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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二部 第十章 道中編 〜ただの釣りのつもりが、伝説の聖域を揺るがす大騒動にー!?〜

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第93話 え、パパが勇者!? 餌の青虫がA級魔獣扱い!? 姉妹の『原子レベル焼却』コンボで聖域が灰になる寸前ー!?

霧を抜けた先に広がる神秘の湖。

その、止まった時間のような静けさに包まれながら、一行は釣りをすることになった。

亮は慣れた手つきで竿の調子を確かめ、少年に問いかけた。


亮「さて、リト君。ここの魚は何が好きかな? 餌はどれだい?」


リト「これだよ」 リトが差し出したのは、手のひらほどの小さな木箱だった。

亮が期待を込めて蓋を開けると――。


亮「お、元気な青虫だね」


中には、二センチほどの丸々と太った青虫が十数匹、もぞもぞと動いている。


あんな「む、む、む、むしーーー!!」


箱を覗き込んだ瞬間、悲鳴が湖面に木霊した。


みゆ「……脅威を確認。出ましたね、生理的嫌悪を司る悪魔の化身。お姉ちゃん、下がってください。業火の炎で原子レベルまで焼却します」


あんな「みゆ、徹底的にやって! 一匹たりともこの世に残しちゃダメ!」


指先に高密度の魔力を練り始めたみゆ。

その「対魔王用」の構えに、亮が必死の形相で割って入った。


亮「待て待て待て! 落ち着け二人とも! ただの青虫だよ! 綺麗な蝶々になる子供なんだよ!」


みゆ「……否。視覚的ストレスおよび精神的汚染度から推測するに、これはA級魔獣に匹敵。即刻討伐を推奨」


そんなパニック状態の姉妹をよそに、ベアトリスが純粋な瞳で箱を覗き込んだ。


ベアトリス「あら、可愛らしいですわ! 丸々として、とってもキュートですわ!」


あんな「ベ、ベアトリス!? 正気なの!?」


ベアトリス「見てくださいですわ!ツンツンするとぷにぷにですわ。……でも、これを針にかけるなんて、少し可哀想ですわね……」


バルトは、愉快そうに笑った。


バルト「ふぉふぉふぉ、ほんと面白い方々じゃ。どうじゃ、あんなさんとみゆさんはこちらでお茶でも。虫のいない安全な特等席を用意しよう」


あんな「ご、ごめんなさい……お言葉に甘えます」


みゆ「……心拍数の異常上昇を検知。沈静化のため、水分補給に同意します」


もっふる「ピィー!」


気を取り直して、湖畔では釣りが始まった。

ベアトリスは伝説の武器でも構えるかのように、木の竿を握りしめ、胸を張る。


ベアトリス「さあー! 釣りという名の聖戦、わたくしも参戦いたしますわ!」


リト「お姉ちゃん、もしかして初めて?」


ベアトリス「ええ、そうですわ! 騎士に『待ち』の姿勢は禁物ですが、今日は郷に従いますわ!」


亮「いや、そんなに堂々と言われても……」


リトは丁寧に、竿の持ち方から「餌」の扱い方まで、亮とベアトリスに教えていく。

その様子を、あんなとみゆはテラスで眺めていた。


あんな「やれやれだね……。パパ、どこに行っても全力で遊ぶんだから」


みゆ「いつものパパです。消費エネルギーの最適化とは無縁の存在」


あんなは、ふと気になっていたことをバルトに尋ねた。


あんな「一つ聞いてもいいですか? 私たちみたいな見ず知らずの人間を、どうして受け入れてくれたんですか? 普通、こんな場所ならもっと警戒するんじゃ……」


バルトは静かに湖を見つめた。


バルト「ふぉふぉふぉ。この霧を抜けて来られた方々じゃからな。この霧は、邪な心を持つ者には決して道を見せんのじゃよ。物理的な壁ではなく、心の鏡なのじゃ」


あんな「え? ということは、パパがここに来られたのって……」


みゆが、冷静な分析を口にする。


みゆ「……おそらく、パパが天然で何も考えていなかったため。干渉すべき『邪念』も『警戒心』も存在せず、結界側が対象を『ただの移動する自然物』……つまり、石や風と同じだと誤認した可能性が極めて高いです」


あんな「……納得しちゃうのが悔しいわね。でも、私たちも来られたってことは……」


みゆ「……肯定。この結界が神崎家全員を『世界にとって害のない、安心できる存在』と認証した結果です」


そんな高度な精神分析が行われているとは露知らず、湖畔では亮が悶絶していた。


亮「……来ない。一向に来ない。魚たちに完全に無視されてる気がする」


ベアトリス「わたくしの浮きが今、わずかに沈みましたわ! これは……水底に潜む強者との高度な情報戦ですわ!」


亮「お、いいなベアトリス。俺なんて、さっきから小魚にツンツンされて……ああっ! また餌だけ取られた!」


空っぽの針を引き上げ、情けない声を出す亮。

そのすぐ隣で、リトの竿がしなやかな弧を描いた。

銀色に輝く魚が、宝石のように水面を跳ねる。


リト「……釣れたよ」


ベアトリス「先を越されましたわ! わたくしの竿にも、早く『強者』がかかってほしいものですわ!」


しかし、その後もリトだけが、まるでお喋りをするように次々と魚を釣り上げていった。

しばらくして、リトは満足げに竿を置いた。


リト「今日はもうおしまい」


ベアトリス「えっ、まだ時間はありますわよ?」


リト「……ううん。必要な数だけ釣れたから。これ以上は、いらない」


それは、「足りる幸せ」を知る者だけが持つ、静かな哲学だった。


バルト「ふぉふぉふぉ。主も、今日は機嫌が良いようじゃな。亮さん、今日はここに泊まっていきなされ。新鮮な魚で、みんなで食事にしよう」


亮「やったー! ありがとうございます! ベアトリス、勝負はお預けだな」


ベアトリス「次こそは、わたくしが勝利を掴んでみせますわ!」


もっふる「ピィー♪」


こうして――

霧に守られた湖は、夕暮れの光を受けてオレンジ色に溶けていく。

亮の「空っぽの針」が、実は湖の主との対話の第一歩であったことに、まだ誰も気づいていない。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、

静寂の底で目を覚まそうとしている「守護神」の鼓動を、静かに引き寄せようとしていた。

朝の静寂をぶち破る、規格外の超巨大ヒット到来!


のんびりフィッシングのはずが、湖面を割って現れたのは「島」と見紛う古代の主!?

みゆの計測不能なエネルギー反応をよそに、パパは「ごっこ遊び」の感覚で神性とガチンコ勝負!?


あんなのフラグ回収率100%! 聖域の意思を釣り上げようとする無自覚パパの剛腕が唸る!


第94話 え、パパが勇者!? 竿がしなって湖が割れる!? 釣り上げたのは怪獣か神様か、島サイズの超巨大魚とガチンコ勝負ー!?


逃した魚は世界級!? 伝説の主と「お友達」になっちゃうパパの天然伝説、更新中!

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