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魔法学園のマキャヴェリ  作者: Kk


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遠い背中

訓練場。



交流戦代表選抜。



観客席は満員だった。



エルナ・ノクス。



レオン・クロイツ。



二人が中央へ立つ。



歓声。



期待。



ざわめき。




「ようやくだな」



「エルナ先輩の圧勝だろ」



「レオンまた逃げるんじゃね?」




笑い声。




マルクも腕を組みながら笑う。




「今度こそ終わりだな」




ダリウスも同意だった。




レオンが勝つ姿は想像できない。




だが。



アルフォンスだけは違う。




黙ってレオンを見ていた。




ロベルト戦。




あれは運ではない。




そう思っている。




しかし。



何をしたのかは分からない。




その頃。



王立中央学院席。




アイリスも興味深そうに見ていた。




レオニスが呟く。




「ようやくか」




「あの変な奴の実力」




アイリスは笑う。




「楽しみ」




一方。



エルナ。




無表情。




だが。



内心は少し違った。




地下。



封印。



アーヴェル。



古代魔法。




あの日見たもの。




全部覚えている。




だからこそ。



少しだけ興味があった。




お前は何者なんだ。




その答えが見えるかもしれない。




そんな期待。




バルトが前へ出る。




「両者前へ」




エルナが歩く。




レオンも歩く。




向かい合う。




数秒。




沈黙。




そして。



バルトが右手を上げた。




「始め!」




試合開始。




その瞬間。



レオンが右手を上げた。




静かに。



本当に静かに。




「棄権します」




沈黙。




訓練場が止まった。




誰も理解できない。




バルトが固まる。




「……は?」




観客席。




数秒の沈黙。




そして。



大爆発。




「はぁぁぁ!?」




「またかよ!!」




「ふざけんな!!」




「何しに出てきたんだ!!」




大混乱。




マルクは立ち上がる。




「馬鹿だろあいつ!!」




ダリウスも呆れ果てていた。




「何を考えている」




セシリアは額を押さえる。




アイリスは吹き出した。




「何それ」




レオニスも笑っている。




予想外すぎた。




その中で。



レオンだけが無表情。




本当に。



何とも思っていない。




そして。



そのまま帰ろうとする。




だが。



「待ちなさい」




声。




エルナだった。




会場が静まる。




レオンは立ち止まる。




振り返らない。




「何だ」




短い返事。




エルナは拳を握る。




負けるから棄権した。




そうは思わない。




地下で見た。




自分では届かない力。




だから分かる。




こいつはそんな理由で逃げない。




なら。




「私を舐めているの?」




静かな声。




だが。



怒っていた。




珍しく。



本当に珍しく。




感情が滲んでいた。




レオンは少しだけ考える。




そして。



「別に」




最悪の返答。




エルナの眉が動く。




レオンは続ける。




「ただ」




数秒。




そして。



本音を言った。




「面倒なだけだ」




訓練場騒然。




「言いやがった!!」




「終わったなあいつ!」




「エルナ先輩怒ってるぞ!」




マルクは爆笑。




ダリウスは呆れ。




アルフォンスは思わず目を閉じた。




セシリアは頭を抱える。




アイリスは腹を抱えて笑っていた。




「最高」




レオニスも笑う。




こんな試合見たことがない。




その中で。



エルナだけは笑わない。




レオンを見る。




だが。



レオンは既に興味を失っていた。




視線はもっと遠く。




学園の外。




どこか別の場所を見ている。




その姿が。



余計に腹立たしかった。




「……そう」




エルナはそれだけ言う。




だが。



その声は少し冷たかった。




レオンは何も言わない。




そのまま歩き出す。




試合終了。




勝者。



エルナ・ノクス。




誰も納得していない勝利だった。




そして。



屋上。




カイルは腹を抱えて笑っていた。




「最低だ」




「本当に最低」




リヒトも苦笑する。




「先輩楽しそうですね」




「だってさ」




カイルは笑いながら言う。




「エルナ怒らせる方が難しいのに」




「一瞬だった」




再び笑う。




だが。



その後。



ふと表情を消した。




視線は学園の外。




レオンが見ていた方向。




そして小さく呟く。




「またか」




リヒトには意味が分からなかった。




その頃。



学園を出たレオンは、


誰にも気付かれないまま森へ向かっていた。




交流戦代表選抜。




そんなものより優先すべきことがある。




遠く。



森の奥。




微かに残る、


アーヴェルの魔力の痕跡を追って。


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