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74.食材をそろえないとね

 さて、何故彼らは物足りなかったのか・・・?それは魔力らしい。



 調理場には私とココン様。・・・ルイズには食材を調達に行ってもらっている。

 そんなにあっさり解放して、大丈夫なのか?って!・・・サディディアとヴァイの命令に逆らうなんて、命知らずだよね。・・・私には無理だ。


 そんなこんなで、ルイズは森に芝刈りに~ではなくて食糧調達だ。

 ココン様の持っている食材はできるだけ使用したくない。何故って、それは私が安心して食べられる貴重な食材だからだ。


 昨日の失敗から、いろいろと考えた結果をルイズに確認したところ、魔力の少ない場所に行った時は、魔獣の肉を食べて魔力を体内に取り込む事(これは知ってたけど)で魔力を回復し、魔力を感じられるものであれば何でも口にするらしい。・・・口に入れる事への抵抗がなければ何でもOKって事か・・・。



 魔力の多いこの場所で育つ生き物は、体内に魔力を多く取り込んで生活している。そこに生きる動植物は呼吸をするだけで体内に魔力が取り込まれる事から、食べる気があればなんでもOKだ。---まあ、消化できるならいいんじゃない?私は遠慮するけど。


 私は正体不明の物は食べたくない---魔族は・・・ものすごく雑食なのか。


 雑草でもOKって言われてもね・・・毒持ってないの?とか、いろいろ思ってしまうので、ココン様が持っている食材と似ている果物と魔獣の肉を調達してもらっている。触って毒・・・とかって、嫌だしね。


 ルイズにも毒を持っている食べ物は取ってこない様には言ってある。


 私の持っていた食材では、魔力がほとんど無いのでゼロからの調達だ。


「なぁ、その魔獣は食糧か?肉はそいつを使うのか?」


 なんて、ルイズに言われた---ココン様は食べないよ。会話している相手を食べるのか・・・ほんと何でもいいんだね。


「・・・他の肉を用意してきて下さい。ココン様は私の魔獣です、食べないで下さいね。・・・もし手出しする様であれば、即刻魔王様にお話しします」


 って、脅していたので、ルイズからココン様は食糧とは扱われない事になりました。・・・気づいたら居ない・・・そして、肉として調理していたなんて、私は嫌だ。---別に他の魔獣の命を軽く見ているわけでは無いが、心を通わせたのだから、そんな悲しい扱いはしたくない。




 さて、私は何をしようか・・・うーむ、と考えた結果、ココン様の荷物の中に合ったカボチャの種と、リンゴ、それとハーブの鉢植えを取り出してもらった。何で鉢植えが・・・と思ったが、理由なんて一つしかない。ココン様の食い意地がなせる業だ!!料理に必要なハーブをいつでも使えるように隠し持っていただけなのだ。


 鉢植えは、1つの株を二つに分け、1つを庭に植えた。もう一つはココン様にもう一度しまってもらう。・・・さて、うまく育つといいのだけれど。


 カボチャとリンゴの種を・・・庭に植える。そして、この魔界で魔力沢山蓄えたであろうココン様の魔法よ力を示せ!!


 少しは役に立ってもらわないとね!


「では、ココン様・・・種を植えましたので、成長促進をお願いします!!」


 家の庭でカボチャを一気に育てる魔法をココン様にお願いしているので出来るはず。この豊富な魔力の中でできないとは言わせないよ!!


 ---なんて、考えて成長を楽しみにしておりました。・・・そう成長促進は簡単のできた。むしろ上出来だと思うのだが・・・。どうしてこうなったのか些か謎だ。


 ---カボチャが・・・黒く?いや限りなく黒に近い焦げ茶色になった。外の皮は濃い緑・・・黒っぽいけど、黒に近い緑だ。これは通常仕様。---いや、ちょっと待て、この種のカボチャの外の皮は紫だった筈だ。


 濃い緑の色の皮なのは、キャロラインになる前の常識。キャロラインとしての正解は紫だ。



「・・・これはカボチャに含まれた魔力の差ですか?・・・土の栄養素の違いですか?」


 ---アジサイの花は土の中の栄養素によって色を変えるというけれど・・・イヤ、深く考えてはいけないのよ!キャロライン。カボチャが取り込んだのは栄養なの!育つための栄養なんだから!私はそう自分に言い聞かせた。


「---よし!この調子でいろいろ作ってみよう!!」


 ・・・リンゴ、とっても真っ赤なリンゴがなりました。木の幹は茶色・・・葉の色は紫・・・本当に真っ赤なリンゴです。見た目つやつやでとっても美味しそうなリンゴ。

 ここが魔界でなければ「すごい!真っ赤で美味しそう!」って喜んだだろう---だが、ここは魔界なのだ。「・・・毒りんごの出来上がりですか?!」って言いたくなるくらいの赤なのだ。・・・リンゴを割ってみた。うん・・・きれいな赤。プラムのようですよ。


 ---なんだか疲れた。


「えーっと、ココン様味見して下さいな」


 おなかを壊さない事を祈る!






「・・・何している?」

 そんな事をしているうちに、ルイズが帰ってきました。・・・手に持っているのは、色が紫やら赤やら青やら・・・私がお願いした食材にそれって似ているの?って聞きたくなるようなものばかりでした。


「「---・・・それ、食べられるの?」」


 って、互いの手の中の物を覗き込んだ。


 ひょいっとルイズは私の手の中からリンゴを取ると、パクリと一口。


「う~ん、何と表現すればいいのかわからないけど、美味しいよ!!何とも言えない甘美な・・・胃の中に落ちてさらりと吸収されるこの魔力!!」


「えっ・・・なんなのそれ---!」


 それって、美味しい表現なの!?・・・なんだか怖いんですけど。


「---この魔力、キャロラインの味に似ているよね」


 ニコッ・・・---って、イヤマジ怖いわ!私非常食になる可能性大ですよね!!


 ・・・私が魔力注いだ訳じゃないけど何故に~!!






 心の中でのパニックを悟られないように・・・ひきつる笑顔で料理を始めました。とりあえず、野菜スープのリベンジ。


 本日収穫したカボチャと、ルイズがわざわざ捕ってきた魔獣の肉・・・既に解体済み(解体してから持ってくるように指示した!!)を使って、スープを作る事にしました。


 肉は、ココン様の魔法で小さくミンチ状にしてもらい、肉団子。味付けは、仕方がないのでココン様が持っていた塩と胡椒、ハーブなどで整えて、じっくりコトコト煮込みました。


 ---なんと表現すればいいのでしょうか・・・青汁にカレールーを入れてしまった感じ。・・・ほうれん草カレーを作ろうと、ほうれん草をミキサーにかけて緑ジュースを作り、カレールーを入れて煮込むと何とも言えない緑が茶色くなった酸化した色をしたカレーの色!!何とも微妙な食欲をなくす色のスープが出来上がった。


「---味見・・・して?」


 私には、最初に口をつける勇気はない。・・・ココン様お願いします!!と思ったら、ルイズが横から顔を出し、鍋の中を覗き込んだ。


「---美味しそうな魔力だね!!」


 ちょっと待て!それは味見じゃないよね・・・味覚は必要ないのか!?味覚と魔力は関係ないよね??料理の匂いに魔力が感じられるって事?誰かキチンと説明してください!!



 わかった事は、この野菜を使ったら---濃い色の料理になるという事です。


 味見?もちろん私はしていませんよ。---ココン様の味覚が頼りです。

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