25.散々です・・・
ドカドカと足音が上から聞こえた・・・地下倉庫にいる私には、何人やって来たのか丸分かり。・・・って言っても3人なんだけどね。
声の大きいBが、イライラした様にドカッと、椅子にでも座った様な大きな音が地下に響いた。続いて二人も静かに座ったようだ。
「チクショー足元見やがって!」
ガッ!とテーブルでも蹴り飛ばしたのだろうか・・・ガタガタッとまた音が響いた。
「---・・ガキは---・・ど---・・」
これは、Aなのかな?よく聞こえないが私の話題だな・・・たぶん・・・確実に。
「ガキを、始末してサッサと消えろだとよ!馬鹿にしやがって!」
---・・・うわ。私、始末されちゃうのかな。
ガタッと誰かが慌てて立ちあがった。
「そんな!小さい子に、我々が遠くに逃げるまで発見されないようにしておけばいい」
これは・・・Cだね。
「---・・・なら、・・・すればいい。金に・・」
Aが、何か提案したのかな?
「そりゃいい!」
Bが高笑いをして、私の処遇は決まった様だ。
Cが、異論を唱えていないので、最悪の事態は免れたのかな・・・?
ドカドカと、大きな足音を立てて3人が地下へとやってくるようだ。
厳つい体の大人の足音がだんだん近づいくる。思わず身を隠す所が無いか、キョロキョロと周りを見るが、あるのは私の身長くらいの木箱が2個。
何もないよりはマシかな・・・。
思わず木箱に身を寄せて、男たちが降りてくるのをジッと待つ。・・・階段なんてそんなあるわけないのに、ほんの数十秒でじっとりと汗が・・・。
---そうだ!ランセイ降りてきて。
と、見上げたら直ぐ側に来ていてくれていた。こんな小さくても、今の私には・・・ホッとする大切な存在だ。
「ガッ!」
蹴り破る勢いで、扉が開いた。Bを先頭に誘拐犯勢ぞろいですね・・・。
思わず木箱に縋り付く。
「おい!ガキその服脱げ!」
---?なんですと!?今なんと言いました!
思わず眉間にシワを寄せ、ムムッと首を傾げてしまう。
「おい!聞こえているのか!サッサとしろ」
Bがイライラした顔で大股で近づいてくる、っていっても、三歩もない。私は腕を掴まれてCに向かって投げられた。
「おい、乱暴に扱うな!服が汚れる」
A・・・大声出るんだね。というか、服を心配しないで。
Cは、私を抱きとめたまま動かないが、静かに告げる。
「悪いが、服を脱いでくれないか」
乙女の服を脱がせるなんて・・・と思ったが、仕方ない。さすがに下着までは脱げとは言われ無かった。
Bをギッと睨みつけるが、フンッと鼻で笑わらてしまった。
「おい!」
とBが言うと、Aが私の髪の毛を腕に絡め、一つに、掴みあげた。
「怪我したくなかったら動くなよ」
と、言い終わると、同時に小刀を、取り出し首元から一気に髪を切り落とす。
---パラリ、と髪の毛が舞い切られた髪はAの手の中だ。
えっ、何で・・・。
「---じゃあな、お嬢様。助けが来る事を神様にでも、祈っていな!」
Bの大きな笑い声と共に誘拐犯達は、居なくなった。
「ガチャン」
---あっ、カギ掛けないでよ。
「はあ~っ、私どうすればいい」
こんな、下着姿だし。髪の毛はボサボサ、ベリーショートに近いヘアスタイルになっているのかな。
ペタンと床に座り込み、月を見上げる。
・・・助けが、来るまでここに?水もたべる物もないのに・・・そんなの無理だ。
鍵掛けられて、外に出られないし。誘拐犯に怯えなくて良くなっただけでも、マシなのか。
「ランセイ・・・いる?」
ぴょんと上から降りてきて、スタッと忍者が天井裏から参上とカッコつけていた。
ははは~~いいね。この状況から救出してくれそうで。
これが小人じゃなかったらの話だけど。
「家に帰りたい。手伝って」
「大船に乗ったつもりで任せて置け!!」
---それって、ドロ舟じゃない事を願います。
そんな心の声と、零れ落ちそうな涙は、無理やり胸の奥に押し込める。
---ここで泣いている場合じゃないんだ。泣いても何も変わらない。
久しぶりに聞いたランセイの声と、簡単に告げられた任せておけ!に、ちょっと心が軽くなった。
ぐぐーっと大きく伸びをして、現状打開の為活動しないとね。
一人ボッチから始まる冒険!これって・・・よくある異世界転移もので、気づいたら森の中・・・ではなく倉庫の中からのスタートです!!気分はそんな感じになってきたけど、・・・4歳からのスタートって、無理ゲーだよね。チート能力?!ってハテナマーク付いちゃう小人さんがお供って・・・どうなるのかなぁ。
よっ・・・と、おばさんぽく、立ち上がり気合を入れようとした---ら、ギィーーー・・・と上のドアが開く音がした。
誰かが、戻ってきたのかな・・・?足音からBではなさそうなので、一安心。・・・Aじゃないといいなぁ。




