗い水底を照らす真珠の輝きのように優しかった。


こうして――

異なる強さを持つまま、それでもパズルのように噛み合った家族は、海底王国の試練を越えた。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

試練の後の「ちょっとしたお仕置き?(徒歩帰宅)」に悲鳴を上げながら、再び地上の賑わいへと戻っていく。


【第十二章「海底編」を終えて】


ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

第12章「海底編」では、神崎家がそれぞれの内面にある「試練」と向き合う物語を描きました。

光に包まれ、海底から帰還した一行。

次なる冒険ではどんな景色が待っているのか、引き続き見守っていただければ幸いです。


亮「いやぁ、海底の女王様は美人だったな。結局、俺が勇者かどうかなんて些細なことだよな。次は地上で何を食べようか、みんなで相談(★評価)しようぜ!」


あんな「パパ……あの試練は本当に怖かったんだから。でも、パパが笑っててくれたから乗り越えられたのかも。……これからも、私たちのことちゃんと見ててよね(★★★★★も待ってるよ!)」


みゆ「……肯定。第12章における絆のエネルギー係数は過去最大値を記録しました。皆様のブックマークによる『観測』が、海底から地上への帰還をより確かなものにします。論理的なご支援をお願いします」


ベアトリス「わたくしの火魔法、少しやりすぎちゃいましたかしら? でも、街をキャンプファイヤーにしたのは……あ、愛ゆえですわ! 次もド派手にいきますわよ!」


もっふる「ピィィ!」


次回、『ぱぱやら!』 新章、いよいよ開幕!


明日朝8時、本編第十三章スタートとなります。

これまで以上に楽しんでいただけたら嬉しいです。

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