41.マヨネーズは好きですか?!
翌日、朝食を食べた後、ジャンケンで負けた付き添いのメイドのジルと共に、いざ厨房へ!
「あっ、これとこれイイね」
一人で鍋をガチャガチャと弄る怪しい幼児でありますが、そんな事気にしていません。そんな事いちいち気にしていたら、やりたい事できないじゃん。自分の家なのだから少しやりたい放題でいいのでは?なんて思うよりも、厨房で働く人たちが、チラチラと様子を伺っているのがわかります。
・・・すいません、邪魔ですよね。そろそろ昼食の支度もありますし、退散しますよ。
私は、ジルに今手にしているお鍋二つと、蓋をもらいたいとここの責任者の人に伝えてもらいたい、もらっていっても料理に支障が無いかを確認してもらった。
さてさて、コレをどうするのかはガイが、帰って来てからだ。
「それで、お嬢様がお呼びだそうで?」
なんで、そんな意地悪そうな顔でやって来るのかな・・・。
ふう~とため息を一つつくと、ガイが物凄く嫌そうな顔をした。それでも早めにやってくるのがガイだよね。
「お嬢様がこんな所に俺一人呼び出すのは如何なものかと思いましてね」
「こんな所って・・・庭の池だよ?一人じゃないし?」
今日私が呼びたした場所は、庭の一角にある池のほとりだ。そこにイスとテーブルを置き、調理場からもらって来た鍋を置いてある。メイド三人組は、私が視界に入る場所に移動して---自由にお話中です。
「これ、今から少し形変えるんだけど、ガイが作った事して欲しいんだよね。だからちゃんと見ていてね---それじゃあランセイ、お願いします!」
どんな物を作って欲しいのかは、ランセイにイメージを伝えてある。だから後はランセイが作っている過程を、ガイに把握してもらって、ガイのアイディアだと言うことにしてもらいたいのだ。
「・・・?さっきとたいして変わらないじゃないから?!」
「チッチッチッ!違うんだなあ~これが!鍋を二つ重ね、鍋の淵を接合したのだ。ポイントは、重なった二つの鍋の間に隙間を作っておく事が大切なの。コレで中に入れた料理が冷めるのが遅くなるんだよ。試しに、お湯でもいれて何もしてない鍋と比べてみよう!」
同じくらいの鍋と保温鍋に、調理場からお湯を入れてきてもらい蓋をして、暫くの間お茶の時間だ。
そうだ、保温鍋用には蓋も二重にしておかないとね。
「それで、何を企んでいる?」
「やだなぁ、企むなんて。人聞きの悪い、働いてお金を稼ごうと思いまして?!私は動か無いけどね。
では、簡単にだけど計画を発表します。・・・なんて、たいした事じゃないよ?お昼ご飯の配達屋さんをやればいいんじゃないかなぁと。
作るのは大人で、配達するだけなら大人じゃなくてもいいでしょ?ただお弁当を売るのだと、話題性にかけるから、暖かいスープを付けて販売するの。
できれば数人分の依頼が入れば良いんだけど、まずは持って行っての販売かな?ウンウン」
と自己完結しところで、メイドさん達に声を掛け、テーブルの上にパンと香草を効かせて焼いた鶏肉やハム、焼いた魚、ゆで卵、チーズ、生で食べられる野菜サラダ、煮詰めたトマトソースを用意してもらった。
トマトケチャップが無いからね~、マヨネーズもあると良いんだけど、卵の衛生状態がわからないから、今回は断念しました。まず、卵を産んでもらう鳥の環境を確認してからじゃないと使えないよ・・・外国だと生卵食べないみたいだから、そこは慎重になります。
食中毒は怖いし、商売を始めるには信用問題にかかわるのだ。
「パンにいろいろな具を挟んで食べるってどう?誰かやっているのかな?・・・挟む具を変えれば、いろいろなバリエーションが出来て飽きられないし、スープもいろいろできるでしょ?」
手始めに私がパンに、サラダとハム、チーズ、香草と塩を振りかけ一つ試しに作る。後、焼いた鶏肉、サラダ、トマトソースのサンド。その他にいろいろバリエーションのパンを作る。丸いバターロールみたいなパンは食事のときに食べるが、いろいろ挟んだパンは見たことない。そうそう、魚のサンドも忘れずに。
さてと・・・そろそろ良いかな?
お湯を入れてあった鍋と、保温鍋の蓋を開け、カップにお湯を注いでもらう。
「どうぞ、飲んでみて~。お試しだからお湯だけど。スープ入れたら冷めて勿体無いでしょ?」
訝しがりながらも、一つのカップに手を伸ばす。
あ~それは普通の鍋のだね。うん。お湯だから、味の感想は要らないよ?
ガイは、一口お湯を含むと眉を顰めた。その後・・・もう一つのカップに口をつける。
「---暖かい?!」
「でしょ?冬場は、鍋の周りに布巻いておけばもっと冷めにくくなるよ。---夏は冷たいスープ入れてもいいね」
うんうん、と大満足の結果に一人浮かれていた。
ちょっと大きいマグカップくらいのサイズが、あってもいいかな。ガイに買ってきてもらって、後はランセイにお願いするだけだから簡単だよね?
試作で作った惣菜パンは、2人では食べきれないので一口大に切り分け、メイドさん達に試食してもらいました。
食いしん坊メイドには、大好評だった。・・・誰か作ってそうだけどね~まぁそこらへんは深く考えない事にしよう。
私も味の想像はついたのだけと、元々の食材の味が良く、ついつい食べ過ぎてしまいまして・・・夕食がほとんど食べられず申し訳無いことになりました。
そんなこんなで夕食の時間---やはり昨日の今日なので、心配されました。・・・すいません大人しく出来ない性分でして。
「やはり今日は寝ていた方が良かったのではないかい?---余り心配させないでおくれ。何かコソコソとやっている様だけどお父様には相談してくれないのかな?」
なんて、お父様に食事の間中、しょんぼりとされたら、「明日相談させて下さい!」って言っちゃいますよね。
親子心子知らず・・・なんてならない様に、相談できる事はしてしまおう!と思うのだ。
---親だった時の記憶を持つ者としては、気を使っちゃうよね。
全部を話す事は出来なくても話す事のできない秘密を持っているのだから、末娘の我がままだ!!と腹を決めて色々相談という名のお願いをしてもいいのかも!?とやりたい放題のほうが心配をかけずにはいいのかもね。
---別に悪い事たくらんでいるわけじゃないし。まぁ、今回の事は話してもいいんじゃないかと思いました。
さて、翌日のお昼は私が料理長に指示をだした。
もちろんメニューは、惣菜パンとスープだ。
食事の場所は、昨日と同じ場所にした。
まあ、簡単なプレゼンテーションの場となる様に外をセッティング。私が街に出るにはお父様の許可が必要で、いろいろと調理器具やお弁当のスープ用の容器など、金銭面での協力が必要なのだ。相談という名の、おねだり・・・そして出資者に!!いいねぇ~!!
そしてびっくりな事に!昨日のうちにマヨネーズが完成した!
翌日の昼の相談しに夕食後、料理長に会いに行ったついでに聞いてみたのだ。裏に卵専用の鳥の庭があり、放し飼いになって飼われていました。とても健康状態のいい鳥さんだったので卵が使えると判断をして、作ってみる事になりました。料理長の手にかかれば、あっという間・・・時間はかかりませんでしたよ。だって材料・・・は卵黄・お酢・油、お好み塩コショウなのだ!!混ぜるだけだしね。
だけどね~、一応お腹壊さ無いか心配なので、私一人で、味見をしようしたら、
「昼間のパンにつける為のソースですか?!私にも味見させて下さい!」
って、メイドのエリーが食べてしまったのだ。
そしたらもう止まらなかった・・・やばい、マヨの魅惑にとらわれてしまい---ほとんど食べられてしまいました。
もちろん、エリーの様子を見ていた調理場の人たちも、料理長が新たに作ったマヨネーズを味見・・・。ほとんどがマヨラーになっていると思います。
恐るべしマヨネーズの力。
翌日、全員仕事に来たのか確認しました。お腹壊さなかったから良かったけど、みんなで倒れたら大事だったよ。試食会に出すマヨネーズを作る卵が残っているのか心配になりました。
そんなマヨネーズを携えて、いざ勝負。
名付けて、『配達お弁当屋さんプロデュース大作戦』が、大々的に行われる事になりました。




