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魔法学園のマキャヴェリ  作者: Kk


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8/42

主席の敗北

朝。



訓練場。



学園の生徒たちが集まっていた。



今日は実技試験。



学期ごとに行われる重要な評価試験だ。



当然。



注目は首席。



アルフォンス・レイヴン。



「今年も首席は確定だな」



「アルフォンス強すぎるし」



周囲の声。



本人もそれを否定しない。



事実だからだ。



努力している。



結果も出している。



誰よりも強い。



少なくとも学年では。




試験が始まる。



生徒たちが順番に模擬戦を行う。



圧勝。



圧勝。



また圧勝。



アルフォンスは危なげなく勝ち続ける。



歓声が上がる。



教師たちも満足そうだった。



その時。



最後の組み合わせが発表された。



「アルフォンス・レイヴン」



「レオン・クロイツ」



ざわめき。



「またか」



「レオン終わったな」



「前回もボコボコだったろ」



笑い声。



レオンは静かに前へ出る。



いつも通り。



無表情。



やる気があるようにも見えない。



アルフォンスは剣を構えた。



「今度は逃げるなよ」



レオンは首を傾げる。



「逃げてません」



「そうか」



開始の合図。



アルフォンスが踏み込む。



剣撃。



速い。



学年トップの速度。



だが。



空を切る。



レオンが半歩動いた。



避けた。



ギリギリ。



偶然にも見える。



再び斬撃。



避ける。



三撃。



四撃。



五撃。



全部。



当たらない。



観客席がざわつく。



「なんだ?」



「避けてる?」



「偶然だろ」



アルフォンスも違和感を覚え始める。



おかしい。



タイミングが完璧すぎる。



だが。



あり得ない。



レオンは魔力強化すら使っていない。



見えるはずがない。



「はっ!」



炎魔法。



剣と同時発動。



逃げ場を潰す。



完璧な連携。



だが。



レオンは一歩だけ下がった。



炎が外れる。



剣も外れる。



また。



外れる。



その瞬間。



アルフォンスの背筋に冷たいものが走った。



まるで。



試されているような感覚。



いや。



違う。



見られている。



自分の動きを。



全部。




レオンは何も考えていなかった。



ただ。



早く終わらないかな。



と思っていた。



昨夜から寝ていない。



結界異常が二回。



魔獣侵入が一回。



少し眠い。




「終わりだ!」



アルフォンスが最後の魔法を放つ。



巨大な火球。



訓練場が熱気に包まれる。



歓声。



土煙。



視界が消える。



そして。



数秒後。



煙が晴れる。



レオンは倒れていた。



「勝者、アルフォンス!」



歓声が上がる。



「やっぱ首席だ!」



「当然だな!」



アルフォンスも剣を下ろす。



勝った。



はずだった。



なのに。



胸の中に妙な感覚が残る。



勝った気がしない。



なぜだ。



レオンを見る。



倒れている。



負けている。



それなのに。



まるで。



相手にされていなかった気がした。




試験終了後。



レオンはいつの間にかいなくなっていた。



誰も気にしない。



いつものことだから。



だが。



アルフォンスだけは、


しばらく訓練場に立ち尽くしていた。



初めてだった。



レオン・クロイツに対して、


敗北感のようなものを覚えたのは。


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