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39.突撃お宅訪問

 ふふふふふっ・・・思わぬところで、出会いがありました。


 それはリクルです!!---だって、ガイは自分の事何も話してくれないから謎が多かったんだよね。まぁ、ぺらぺら自分の事を話す男には、好きじゃないし、魅力を感じないから、私としては好ましいタイプなんだけどね。

 やっぱり男としては、ミステリアスな雰囲気は魅力の一部だと認識して欲しいです。---それを意識してやっているのがバレルと台無しなので、気をつけて。って、言っても私の見解なのですが・・・ね。そうだなぁ・・・普段は寡黙で、でも言う時はすっぱりと思っている事をいえる人がいいですね。




 さて、リクルですが・・・ガイとは全く似ていません。赤茶色の髪に茶色い瞳、伸び伸びと育ったお子様だ。---お子様って言っても、私より背も高いし・・・フォードお兄ちゃまくらいかな?


 初対面で、年齢とか趣味とか聞くのもどうかなぁ・・・と思ったので、とりあえず辞めておきました。


 最後にお菓子を購入---お土産に持って帰っても大丈夫なように少しおおめにね。だって、リクルが荷物もちしてくれているんだよ。たまたまガイに声を掛けた所為で・・・リクルが居てくれたからこんなに買い物できたんだもん、感謝だよ。もちろんお菓子はリクルの為に購入したんですよ。


  「---じゃぁ、ガイ、リクル・・・行こうか!」


  「どこに行くつもりなんだ?」


 どこって?次に何だけど・・・ははあぁん、何か勘違いしているようだね~ここは一つ乗っかってみるのも楽しいかもね。


  「・・・だって、ガイ後で顔出すって言っていたでしょ?そこに行くんだよ。リクル一緒に行ってもいいかな?」


 そんな、睨んでも怖くないよ。・・・今更ですよ。


「---だって、お土産のお菓子も買ったんだよ?リクル好きだよね?!」


 お~リルクはお菓子好きなんだね!喜んでもらえそうだ。


「---それじゃぁ、足らん。その倍は必要だ」


 えっ?倍ってどういう事??今買ってあるのでも10個はあるんだけど・・・?どれだけ大家族なんだ?!










「---ここ??」


「ああ・・・そうだ」


 ギギッ・・・と音を立てて錆び付いた鉄の門を少し開け、体をすべり込ませる。


 ---うん、思ったより大きいけど、お化け屋敷みたいだね・・・この世界にお化けっているのかな?


 大きさ・・・そうだなぁ、二階建てのアパートくらいかな?よくテレビドラマで出てくる『ナントカ荘』と名前がつく物件くらい。作りは木造ではないようだ・・・石?レンガ?そんな感じなのだが、しっかりとした造りのようだ。グルリと家を囲むように庭もあり、塀で囲まれている。


「---誰かのお屋敷だったみたいだけど・・・なんでこうなったの?」


 ズーッと誰かが住んでいたら、こうはならないであろう・・・と思われる傷みが激しい外観だ。家も庭も塀もなんだけどね。


「あ・・・長年買い手のつかなかった、いわくつきの物件を俺が激安で買い取ったんだ」


「いわくつき物件・・・?!何!やっぱりお化けが出るの???」


 サーッと青ざめ、一歩後ろに下がると・・・頭の中に声が響いた。


『買い手のつかなかった、いわくつき物件の原因はリーンだって』


『・・・えっ、そうなんだ。よかった・・・もう驚かせないでほしいよ。詳しくは後ほど聞かせてね!!』


 って、ランセイに伝言をお願いして、ガイに続いて家の中に入った。




「「「お帰りなさい!ガイにいちゃん」」」


 わお!!どれだけ出てくるんだ・・・。


 ドアを開けると、あっちこちの部屋から上は13歳~リクルくらいの子供が15名程現れた。皆口々にガイに声を掛け、ガイに飛びつこうとしているが・・・後ろに隠れた私に気づいたのか、一歩後ろに下がり遠巻きに様子をみている。


 あ~・・・そうか、帽子を深く被っているし、怪しいよね。まずは、帽子を取らなきゃ。今日の私の格好は昨日と同じ、ガイと兄弟設定の服装ですよ、ふふふっ。まずは挨拶だよね。


「こんにちは、アキラです。宜しく」


 私は、ガイの後ろから一歩前に出て、帽子を取り挨拶をする・・・あれ?ものすごく睨まれている?何でだ?!


「あ---、こいつの事は気にしないでくれ。今日はちょっと寄っただけなんだ」


 ガイは、そういうとお菓子の入った紙袋を一番年長の男の子に手渡した。男の子は、手に取った袋から甘いバターのきいた香りに頬を緩めていく。


 その様子を見たのか、他の子供達が紙袋に一斉に集まり、歓声が上がった。男の子はお菓子を配り始める。もちろんリクルもその中に混じり、お菓子を一つ手に取り、頬張っていた。


 凄いな・・・この御菓子にそんな絶大な効果があったなんて。リクルが一つ私に勧めてくれた・・・甘い、小麦粉に砂糖をまぶし焼いた簡単な菓子なんだけど・・・こんなに喜ばれるとは正直驚いた。


「---おい、帰るぞ!」


 その様子に少しばかり頬を緩めていたガイだったが、私が一緒にいたせいか・・・サッサとその場を後にした。





 ガヤガヤと賑わう露天街の通りを、ガイに手を引かれ歩いく。


「---ねぇ、ガイ色々聞いてもいい?」


 ・・・この空気に耐え切れず、私は口を開いた。もちろん疑問に持っている事、ガイがやっている事についてだ。


「---ああっ、なんだ」


 あー、そうだよね、凄く不機嫌だよね。自分のテリトリーに予想外に入り込まれたんだから・・・でも聞いておきたいのだ、私が知らなかった生活をしている人がいるのだから知っておきたい。


「答えたくない事は、言わなくてもいいんだけど・・・。あの子達はどういった子供達なの?ガイの兄弟ってわけじゃないよね?」


 あー・・・仕方が無いとばかりにガイが淡々と話してくれた内容はこんな感じだ。


 ガイは、子供の頃に両親に死なれ、途方にくれていると近所のおばさん・・・さっきも奥に居たらしいんだけどね・・・おばさん家族に助けてもらいながら育ったんだって。

 おばさんには、ガイよりも大きな子供が居たらしいのだけど、今は独立して居ない。ガイと同じ年の子供もいたのだか亡くしており、代わりと言っては何だが、とても可愛がってもらったのだと。

 他の子供達は・・・それぞれの理由で身寄りのない子供達がいつの間にか増えていった結果らしい・・・なんともお人よしというか・・・いい人なのだなぁ。

 ガイは、そんな母親代わりのおばさんに感謝をしており、同じように助けられた身としては協力していくしかないと考えているようだ。


 そうそう、あの家は・・・既に独立してギルドで活躍中のおばさんの息子さんと一緒にガイが購入したんだって。なんでも何十年のお化けが出ると有名だったらしく、ズーッと空き屋で買い手がつかなかった。なので、格安物件になっていたところを購入しようとしたガイとリーンが出会い、変な現象がなくなりみんな万々歳だったと。

 修理費とかの費用があればよかったんだけど、そこまでは手が回らず・・・今に至ると。---とりあえず内装からと・・・皆が少しずつ修理をしているから住みやすくなっているんだって。


 フムフム・・・ガイってやっぱりいい人だった。私の眼に狂いはない!!なんて・・・。


 でも、色々問題があるみたい---皆まだ働きに出るには早い年齢で、ギルドに登録をしている年長者もたいした稼ぎにはならない。学校に通えないので、ギルドでの依頼書を読むのにも一苦労しているらしい。

 ・・・職業の選択もできない状況なのだろう。


「---じゃぁ、まず文字が読めないとね!早速、お家に帰って勉強の準備しなきゃだよね~」


 ここ最近、本を読んでなかったなぁ~、勉強もしてなかったなぁ~、皆と本を読むと楽しいよね~、勉強も楽しいし~、何か始めるっていいことだよね~。


「ふふ~ん、ふふふふ~ん。あー楽しみだなぁ」


「おい!・・・何かあいつらに変な事をするなよ。・・・いや、変な事を教えるな!」


「えー、もう夢一杯!希望一杯!いろいろ楽しい事思いついたんだから、邪魔しないで欲しいなぁ。一緒に頑張ろう!」


 と心の声をうっかりと漏らしてしまい・・・ガイにものすごく睨まれました。




 えー・・・変な事考えてないのに・・・どうしてだろう??---お兄ちゃまも手伝ってくれるかな??あぁ~楽しみだなぁ。


 口は悪いけど、やっぱりガイは面倒見のいいお兄ちゃんの様だ。いろいろ疑問に思う所はあるけど、目の付いた所からでも楽しく環境改善できるといいなぁと思う。


 楽しく働いてお金を稼いで、生活改善を目指すのだ。


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