42.マヨネーズに負けました
「---これは・・・面白い料理だね?」
まずテーブルに着いたお父様が中央の大皿に置かれた惣菜パンに驚き・・・目の前に置かれた箱に目を見張った。
・・・まぁ、そうかもね。こーやって出される料理って見たことないし。
今日のお昼にご招待させていただいたのは、お父様とギルベルトさん、スミスおじいちゃま、フォードお兄ちゃまだ。
昨日は、フォードお兄ちゃまに会えなかったので・・・お父様に伝言をお願いしました。・・・同じお家に居るのに、なんで会えないのでしょう??---忙しいのでしょうか!?・・・?私が忙しくしているのかな?
フォードお兄ちゃまの姿に、一人ホクホクして---皆の三者三様の表情に心をわくわくさせていた。
まずは、私がお弁当箱の蓋を開け、中の惣菜パンを一つ手にとって、一口パクリ・・・うん、マヨネーズ!いい仕事しているよね。
お父様達は、私が手づかみで箱の中の物を取り出した事にびっくりしていた様だが・・・そんな事は今は関係ないのだ!!マヨネーズ~この味を待っていたよ!!野菜とベーコン・・・そしてマヨネーズ・・・このコラボを待っていた!!とりあえずこの味に集中したい・・・目を閉じゆっくりとモグモグ・・・口は開かないよ。
そんな私の様子を、ジーッと見つめる4人の視線が気になるが・・・飲み込むまで待って。
「---・・・ゴックン。あのね・・・わたくしが作ったの?お父様達も食べてみて下さいな?」
味は保障するよ?・・・まぁ、私の手作りを強調しておけば、手づかみ?!なに?行儀が悪い?---そんな事気にならなくなるよね?!---って、なります。
今回作ったのは、厚切りベーコンとトマトレタスサンド、魚のフライとスライス玉ねぎのサンドをお弁当箱に詰めて、中央のテーブルには、チキンソテーとトマトソースサンド、タマゴサンド、・・・何故かマヨネーズメインのサンドばかりが用意されている。・・・ほんと、マヨネーズ恐ろしい。
そんなマヨネーズの魅力に取り付かされそうになっているお父様達・・・一口食べると、料理番組のレポータ並みに目を見開いて、味を確かめるようにモグモグモグ。無くなると・・・次を口に入れる・・・を繰り返している。
---お父様が、一つ目を食べ終わるのと同時に声を掛けようと思ったんだけど・・・何故、そんなに悲しそうなの??って突っ込みいれたくなるくらいの顔で私を見た。
・・・そんな顔しないで下さい!!
「---沢山用意してありますので、何か飲まれてはいかがですか?」
私は、飲み物を勧めると共に・・・大皿の端に用意されているマヨネーズをスプーンですくい、お父様に勧めた。
「・・・そう!これだ!!このソース絶品だ」
---なんだか、若干だが、お父様が興奮気味なのでいつもより幼く感じるが、これもマヨネーズの威力か!?
「マヨネーズといいまして、お父様はお気に召しまして?」
気に入った事は、丸分かりだけど・・・一応聞かないとね。他の皆もとっても気に入ったみたいだ。
「---このソースは食べた事がない。キャロラインが作ったのかい?」
「・・・料理長と作りました」
---私は知っていただけだから、作ったのは料理長。全部料理長に押し付けると、迷惑がかかりそうだから・・・ここは一つ濁しておく。
「相談事とは、このソースの事なのかい?」
---イヤイヤイヤ、マヨネーズに気をとられすぎですから!!
私は、傍に仕えているメイドさんにお願いして、保温鍋から木のカップにスープを注いでもらい皆に配ってもらう。
「このお弁当の事です。---この様に箱に詰めたパンとスープを配達するお弁当屋さんをやりたいのです!!」
「「「「-------・・・・」」」」
あれ?反応がない?・・・じゃあもう一押し。
「今入れてもらったスープ、先程からそこにおいてあったのですが・・・どうでしょうか?まだ暖かいと思うのですが・・・召し上がってみてください」
・・・まぁ、これは普通のスープなんだけどね。暖かさを実感してもらえればいいかな。
フムフムと・・・なにやら皆が頷き会っているのを確認したので、話を進める事にしよう!!
「えー・・・っと、今のスープを一人分入る容器とお弁当容器を沢山作りたいので、協力してください!!」
あっ・・・しまった。プレゼンになってないよ---これってただ単に『欲しいものがあるからお金だして?』っていっている我がままお嬢様じゃい?
「必要な分だけ用意しなさい。ギルベルトと相談すればいい・・・---で?このソースはどうするんだい?」
って、え・・・?気になるのはそっちなの?・・・私のお願いは?聞いていたよね?お金かかるんだよ?あんなグダグダな感じじゃ駄目だよね。
ギルベルトさんも、スミスおじいちゃまも、フォードお兄ちゃまも無言で食事している・・・なんだこれは、マヨネーズの威力か?・・・私が話しかけないから、だたひたすらモグモグしている。
---なんだか・・・失敗しました。お父様ではなく、マヨネーズに敗北したのだと思います。日を改めたいと思います。
こうして・・・私の『配達お弁当屋さんプロデュース大作戦』の第一歩は躓いたのでした。
「---なぜ?わたくしを仲間はずれにしたのです?」
お茶の時間、お母様に呼ばれました・・・お怒りです。---分かっています、マヨネーズですよね。
「・・・お母様には、大きな口をあけて食べるパンを進められませんでした」
って、素直にごめんなさいをした後、小さく切ったマヨネーズを使ったパンを急いで用意してもらった。
・・・マヨネーズの魅力に嵌っている調理場には、作り置きされているらしい。2日くらいで消費するように言っておかないと。
それと、今日の昼食会の趣旨を説明させてもらいました。・・・そして失敗したと思われることも。
「では、わたくしに相談・お願い・我がままを聞かせてください」
って、お母様!救いの神様です!!
お弁当箱と保温鍋を持ってきてもらい実物を見てもらいます。
「---では、気を取り直して・・・説明させていただきます!」
・街で仕事をしている人達は、昼食は食事にでる事がおおい。
・自宅と仕事場が近い人は、自宅で昼食をとる。
・新婚は愛妻弁当を持っていく。
という話を、メイドさんたちから聞きました。
なので、ここにお弁当を職場に売りに行くという事を考えました。
・・・ジルの彼氏さんは、騎士さんは忙しいと外に食べに行く時間が取れない事もおおく、食事に出たとしても急いで食べる事になるらしいのだ。・・・こういった職場にお弁当を販売しにいく。できれば、この保温鍋の小さいサイズを作って、一人ずつ小分けにしたスープ込みの値段で売る販売したいと---。
---もちろん、お弁当箱と保温鍋は夕方回収する。
予め予約販売も行う予定で---でもその為には、お弁当箱と保温鍋を数多く用意したい。その為には、お金が必要なのだ。
「---人手は必要ではないのかしら?」
と、お母様・・・よく聞いてらっしゃいますね。
「もう調理に携わる人、配達担当は確保してあります。料理を作るには、大人の手が必要ですが---販売は大人じゃなくても大丈夫ですよね?」
「---そうね、問題ないと思いますよ。では、お掃除も必要ね」
ニッコリ・・・とお母様は笑みを深めた。---あれ?いろいろバレてる?
「---もう一つお願いがあるのですが・・・暫くの間、当家で作ったマヨネーズを使わせてください」
これ、大事です!まず、卵を産む鳥を育てる環境を整えないといけないし、鳥買ってこないとね・・・。手はずが整うまで、マヨネーズを作る卵は我が家の卵でないと。
「そうね~・・・マヨネーズの作り方は門外不出にしましょうか!?」
!!おい、こっちもマヨラーになっていたよ!!・・・うらにわにはにわとりがいる・・・それもたくさんの!!・・・・それは勘弁してください。




