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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二部 第十章 道中編 〜ただの釣りのつもりが、伝説の聖域を揺るがす大騒動にー!?〜

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第94話 え、パパが勇者!? 竿がしなって湖が割れる!? 釣り上げたのは怪獣か神様か、島サイズの超巨大魚とガチンコ勝負ー!?

霧の湖で迎えた、清々しい朝。

湖面は朝靄をまとって幻想的に輝き、神崎家の面々は昨日にも増してやる気に満ちていた。


亮「よーし! 昨日がボウズだった分、今日こそは絶対に釣るぞー!」


ベアトリス「わたくしも負けませんわ! 昨晩、夢の中で釣りのシミュレーションは完璧に済ませてきましたわ!」


気合十分の二人に、あんなが予感めいた釘を刺す。


あんな「ちょっと、二人ともほどほどにね。パパが張り切りすぎて、湖の主とか釣っちゃわないか心配なんだから」


みゆ「……お姉ちゃん。物語の構成上、それは極めて精度の高いフラグ。回収される確率88%」


もっふる「ピィー!」


バルト「ふぉふぉふぉ。主、か。面白いことを言いますな」


あんな「……バルトさん? その笑い方、もしかして本当に主がいるの?」


バルト「さぁーて、どうかのうー? この湖は古いですからな」


みゆ「……曖昧な返答ほど、『核心』に近い証言」


リトが籠を背負ってやってくる。


リト「じいちゃん、今日は森で山菜を採るよ」


あんな「私たちも行くよ! 山の幸、大事だもんね」


みゆ「……未知の植物データの収集も兼ねて、分析に協力します」


あんな「もっふるも行く?」


もっふる「ピィー♪」


娘たちが森へ消えてから数時間。

静寂が支配する湖畔では、亮とベアトリスが、彫像のように固まって糸を垂らしていた。


ベアトリス「……今日も一向に釣れる気配がありませんわ。魚たちに、騎士の威厳を完全に見透かされているようですわ」


亮「そういうもんだよ。釣りは『待ち』じゃない、自然の一部になることなんだ」


ベアトリス「むむむ……」


亮は静かな湖面を見つめながら、ふと思った。

こういう場所で、自然の音だけを聞いてのんびり暮らすのも、悪くない。

奪わず、争わず、ただそこにある時間を楽しむ。

それが「足りる幸せ」の答えなのかもしれない。


そのようなことを巡らせていると、


あんな「ただいまー! ほらパパ、立派な山菜が山ほど採れたよ!」


みゆ「……採取完了。品種、栄養価ともに最高水準」


もっふる「ピィー♪」


森から戻ってきた娘たちの籠は、(あふ)れんばかりの山菜で埋まっていた。


亮「おおー、そっちは大漁だなー! 美味しそうだ」


ベアトリス「……こちらは、相変わらず釣れませんわ。魚たちに完全に無視されており……」


その時だった。 のんびり構えていた亮の竿が、

前触れもなく


「ギュンッ!」


と、衝撃を伴ってしなった。


亮「おおおっ!? おーっ、なんだこれ! 竿が、竿が持っていかれる……!」


亮の竿が、まるで生き物のように激しくのたうつ。


静かだった湖面が爆発したように弾け、巨大な渦が巻き起こった。


ベアトリス「竿が折れそうですわ! ついに水底の覇者が名乗りを上げましたのね!」


あんな「ちょっと、本当に大物!? 冗談抜きで引きずり込まれないでよ!」


みゆ「……! 湖底より巨大な質量が急浮上。推定全長……計測不能! エネルギー値、臨界突破!」


糸が激しく鳴り、高周波のうなりを上げて水中に深く沈み込む。

湖面が大きく波打ち、水面下に巨大な影がゆらりと現れた。

それを見た娘たちの顔から、一気に血の気が引く。


あんな「……何!? この巨大魚! クジラどころじゃない、島が動いてるみたいだよ!」


みゆ「……空気が変わりました。この圧力、ただの生物ではありません。神性、あるいは古代種……この聖域の『意思』そのものです!」


張り詰める緊張感。

亮は力一杯竿を支え、巨影と対峙した。

だが、亮の瞳に恐怖はない。


森で拾った「五角形の石」を重りにした仕掛けが、水中を滑るように踊る。

それは主にとって、かつて神々が遊んだ「聖なるおもちゃ」。

亮が無欲にその石を沈めたことで、主は「外敵」ではなく「遊び相手」が来たと確信したのだ。

糸は限界まで張り詰め、今にも切れそうな悲鳴を上げる。

主も負けてはいない。

尾びれを一振りするたびに、津波のような波紋が岸を襲う。


そして――。


「パァンッ!」


という鮮烈な音と共に、糸が弾け飛んだ。


湖面が最後に一回だけ、ダイヤモンドのようにキラリと光り、巨大な影は満足げに深淵へと帰っていった。


亮「……あ。逃げられちゃった」


亮は悔しがるどころか、清々しい笑顔で折れ曲がった針を見つめた。


波紋が消えていく湖面が、一瞬だけ穏やかに凪ぐ。


それはまるで、

湖の王が「良い遊びだったぞ」と笑って去っていったかのようだった。


亮「いやー、今のはすごかったなぁ! 本当に主が遊んでくれたのかもしれないな」


あんな「……主っていうか、もはや怪獣だったよ。パパ、よくあんなのと真面目に『ごっこ遊び』してられるね」


みゆ「……可能性あり。あの規模のエネルギー体、通常はこの世界の理に干渉しません。パパが『干渉すべき邪念がない安心できる存在』だったからこそ、姿を見せたものと推測されます」


ベアトリス「残念ですわ! あと少しでパパの武勇伝がまた一つ増えたのに!」


バルト「ふぉふぉふぉ。主に認められるとは、やはり亮さんはタダ者ではありませんな。数百年ぶりに主の笑い声が聞こえた気がしますじゃ」


リト「……あんなの、初めて見た! すごい……!」


もっふる「ピィー♪」


逃がした魚はあまりにも大きかったが、神崎家の心には、釣果以上の満足感が広がっていた。


こうして――

湖の主との、言葉なき「真剣勝負」という名の交流を終え、一行は再び東への旅路を思う。 ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、

湖での穏やかな朝を終え、さらなる「未確認の美味(お米)」へと進み出した。

神秘の聖域に別れを告げ、神崎家は再び「お米」を求めて東へ!


バルト老人の正体も、湖の主が爆笑した理由も、パパにとっては「楽しかった釣り仲間」で完結!?


しかし、アイテムボックスに放り込んだ「ただの重りの石」が、不穏な黄金の輝きを放ち始める……!

「寄り道禁止」の誓いも虚しく、みゆのトラブル予知は驚異の100%的中へ!?


次回、第95話 え、パパが勇者!? 数百年ぶりの「主の爆笑」を誘発!? 拾ったオーパーツを光らせながらお米へ突き進む無自覚チートー!?


ついに水平線が見える港町へ!

待っているのは炊きたての白飯か、それとも未曾有のやらかしか!?


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