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40.まずはできる事から・・・取り組む事にしました

「---お兄ちゃま、手伝って欲しい事があるんだけど!」


 って、帰った早々フォードお兄ちゃまに会いに行った。


「・・・お帰りなさいませ、お嬢様。まずはお着替え下さい---」


 と静かに告げられ・・・去っていってしまった。


 ---あれ・・・私、何かいけない事をしたのな?・・・まぁ、確かにこの格好でいるのは良くない事だと思うけど。うむむ・・・・。


 いつもと違うそっけないフォードお兄ちゃまの対応に、ちょっと頭を悩ませているとメイド3人組みがやってきて、いつの間にか服を脱がされ、お風呂に連れてかれていた。


 ・・・幼児だからって、容赦ないよね。---まぁ、私もボーっとしすぎていたかもしれないけどさ。幼児だから、服を脱がされて恥ずかしいという感情は、今は放棄しているので問題なし!誰がなんと言おうと問題ないのだ!!


 さてさて、本日はゆっくりと湯に浸かりながら、髪を染めた粉を落としているメイド3人・・・もちろんいつものように、恋話に花を咲かせているのだが・・・今日の内容はちょっと違う。


「---お嬢様を心配するあまり、痩せてしまいました」

 と三人が口々に言っていた。


「『心配事があるなら相談して欲しいと・・・』と彼が・・・でも、誰にも話す事も出来なくて---、それを心配して、毎日私の顔を見に来てくださるんです!!」


 ハイハイ、良かったですね・・・雨降って地固まるですか?まあ・・・私の地は固まってないけどね。まぁ、固まる必要もないくらい今のところ安定していますけど!!


 ---・・・あれ?私、地盤緩んだところあるかな。フォードお兄ちゃまだ・・・なんだろう、この変な感じは。


「ね~・・・私が出かけた後、フォードお兄ちゃまに何かあった??・・・ちょっと様子が変だった気がしたんだけど?妙に素っ気ないというか・・・何かに怒っているような・・・私何かしたかなぁ?」


「お嬢様のあの格好が好きではないのですよ」

「ズバリ!---嫉妬ですよ」

「あのお年で、嫉妬に駆られる~なんて情熱的なのかしら・・・」


 ---なに言ってんだ!お子様に!!・・・あの格好が嫌いだと思っているなら仕方ないけど・・・嫉妬って・・・。もう相談しないよ。


 だんまりを決めた私を他所に・・・メイド3人は、再び彼氏自慢に花を咲かせ始める。まぁ、さっきの話の続きなのだが・・・。


 ジルの彼氏さん・・・警邏隊所属の騎士さんなのだけど、丁度私が誘拐された日に門の警備を行っていて、街の子供達で銀色の髪をした子供は、私しか知らなかったので、念の為ジルを訪ねてきたんだって。・・・それは私だったんだけどね・・・そんな門の警備を厳重にする為に改定案を出さなきゃとか、警備の問題を考えなきゃいけなくて、今は大忙しなんだって。・・・ご飯食べられているかなぁ、体壊さないといいなぁ・・・って今度は彼氏の心配をしていました。


 はいはい、ご馳走様です。お弁当でも差し入れしたらどうですかね。・・・ふむ、お弁当ね~。






 お風呂に入りさっぱり、一息ついてお茶の時間。お相手は・・・誰も居ません。いつもなら丁度いいタイミングでフォードお兄ちゃまが現れるのだが、来てくれませんね・・・。


「はあぁ~・・・一人でお茶はつまらない」


「ギルフォードさんなら、あそこに居りますよ」


 って、アンリさん。

 窓の外を見ると、ひたすらに剣を振るうフォード兄ちゃまの姿・・・あまり剣とか、争い事は好きじゃないと思っていたんだけどね。

 お相手はサイラスさんです。昨日の今日で疲れていると思うのだけど、日頃きたえている人は違うね。


 軽くあしらわれながらも、剣を構え何度も向かっていく。


「・・・お嬢様がお屋敷に居ない間、時間を見つけては、あそこで剣を振っておりましたよ」


 アンリさんは、ちょっと困った顔をしてそう教えてくれた。


 私の不在が、フォードお兄ちゃまに何か変化をもたらせていたようだけど・・・。


 ちゃんと戻って来れたのに・・・傍に居てくれればいいのに---。御用があるって外に出たのは私だけど、戻ってきたんだから、今じゃなくてもいいんじゃない!?


 よくわからないけど、もやっとした感情がむくむくとわいてきたんだ・・・何をすればスッキリするのか思い浮かばなくて---お茶の相手に、ガイを呼んでもらうことにした。









「で?俺に何の用だ」


「---お茶しない?!おやつも買ったし・・・皆で?!」


 メイドさんたちに、お茶と御菓子を用意してもらい。あとは、お土産のお菓子を渡して、部屋の中で思い思いに過ごしてもらう事にした。・・・まぁいつもの事なんだけどね。


「とりあえず、字を覚えようか?」

 私は、一口お茶を飲んだ後、そう切り出した。もちろんガイの眉間には皺が寄っておりますよ。


「子供達に字を覚えてもらおうかと思うんだけど・・・紙に字を書くから手伝ってよ」


 ---本来ならフォードお兄ちゃまにお願いするんだけど、なんだか頼みにくいのだ!!目の前に座っているのが、ガイだからかいつもと違う部屋の雰囲気に新鮮な感じもするが、なんかしっくりしない。


「紙・・・と、ハサミと・・・ペン・・・後は・・・後で考える!!」

 って、一人ごと---です。


 ガイはそんな私の様子をジッーと観察しているようですが・・・別に変な行動はしてないし、見すぎですよ!!


「---ガイのお家にある物・・・家具とかの名前を書いて、それに張っておくんだよ。その紙の字を見たら必ず指でなぞる。言葉に出す。って、やっていくと身の回りの物の文字が読めるようになるでしょ?」


 先ずは身の回りの物から名前を覚えていってもらおう。文字の形を覚えたら、他の文字も覚えやすいだろうし・・・後は絵本かな。後で書庫に行って貸してもらえるか聞いてみるかな。・・・この場合、もらってもいいか聞くべきか?


 後は数字なんだけど、地道に計算とかして覚えてもらうしかないかな。お買い物できているならそんなに難しく考えなくても、お菓子の計算とかなら進んでやってくれそうな気もするし。差し入れしながら考えよう。


「じゃあ、明日のガイの行動は、今から作るこの紙をそれぞれに貼り付けて来る事。ちゃんとこの紙をみたら、文字をなぞる事を説明してきてね」


 お前はどうするんだ?って顔されたよ。他に準備が必要なんだからいろいろ大変なんだぞ。

「大人しく、家の中にいますよ?他にも準備しないといけないのもあるし。でも午後お茶の時間には帰って来てね」


 ふふふっと口元を隠して笑ってみたら、悪代官みたいに見えたのだろうか・・・物凄く胡散臭そうにみられた。


 全くもって、心外である!


「ねぇ、皆の彼氏さんってお昼はどうしているの?お家に帰って食べるの?お店で食べるの?それともお弁当持ってくってとか?」


 ギロリとガイに睨まれたけど、そんな事関係ないもん。


「商家なので、ご自宅で食べる事が多いと思いますよ?」とアンリ。


「さあ?どうでしょうか。まちまちだと思いますよ。落ち着いて食べる時間が取れないようで、お店で食べるにしても急いで食べるとか、パンを持ってくるとからしいですよ」とジル。


「う~ん、好きな時間に食事していると思いますよ」とエリー。


 皆それぞれ職業が違うからなぁ。そんなものかな?


 食事する場所が近くにない所とか、需要があるかな?とりあえず、お父様とジルの彼氏さんにモニターでもしてもらおうかな。



 よし!!明日は、調理場に行ってみよう!



 ・・・明日は---お兄ちゃま、会いに来てくれるかな?!


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