27.森の中は大変でした
こんにちは、キャロラインです。誘拐されて、夜が明けました。---行き先不明の外泊なんて令嬢としてはあるまじき行為ですね!ハイ!!
只今、森をピクニック中だったら良いのになぁ~と現実逃避をしたくなるくらい、森の中を歩いています。
何故かと言うと、誘拐監禁された場所が森の奥だったからだ。行きは馬車だったが、それはAとBに乗って行かれてない。
「・・・ガイ、あとどれくらい歩くの?」
「そうだな。森を抜けるのに一時間くらいだが、・・・この調子だとそれ以上かかるかもな」
スタスタと私の歩くスピードなんで、お構いなしのガイ。もう無理だから!
「もう!私4歳なんだけど!同じ速さでなんて歩けないから!」
私は、怒り心頭だ!もう一歩も歩けない!
あれ?・・・うちの子供たちが、歩くのをぐずった時の心境はこんな感じだったのかな?
---今はそんな事どーでもいい。私は疲れたんだ!ガイの歩くスピードで歩かされて!
「お前我がままだな!一緒に街まで行ってやるだけでもありがたいと思え」
ガイは前髪をグシャリと掻き揚げ、仕方なさそうに私の側に立ち、抱き上げ肩に乗せてくれた。
「わぁ、高い~ありがとう」
私は今、男の子の格好をしている。髪が隠れる様に帽子を深く被り、髪の毛を隠している。
・・・銀色の髪は珍しい色で、とても目立つらしい。なので、こっそり家に帰りたい私は特殊任務中さながらに、髪の色を焦茶に染め、肌を煤で汚し変装中だ。
髪を染めたのに何故?と思うけど、濡れたら色が落ちちゃうし、念には念を入れて。
しかも、女顔で幼児となると悪い大人に売られる可能性が・・・なんて、恐ろしい事をガイが注意事項として教えてくれたので、顔を隠す意味でも帽子を深く被っています。
ちなみに、ガイの髪は一般的な焦茶である。瞳の色は吸い込まれそうな深い海の青。
リーンは、ガイの瞳の色より薄い青、青空のような髪と瞳だ。格好は私の中の妖精のイメージそのままのヒラヒラと薄い生地をいくつも重ねた水色のワンピース。
ガイは、目立たない一般的なシャツにスボン。見た目清潔そうな好青年である。誘拐犯と行動していた時とは全くの別人だ。
そんな訳で、即席の兄弟の出来上がりである。
そんな事を、ガイの頭の横で考えていたら睨まれた。
・・・何故ばれたのだ。
「---それで、お前を街の警邏隊のとこに置いてくればいいんだな」
「ダメですよ~お家にこっそりと帰りたいのです」
にっこりと微笑んで伝える。
だって、ガイが教えてくれたのでしよ?だからそれは困るのだ。
無理やり近くに置いて行こうとしたら、捨てないで!って騒いでやるんだから。
お兄ちゃん?お父さん?どっちが良いかな?
なんて、考えていたら、ガイの深いため息が聞こえてきた。
「---頼りにしています、お兄ちゃん」
ギュッと、首にしがみつく。逃がさないからね。
そうだ!重要な事を聞くの忘れていた。
「ねぇ、明日には、お家に帰れる?」
「はぁ?何言っていんだ、帰れるわけないだろう。丸2日馬車で移動したんだぞ。このペースだと一週間はかかる。まぁせいぜい頑張って歩け!---家に帰るまでの間に売られた髪や服が、発見されて死んだ事になって無いといいな」
はあぁ?何それ!そんな事あるわけ無いじゃん。そんな意地悪言っても大丈夫だもん。
ゼーーーッたいそんな事ないんだからね!
でも、丸2日?そんなに馬車乗っていた?
「馬車移動は、一日だったよね?」
「お前は、薬で丸一日寝ていたんだよ」
とさらりと告げられた・・・。
---なんと!それはまた遠くに・・・ガイがいてくれて良かった。
私はガイに抱えられ、ランセイはリーンにいろいろな事を聞いているのか?時折何かしているようで楽しそうに私たちの後を付いて来ている。
妖精は、歩いているの?不可思議な移動だね?
ガイによると、妖精は名前を付けた者の場所がわかるので、はぐれてもいつの間にか側に居るんだそうな。すごい能力だよね。転移とかしてくるのかな?
考えている事も意思疎通できるようで、大抵の事は言葉に出さなくても大丈夫なんだと。だからかな?ランセイは、名前を付けてから、あまり言葉を口にしなくなったのは。
でも、話してくれないと私にはわからないんだけど?そのうちわかるようになるんだってさ!
何ソレ?頭の中に声が響いてくる能力が開花されるの?と思ったけど、妖精が伝えたい事がないから聞こえないんじゃないか?だって。
で、森を抜けるまでの間、いろいろ話し合った。これからどうするのか!これ重要だよね。
取り敢えず、ガイは私を王都まで、送ってくれる事になった。お家まで行くかはまだ未定・・・考えておくって。
こっそり帰るのが前提なので、私はガイの弟という設定になりました。
ランセイとリーンは姿を消して共に行動する事になった。数日しかないけど、役立たずで足手まといはいら無いから時間がある時に短剣の扱い方などを教え込まれる事に・・・。
それは、4歳児に必要な技術ですかね?
それと、ランセイを鍛えてくれるらしいですが、リーンが?
必殺技とか?能力の使いとか?妖精同士の話なんだと。
「ねぇ、リーンって何が出来るの?」
「・・・おい、髪を引っ張るな!聞こえている」
あっ、ゴメン。ついつい近くに居るのに引っ張っちゃった。
ガイは、はあぁ~と深くため息を吐くとリーンに視線を向けた。
「いいか?妖精の事は隠すんだ。だから自分の動きで技を使った様にみせるんだ!こんな風にな---」
私を左肩に抱き抱えだまま、右の腕をブンッと振り切る。
ザザンッンッ---ッと音と共に目の前の木がゆっくりと倒れていく。
えっ、マジ・・・。
「リーンは、俺が振る剣に合わせて、切り裂く鋭い風を起こしている。こう剣を振る事によって魔力を、纏わせ俺の剣技として見せているんだ」
魔力ね?そんなのがあるんだーーーなるほと。・・・リーンは風を起こすのが得意なんだね。じゃあ、ランセイは・・・鉄?
「お前のは、何が得意なんだ?」
「・・・鉄を操るのかな?あまり試してないからぁ~わかんないよ」
---でも、鉄か?ふふっ、ここはイメージが物を言う時ではないか?!もしかして、私無双なんじゃない!?
むむ~ん、とイメージを膨らませてランセイに視線を向ける。
私のイメージしたのは地中の中や周りにある鉄を含む物質を浮かび上がらせ、一気に前に飛ばすものだ。
さあ!ランセイやってみるのだ!
物が浮かび上がるのをイメージして、左腕を下から上げ、前に振り下ろす。
「バッ!バババババーー」
あっ、出来た!以外に簡単。木の幹に無数の穴が空いたね。成功です!
アレ?ナイフが一本刺さっているね。アレはもしかしてガイのなのかな?
ちらっとガイ横顏をみたら、初めてみたよ!間抜けな顏。口が開いたままだけど、大丈夫かな?
やり過ぎたの?イメージだから仕方ないよね。アニメのイメージでやっちゃうと、普通に目をつけられるのでは無いでしょうか?
結果、厳重注意をうけました。
自分の技に見えないだろう!とね。
魔法使いじゃダメ?!と聞いたら、その職業もやり過ぎると国レベルで目をつけられるから止めとけ・・・と。でもさぁ、ガイの技も普通じゃないよね?魔法使いって言ってもおかしくないよね?!と、突っ込みを入れてみた。
人には多かれ少なかれ魔力はあるんだって。でも人の魔力は少なくて魔道具の動力源程しかないらしい。
だから一応、ソロで活動しているんだって。って何を?!
一人なら、身の危険を感じたら好き勝手に技を使えるからだって・・・まあ、見られなきゃ良いわけなので、さもありなん。
まあ、権力を求めるなら好きにしろ!と言われてしまいました。
キャロラインは、自重という言葉を学んだ。ピロリ~ン。---なんてね。
「じゃあね〜・・・鉄で作った棘のムチを振り回して攻撃ってのはどう?振り回らす威力は、ランセイという事で?」
と、可愛いく言って見たけど、何を想像したのか、物凄く渋い顔されました。
・・・チョットエグいね。うん、私も使いたくないね。
なので、ガイから小刀を二本もらいました。街に着いたら、もっと小さいのを購入してくれるって。なんだかんだ言っても良い人なんだ。
手でナイフを飛ばす様にして、ランセイの能力で、加速すると命中率をあげる事にしました。
最初に使った技は、本当に命の危険にさらされたら使う様に、こってりとじっくり言われました。
なんだか、小言を言っているガイが疲れているみたいだけど、そんなに疲れる事はしてないと思うんだけどね。
で、ソロで活動って何?って聞いたら、冒険者ギルドに所属しているんだと。
一気にファンダジーだね!・・・私が知らなかっただけだね。引きこもりだったから仕方ないね。
道中、思いつくまま必殺技を提案していたら、ガイがドン引きしていました。
いくつか、良いのがあったと思うけど、ガイ向きなので、後でイメージをイラストにして提案してみよう!
街に着く頃に、ガイがボソッと一言。
「生きる凶器だな・・・」
何を失礼な!




