代表選抜開始
三日後。
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学園中が騒がしかった。
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交流戦代表選抜。
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今日から始まる。
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訓練場。
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巨大な観客席。
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全校生徒が集まっていた。
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教師達も多い。
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交流戦代表。
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選ばれるのはわずか六名。
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当然。
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競争は激しい。
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「始まるぞ」
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「楽しみだな」
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生徒達の声。
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一年席。
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ダリウスは腕を組んでいた。
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燃えている。
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アルフォンスも同じ。
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二人とも代表入りは当然。
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問題はその先。
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どちらが上か。
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その頃。
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観客席後方。
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レオンは本を読んでいた。
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当然のように。
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マルクが指差す。
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「なんであいつ来てるんだ」
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「代表狙ってるのか?」
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周囲が笑う。
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ダリウスも鼻で笑った。
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「無理だろ」
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だが。
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アルフォンスだけは何も言わない。
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以前ほど軽視できなくなっていた。
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その時。
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バルト教官が前へ出る。
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「これより交流戦代表選抜を開始する!」
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歓声。
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「なお」
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「今回から王国学生ランキング評価対象となる」
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ざわめき。
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知らない生徒も多い。
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だが。
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上級生達は反応した。
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王国学生ランキング。
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毎年更新される。
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王国内の学生評価制度。
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実力。
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戦績。
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交流戦成績。
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総合評価。
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上位者は騎士団や王国から直接声が掛かる。
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名誉でもある。
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その時。
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後方。
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アイリスが面白そうに笑う。
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「今年もガレスが一位かな」
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レオニスが肩を竦める。
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「だろうな」
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「誰も勝てない」
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アイリスも否定しない。
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現学生最強。
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ガレス・ドレイク。
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その名は王国中に知られている。
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その頃。
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屋上。
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カイルは寝ていた。
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「代表選抜ですよ」
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リヒトが呆れる。
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「行かないんですか」
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「めんどくさい」
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即答。
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「去年もそれ言いました」
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「今年もそう」
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リヒトはため息を吐く。
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学園最強。
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なのに。
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やる気ゼロ。
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その時だった。
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カイルが突然空を見る。
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雲。
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風。
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数秒。
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「先輩?」
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「んー」
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カイルが目を細める。
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「また嫌な感じする」
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リヒトの表情が変わる。
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地下崩落の時と同じ言葉。
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だが。
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カイルはすぐ寝転がる。
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「ま、いっか」
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いつも通りだった。
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その頃。
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学園から離れた街道。
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一人の男が歩いていた。
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アーヴェル・グランツ。
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傷はまだ治っていない。
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だが。
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その瞳は以前より危険だった。
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「交流戦か」
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小さく笑う。
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「集まるな」
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王国中の才能が。
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若き英雄達が。
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そして。
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継承者を取り巻く駒達が。
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アーヴェルは空を見上げた。
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「面白くなってきた」
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その笑みを、
誰も見る者はいなかった。




