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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第十二章 海底編〜完璧主義を打ち砕け! 迷える家族を救ったのはパパの愛⁉〜

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第105話 え, パパが勇者!? もっふるが恐怖を越えて踏み出す海底の道!? 五角形の石が導く先、失われた「深海都市」の扉が今開かれるー!?

第十二章、始まります!


神崎家一行が足を踏み入れたのは、伝説の「海底都市」


しかし、幻想的な景色に見とれるのも束の間。

一行を待ち受けていたのは、それぞれの心の一番奥底を揺さぶる「過酷な試練」だった!?

あんなやみゆ、そしてベアトリスまでもが自身のトラウマや迷いと対峙し、絶体絶命の精神攻撃にさらされる中……。

なぜか一人だけ、世界の守護者を「今日の晩ごはん」の食材として品定めし、シリアスな空気を原子レベルでデリートしてしまうパパ。

その「変わらない笑顔」と「規格外の無自覚さ」が、絶望に沈む海底王国の希望の光(?)になっていきます!

バラバラで、けれど最強。

10年越しの想いと家族の絆が、深海の闇を鮮やかに塗り替える――。

ちょっぴり(神崎家比で)シリアス、けれどやっぱりツッコミどころ満載な新章も、ぜひ楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!


砂浜に腰を下ろした亮が立ち上がったのは、ほんの数秒のことだった。

風も止まった。

波の音が、遠ざかっていく。


あんな「……パパ?」


みゆ「……脳内干渉値、上昇を継続。外部からの呼びかけ、確定に近い」


亮はそれに答えなかった。

答えられなかったと言う方が正しい。

呼ばれている。

耳で聞く声ではなく、胸の奥にじかに染み込んでくる、

温かくて、静かで、けれど強い「来て」という感覚。

夢かと思った。

だが、夢には理屈がある。

これは――理屈より先に「わかる」のだ。


亮「……行くよ」


あんな「え、やっぱり!?」


みゆ「想定内です。装備確認、完了」


ベアトリス「いざとなれば、この剣で海ごと斬り開きますわ!」


あんな「それは最終手段にして……」


だが、水面に足が触れようとしたその瞬間――。


もっふる「ピィィィィ!」


亮の足元にいたもっふるの全身が、まるで見えない電流が走ったかのようにビクッと震え上がった。

短い足を猛烈な勢いで回転させ、砂を盛大に撒き散らしながら全力で後ずさる。


亮「え、もっふる? 行かないの?」


もっふる「ピィ!! ピィ!!」


あんな「……完全に水がダメなんだね」


みゆ「……拒否反応、極大」


ベアトリス「かわいいですわ」


亮が屈んで手を差し出すと――もっふるはやや間を置いてから、恐る恐るよちよちと歩み寄り、その手の中にふわりと収まった。


もっふる「ピィ……」


亮「よし、一緒に行こうな」


そして一歩、踏み出した。

冷たい海水が足先を包んだ瞬間――

胸元のアイテムボックスが、自然に開いた。

誰も操作していない。

光の粒が舞い上がり、五角形の石がすっと宙に浮かび上がる。


あんな「……自動展開?」


みゆ「強制出力。石が、海に呼応している」


石はゆっくりと回転しながら、水面の前方へ漂い出した。

まるで「こっちだ」と示すように。

亮が膝まで踏み込んだ次の瞬間――


ざ……


ざざ……


音がした。


波の音ではない。もっと深い、大きな音。

目の前の海が、左右に「割れた」

水が壁になった。

巨大な透明の壁が二つ、静かにそびえ立ち、その間に一本の道が現れる。

濡れていない。

砂の感触がある。

海底へと続く、幅三人ほどの「通路」が、そこに存在していた。


あんな「……本当に、割れた」


みゆ「……通行可能領域、形成確認。気圧も正常値。魔法的結界と推測」


ベアトリス「まるで神話ですわ……! 乙女の胸が高鳴ってきましたわ!」


亮「もっふる、見て。濡れないんだよ」


もっふる「……ピィ?」


ずっと肩にしがみついていたもっふるが、ゆっくりと顔を持ち上げる。

壁の向こうには魚が泳いでいる。

砂の粒が光に揺れている。

でも、ここは濡れていない。


もっふる「……ピィ……」


震えながらも、少しだけ首を伸ばした。


亮「よし、行くか」


家族は、静かに歩き始めた。

道はゆっくりと下っていく。

水の壁の向こうを、大きな魚がのんびりと横切った。


みゆ「……深度、増加中。光量は――石の発光で補完されている。パパ、その石が光源になっています」


亮「へー、便利だな。米を炊く前に火をつけてくれる炊飯ジャーみたいだな」


あんな「便利だけど、例えが生活感に溢れすぎだよパパ! 神秘的な雰囲気が台無し!」


みゆ「…論理的関連性は皆無。ですが、光源としての出力は安定しています」


ベアトリス「深海のお散歩って、ロマンチックですわ」


もっふる「ピィ……」


道の先が少しずつ広くなっていく。

気がつけば、洞窟の入口に差し掛かっていた。

天然のものではない。石の加工が整然としていて、入口のアーチにはかすかに文字らしきものが刻まれている。


みゆ「……人工構造物。相当な年代物。使われていたのは少なくとも数百年以上前」


あんな「こんな海の底に……誰が、どうやって?」


亮「……とにかく進もう。呼ばれてる感覚、まだある」


誰も反論しなかった。

洞窟の内側は、青白い発光石が壁に点在していて、かすかな光が揺れていた。

まるで星が散りばめられたような、静かで厳かな空間だった。


あんな「……綺麗」


みゆ「……自然の発光体ではないですね。魔力が込められた石。設計された照明です」


ベアトリス「……息をのみますわ」


もっふるは亮の肩から降り、おそるおそる前足を一歩踏み出した。

ぴた、とひとつ踏んで、また動かない。


亮「大丈夫か、もっふる」


もっふる「ピィ……」


まだ腰が引けてはいるものの、もっふるは亮を見上げ、勇気を振り絞るように力強く一歩を踏み出した。

洞窟を抜けた先に、それはあった。

通路が終わり、視界が一気に開ける。

巨大な扉。

石でできているが、表面は滑らかで、傷ひとつない。高さは五メートルを超えている。

中央には、彫り込まれた紋章。

そして五角形のくぼみ。

亮の持つ石と、同じ形。


あんな「……これは」


みゆ「……一致率、ほぼ100%」


ベアトリス「……扉ですわ。でも、並大抵の力では開きませんわね……」


亮は歩み寄り、扉の中央に手をかざす。

石が震えた。

光が広がる。


あんな「……パパ」


亮は振り返らなかった。

胸の中の「声」が、ここで静かに止まった。

ずっと呼び続けていたものが、今、ここで「着いたよ」と言ったように感じた。

亮は静かに、石をくぼみに押し当てた。


カチリ。


その音は小さかった。

だがその瞬間、洞窟全体が光に包まれた。


ゴゴゴゴゴ……


扉が動き始める。

ゆっくりと、確かに。


ベアトリス「開きますわ……!」


みゆ「……内部に空気の流動あり。外部空間に通じている可能性、高」


もっふる「ピィー!」


長い時間眠っていたものが、目を覚ますような、深い音とともに――

扉が、開いた。

光だった。

扉の向こうに広がっていたのは、暗い海底ではなく。

柔らかく輝く光の中に浮かぶ、巨大な都市だった。

石造りの建物が立ち並び、広場には泉らしき跡があり、道が縦横に走っている。

ただし、人の姿はない。

完全な静寂の中に、都市だけがある。


あんな「……すごい。海の底に、こんな国があるなんて」


みゆ「……解析。文明レベル……推定不能。構造は既存の何にも一致しません」


ベアトリス「……海の王国……本当に、あったんですわ」


もっふる「……ピィ……」


小さな声が、都市の空気に溶けていった。

亮は、黙って都市の景色を見渡した。

呼ばれていた。

ずっと、ここへ来るように言われていた。

それが、これだったのか。

その問いに答える声は、今はまだ、なかった。


こうして――

海の底に眠っていた都市の扉が、五角形の石とともに開かれた。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

謎に満ちた海底の都市とともに、

新章・海底編へと深く踏み込んでいく――!


「ガーディアン」を美味しくデリート!?

海底王国の防衛システムを「カニ鍋」にしたパパ、国際問題(深海級)に発展中!

ついに姿を現した神秘の海底女王。

静寂と威厳に満ちた謁見の間で明かされたのは、パパが粉砕したカニの正体が「世界の均衡を守る守護者」だったという衝撃の事実!


「希少な防衛システムを捕食」というみゆの冷静すぎるツッコミを余所に、物語はスローライフの枠を超え、世界を揺るがす「試練」へと突入する!?

「家族を守るだけ」の無欲なパパが、崩壊する世界の「危険な希望」に選ばれた!?


次回、第106話 え、パパが勇者!? 均衡の守護者を「食材」としてデリート!? 世界の異変より晩ごはんが大事なパパが、海底王国の希望になっちゃう落差ー!?


光に包まれ強制スタートした「試練」の行方は!?

パパ!?その五角形の石、やっぱりただの重りじゃなかったみたいですよ!



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