表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園のマキャヴェリ  作者: Kk


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
56/68

影を追う者

交流戦代表選抜。



会場の熱気はまだ冷めていなかった。



レオンの棄権。



あまりにも意味不明。



あまりにも唐突。




訓練場では今も話題になっていた。



「あいつ何なんだ」



「エルナ先輩怒ってたぞ」



「もったいねぇ」




誰もが好き勝手言う。




ただ一人。



エルナだけは黙っていた。




控室。



椅子へ座る。




拳を握る。




理由は分からない。




だが。



妙に腹が立つ。




負けるから逃げた。



そんな風には見えなかった。




本当に。



興味がなかった。




それが気に入らない。




「……何なのよ」




誰にも聞こえない呟き。




その頃。



学園の外。




森。




レオンは歩いていた。




人の気配はない。




夕暮れ。



木々の影が伸びる。




そして。



立ち止まる。




地面。




焼け焦げた跡。




黒い魔力。




アーヴェルの痕跡。




まだ新しい。




レオンが目を細める。




「近いな」




小さな呟き。




その時。



森の奥。




何かが動いた。




ガサッ。




レオンは振り返らない。




数秒。




そして。



「出てこい」




沈黙。




やがて。



人影が現れる。




長身。




銀髪。




優しそうな顔。




リヒト・アルゼイン。




レオンは少しだけ驚いた。




「何してる」




「それはこちらの台詞です」




リヒトは苦笑する。




「カイルが気になると言いまして」




レオンは黙る。




そして。



理解した。




あいつか。




面倒だ。




リヒトが周囲を見る。




焼け跡。




魔力残滓。




普通ではない。




だが。



深く聞かない。




それがリヒトだった。




「危険ですか?」




「帰れ」




即答。




リヒトは笑う。




「危険なんですね」




レオンは答えない。




数秒。




風が吹く。




その瞬間。



レオンの顔が変わった。




僅かに。



ほんの僅かに。




殺気。




リヒトの表情も変わる。




前方。




森の奥。




誰かがいる。




見えない。




だが。



いる。




そして。



低い笑い声が聞こえた。




「面白い」




リヒトが剣へ手を伸ばす。




レオンは動かない。




その声。



知っている。




アーヴェルではない。




もっと古い。




もっと嫌な存在。




声は続く。




「継承者」




リヒトが反応する。




継承者。




聞いたことのない言葉。




しかし。



レオンの瞳が鋭くなる。




次の瞬間。



森の奥の気配が消えた。




完全に。




リヒトが周囲を見る。




誰もいない。




何もない。




だが。



レオンだけは知っていた。




今のは偶然ではない。




そして。



アーヴェルだけが敵ではない。




その事実を。




遠く。



学園の屋上。




寝転がっていたカイルが、


突然空を見上げた。




「……あーあ」




珍しく。



笑っていなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ