首席対雷帝
訓練場。
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静寂。
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先程までの歓声が嘘のようだった。
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誰もが中央を見ている。
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アルフォンス。
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ダリウス。
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学年最強を決める戦い。
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バルト教官が前へ出る。
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「始め!」
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瞬間。
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二人が消える。
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激突。
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剣と剣。
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火花。
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衝撃。
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「速っ!?」
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観客席がどよめく。
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ダリウスが距離を取る。
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魔法陣展開。
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紫電。
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轟雷。
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雷の槍が放たれる。
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しかし。
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アルフォンスは避けない。
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炎。
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赤い魔法陣。
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炎の壁が立ち上がる。
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激突。
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爆発。
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会場が揺れる。
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「すげぇ……」
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一年生とは思えない。
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そのまま両者突撃。
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剣。
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炎。
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雷。
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激しい攻防。
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誰も近寄れない。
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観客席。
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マルクは拳を握っていた。
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「勝て……!」
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セシリアも見入る。
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強い。
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本当に。
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その時。
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ダリウスが笑った。
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初めて。
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「やっぱりお前は強いな」
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アルフォンスも笑う。
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「お前もだ」
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次の瞬間。
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雷鳴。
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ダリウス最大出力。
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紫色の雷が訓練場を覆う。
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観客席が悲鳴を上げる。
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だが。
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アルフォンスは退かない。
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炎が渦を巻く。
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巨大な炎柱。
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衝突。
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轟音。
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白煙。
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視界が消える。
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誰も結果が見えない。
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やがて。
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煙が晴れる。
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立っていたのは。
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アルフォンス。
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ダリウスは膝をついていた。
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静寂。
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そして。
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歓声。
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「勝者!!」
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「アルフォンス・レイヴン!!」
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大歓声が響く。
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アルフォンスは息を切らしていた。
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ギリギリだった。
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ダリウスも笑う。
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悔しそうに。
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「また負けたか……」
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アルフォンスが手を差し出す。
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ダリウスはその手を取った。
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観客席がさらに沸く。
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良い勝負だった。
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その頃。
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最上段。
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カイルは立ち上がっていた。
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「終わった?」
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リヒトが呆れる。
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「最後だけ見てましたよね」
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「うん」
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カイルは伸びをする。
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そして。
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ふと。
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観客席の端を見る。
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レオン。
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誰よりも静かに拍手していた。
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無表情。
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しかし。
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ほんの僅かに。
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満足そうだった。
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カイルはそれを見て、
初めて少しだけ眉をひそめる。
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「……」
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変だ。
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勝敗に興味がない。
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強さにも興味がない。
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なのに。
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今の戦いを見ていた。
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まるで。
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何かを確認するように。
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その時。
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試合終了の鐘が鳴る。
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実技試験予選終了。
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そして。
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誰も知らない。
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その夜。
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第七封印区画で、
再び異変が起きることを。




