交差する頂①
訓練場。
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歓声。
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今日一番の盛り上がりだった。
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アルフォンス・レイヴン。
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一年首席。
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交流戦代表最有力。
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そして。
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ガイウス・フェルド。
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三年生。
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剣術科首席。
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交流戦常連候補。
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「ガイウス先輩!」
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「負けるなー!」
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三年生達の歓声が響く。
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一方。
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一年生側。
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「アルフォンス!」
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「やっちまえ!」
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完全に対抗戦だった。
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ガイウスが笑う。
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短髪。
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鋭い目。
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傷だらけの剣。
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実戦派。
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そんな雰囲気だった。
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「有名だな」
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アルフォンスへ言う。
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「首席」
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アルフォンスも頷く。
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「先輩こそ」
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短いやり取り。
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だが。
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互いに分かっていた。
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強い。
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目の前の相手は強い。
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バルトが手を上げる。
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「始め!」
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瞬間。
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二人が消えた。
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剣撃。
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轟音。
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金属音が響く。
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観客席総立ち。
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速い。
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あまりにも。
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マルクが叫ぶ。
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「見えねぇ!!」
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ダリウスも眉をひそめる。
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速い。
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そして。
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重い。
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アルフォンスが後退する。
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初めてだった。
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試合開始直後。
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押された。
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観客席がどよめく。
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ガイウスが笑う。
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「なるほど」
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「本物か」
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次の瞬間。
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さらに踏み込む。
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剣。
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剣。
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剣。
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圧倒的手数。
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アルフォンスが受ける。
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受ける。
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受ける。
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しかし。
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徐々に押される。
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三年首席。
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伊達じゃない。
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アイリスも真剣な顔になる。
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「強い」
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レオニスが頷く。
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「ガイウスは学生ランキング十五位だ」
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観客席がざわつく。
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ランキング保持者。
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だから強い。
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その時。
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ガイウスの剣が弾けた。
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衝撃波。
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アルフォンスが後方へ吹き飛ぶ。
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着地。
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だが。
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距離を取らされた。
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初めて。
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アルフォンスの表情が変わる。
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真剣。
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完全に。
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観客席が沸く。
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「やばい!」
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「押されてるぞ!」
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その瞬間。
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アルフォンスが剣を構える。
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炎。
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剣へ宿る。
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今までとは違う。
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濃い。
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熱い。
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空気が揺らぐ。
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ダリウスが立ち上がる。
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知っている。
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アルフォンスの切り札。
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まだ完全ではない魔法。
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セシリアも目を細める。
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「使うのね」
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アルフォンスが小さく息を吐く。
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そして。
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呟いた。
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「焔牙」
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剣が燃え上がる。
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赤ではない。
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金色。
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観客席が静まり返る。
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ガイウスの笑みが深くなる。
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「いいな」
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「それだ」
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待っていた。
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その本気を。
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そして。
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ガイウスも剣を構える。
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魔力解放。
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訓練場の空気が震える。
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観客席全員が息を呑んだ。
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本命。
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優勝候補。
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首席。
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その戦いが。
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今。
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本当の意味で始まろうとしていた。




