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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第二部 第十章 道中編 〜ただの釣りのつもりが、伝説の聖域を揺るがす大騒動にー!?〜

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第92話 え、パパが勇者!? 霧を抜けたら伝説の聖域!? 挨拶もそこそこに釣り糸を垂らすパパのせいで静寂が台無しー!?

街道を外れ、森の奥へ進むにつれ、空気がひんやりと密度を増していった。

足元には白い靄が生き物のように流れ込み、視界をじわりと白濁させていく。


あんな「……霧? さっきまであんなに晴れてたのに」


みゆ「……普通の気象現象とは違います。魔力反応……微弱ですが、完全に均一です。広域に展開された『認識阻害』の結界」


ベアトリス「何ですの、この不思議な感じは?」


もっふる「ピィー……」


あんなは周囲を見回しながら眉を寄せた。


あんな「どっちに進んでるのか分からなくなるね。ねえパパ、本当に大丈夫?」


霧は見る見るうちに深くなり、巨大な樹木の輪郭すら飲み込んでいく。

しかし、先頭を歩く亮だけは、まるでお気に入りの散歩道を歩くかのように足取りが軽い。


亮「大丈夫だって。ほら、なんかいい匂いがするぞ。お米……じゃないけど、水が綺麗な匂いだ」


パパが霧のカーテンをひょいと手で分けるようにして進むと――唐突に、視界が開けた。

そこには、鏡のように澄み渡った湖が広がっていた。

不思議なことに、湖の周囲だけは、不自然なほど霧が綺麗に晴れている。

まるで霧そのものが知性を持ち、この清らかな聖域を外敵から隠し、守り続けているかのようだった。


亮「おお……これはちょっと休憩だな。絶好のロケーションだ」


あんな「……それにしても、綺麗な湖。底の石の形まで透き通って見えるよ」


みゆ「……驚異的な透明度。不純物が一切存在しません。環境そのものが強力な浄化魔法で維持されているようです」


ベアトリス「本当に美しいですわ! まるで巨大なサファイアが地面に埋まっているようですわ!」


あんなが対岸の近く、水辺に動く小さな影を見つけた。


あんな「あっ、あそこに……誰かいる。子供?」


湖畔に、一人。

小さな影が静かに糸を垂らしていた。


亮「子供か? 一人で……お、家もあるぞ。家族で住んでるのかな?」


あんな「こんな深い森の奥で……? 」


ベアトリス「行ってみましょうですわ! きっと素敵な出会いがありますわ!」


もっふる「ピィー♪」


湖畔へ近づくと、こちらをちらりと見た。


亮「やあ。魚、釣れるか?」


子供「……うん」


亮「ここに住んでるのか?」


子供「じいちゃんと二人で。ずっと、ここで」


あんな「魔物とか危なくないの? こんなに開けた場所だと、すぐ見つかっちゃうんじゃ……」


子供「魔物は来ないよ。霧が、僕たちを守ってくれてるって、じいちゃんが言ってた」


みゆ「……やはり。この霧は、心にトゲを持つ者を迷わせ、弾くための防壁。パパがすんなり通れたのは……」


あんな「……『トゲ』の代わりに『お米』しか詰まってなかったからでしょうね」


その時、ログハウスのような家の方から、落ち着いた声が響いた。


「リト、誰かお客さんか?」


リト「うん。変な人たち」


家の扉が開き、白髪の老人がゆっくりと姿を現した。


老人「ほぉ……珍しいの。この霧を抜けてくるとは。……最後に客人が来たのは、もう何十年も前のことじゃ」


亮はいつものように胸を張り名乗った。


亮「俺は神崎亮! 三人は娘のあんなとみゆとベアトリス。そしてこいつが、もっふるだ! お米と釣りを愛する冒険者さ!」


あんな「……あんなです。すみません、父が勢いだけで生きてて」


みゆ「みゆです」


ベアトリス「ベアトリスですわ! この地の騎士道精神に敬意を表しますわ!」


もっふる「ピィー♪」


老人は、亮の真っ直ぐな瞳を見て、愉快そうに笑った。


老人「ふぉふぉふぉ。なかなか面白い方々じゃ。わしはバルト。こっちは孫のリト。この湖の“守り手”みたいなものじゃな。世俗を離れ、静かに暮らしておるのじゃ」


あんな「やっぱり……この湖、ただの場所じゃないんですね」


みゆ「神秘的……という言葉では足りません」


亮「よーし! バルトさん、せっかくだし俺も隣で釣りしていいかな?」


ベアトリス「釣り……! 騎士として、獲物との真剣勝負、受けて立ちますわ!」


バルト「ふぉふぉふぉ。いいですとも。リトよ、皆さんの分も竿を持ってきておくれ」


リト「うん、じいちゃん!」


リトが持ってきたのは、年季が入っているが、宝石のように磨き上げられた木の竿だった。

湖面は静まり返り、風がそっと水面を撫でる。


だが、その静寂の底には、パパの「無自覚な魔力」に惹きつけられた、巨大な意思が微睡んでいた。


こうして――

亮の気まぐれな直感が、伝説の守り手と、一振りの古い竿を繋ぎ合わせた。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

鏡のような湖面を割り、全てを引きずり込もうとする「主」の鼓動を、まだ誰も知らない。



神秘の湖で釣り大会、開催!


しかし、差し出された餌の「青虫」を見た瞬間、あんなとみゆの精神が崩壊!?

「生理的嫌悪」を理由に、指先に対魔王用の高密度魔力を練り上げるみゆ!


まさかの【原子レベル焼却】コンボで、聖域が灰になる寸前の大ピンチに……!?


パパが「ただの青虫」と必死に止める横で、ベアトリスだけは「ぷにぷにですわ!」と目を輝かせる!?


次回、第93話 え、パパが勇者!? 餌の青虫がA級魔獣扱い!? 姉妹の『原子レベル焼却』コンボで聖域が灰になる寸前ー!?


釣り以前の問題発生! このカオスな状況、一体どうなっちゃうの!?


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