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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第十一章 港町編 〜三姉妹のド派手な祝砲! どさくさ紛れに伝説を呼び覚ますパパ!?〜

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第98話 え、パパが勇者!? 娘の魔法で爆走クルーズ!? 怖がるもっふるを抱きしめて、いざ海の大決戦へ突入ー!?

一行は、どんよりとした空気が漂う冒険者ギルドの扉を押し開けた。

活気のない町と同様、ギルド内もどこか諦めムードが漂っている。


受付嬢の女性は、やつれた顔で一行を迎え入れ、震える声でこの街の「呪い」について語り始めた。

説明を聞くうちに、その理由が明らかになる。


受付嬢「……ここ数日、深海の覇者『クラーケン』がこの海域を完全に封鎖してしまったのです。漁師たちは一歩も海に出られず、街の干物も底を突き始めました」


亮「クラーケン? でも海は荒れてないよ?」


受付嬢「それが……。船が一定の距離まで沖に出ると、まるで獲物を待っていたかのように、巨大な触手が海中から現れるのです。不思議なことに、街を直接襲うことはありません。ただ……海上の『船』だけを、執拗に、正確に狙い撃つんです」


あんな「だから市場に魚がないんだ……」


みゆ「……行動パターンが不自然。何らかの理由で“海上のみ”を警戒している可能性」


受付嬢「十年前にも一度現れましたが、その時は何とか退けました。ですが今回は……冒険者の皆さんでも歯が立たず……」


ギルド内に、諦めに満ちた溜息が漏れる。

その重苦しい空気を切り裂いたのは、パパの、あまりにも場違いで突き抜けた「快音」だった。

亮は拳をぐっと握りしめ、満面の笑みを浮かべて言い放った。


亮「よーし! 決まりだ! 今日は特大のイカを倒して、広場で盛大にイカ焼きパーティーだー!」


受付嬢「えっ……引き受けてくださるのですか!?」


あんな「ちょっとパパ! また即決!? 相手は船を沈めるバケモノなんだよ!」


みゆ「……定番の展開。パパの辞書に『熟考』の文字はありません」


ベアトリス「イカ焼き……! 素晴らしい響きですわ! わたくしが極大火力で丸焼きにして差し上げますわ!」


もっふる「……ピィ……」


受付嬢は、Fランクという亮の自己申告を信じきれない様子だったが、他に志願者もいない現状に賭けるしかなかった。


受付嬢「船はこちらで用意します。ですが……実は船頭を志願する者がいなくて。操船はどうされますか?」


あんな「船、操縦したことないよ?」


みゆ「……不安要素、最大値」


ベアトリス「せんどう? なんですの?」


亮「大丈夫だよー! 任せておけ!」


あんな「パパ、船だよ?車じゃないんだから!」


みゆ「……不安要素、120%に到達」


もっふる「ピィー!」


港へ向かうと、街の人たち数十人が立っていた。


街の人たち「無茶をするなよ」


     「頑張って!」


     「生きて帰れよ!」


     「頑張ってください」


街の人たちの応援や想いが木霊する。

そんな中、漁師が話し出す。


漁師「……ギルドから話は聞いている。この漁船を使ってくれ。長年俺と一緒に死線を越えてきた相棒だ。あんたらの命、海に捨てんなよ」


亮「ありがとうございます!大事に使わせてもらいます!」


目の前にあったのは、十人ほどが乗れそうな、頑丈だが年季の入った漁船だった。

そして、亮の手に渡されたのは――二本の大きな「オール」だった。


亮「……あ、やっぱり手漕ぎ(アナログ)なんだよね。エンジンとか、スクリューとか、そういうのは……」


あんな「……パパ、ここは異世界だよ? あるわけないでしょ」


みゆ「当然。エンジンはこの世界ではありません」


漁船に乗り込もうとしたその時、もっふるが猛烈な勢いで逃げ出した。


もっふる「ピィー! ピィー!!」


亮「もっふる、大丈夫だよー。抱っこしてあげるから」


亮が逃げるもっふるを捕まえ、優しく、けれど力強く抱きしめる。

温もりを感じたのか、もっふるは諦めたように少しだけ体を預けた。


亮「よっしゃー! 出航だー!」


ギコギコギコ……


バシャバシャバシャ……


ベアトリス「一向に進んでおりませんわ」


亮「あれー? おかしいなぁ……」


ギコギコギコ……


バシャバシャ……


亮が一生懸命漕げば漕ぐほど、漁船はその場で円を描き、ぐるぐると回るばかり。


あんな「……みゆ、お願いできる?」


みゆ「了解。微調整開始。――ウィンド・フロー」


柔らかな風が漁船を押し、スーッと滑らかに走り出した。


亮「おおー! 急に軽くなったぞー!さすがみゆ!」


ベアトリス「さすがですわ!」


亮「いやぁ、青い空、青い海!これぞ最高のスローライフクルーズだなー!」


平和な時間は、そこまでだった。

突然、太陽の光が急速に色褪いろあせ、空が不吉な深紫色に暗転する。

さっきまでの陽光が嘘のように消え、海面が盛り上がり、山のように割れる。


ドォォォォォォン!!


その裂け目から、海そのものが立ち上がったかのような錯覚を覚えるほどの巨大な影が姿を現す。

目の前に現れたのは、船の何十倍もある巨大な触手――吸盤の一つ一つが人間の頭ほどもあり、それが無数にうごめきながら空を隠す。


伝説の魔獣『クラーケン』


亮「でかっ!!」


あんな「こんなにでかいの!? 怪獣じゃん!!」


みゆ「……戦闘難易度、極めて高いです。れこそが街を封鎖していた『絶望』の正体です」


ベアトリス「来ましたわね……本日のメインディッシュ!」


もっふる「ピィー!!」


降りかかる飛沫と、海を割る咆哮ほうこう


こうして――

港町ベーゼを救うため、

神崎家と巨大クラーケンの戦いが幕を開ける。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

ついに“海の大決戦”へ突入するのだった。

「スローライフ」の看板返上!?


ついに三姉妹がその真の姿を現す!

海を埋め尽くす絶望の触手に対し、解き放たれるのは【聖翼】【静寂】【聖炎】の神域スキル!

光の翼が舞い、無音の魔導が空間を書き換え、騎士の炎が海を沸騰させる

――もはや「イカ焼き」の域を超えた、天変地異レベルのオーバーキルが炸裂!?

「ただのFランク」の娘たちが、港町の伝説を塗り替える!


次回、第99話 え, パパが勇者!? 三姉妹が「神レベル」の職業を解放!?  伝説の魔獣を無自覚オーバーキルー!?


「パパも漕ぐぞー!」と張り切る亮の背後で、海が割れ、空が燃える! 伝説の魔獣、生存のチャンスなし!?


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