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魔法学園のマキャヴェリ  作者: Kk


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31/66

問題児の試験

訓練場。



歓声が響く。



予選は終盤へ入っていた。



そして。



ついにその名前が呼ばれる。




「レオン・クロイツ!」




一瞬。



会場がざわつく。




「あいつ出るのか」



「棄権じゃないの?」



「久しぶりに見たな」




笑い声。




レオンはゆっくり立ち上がる。



いつも通り。



無表情。




対戦相手は一年生。



特別強くはない。



だが。



レオンより上位だった。




「よろしく」



相手が頭を下げる。




レオンは軽く頷く。




試合開始。




開始直後。



相手が魔法陣を展開。



風属性。



鋭い風刃が飛ぶ。




観客が見守る。




しかし。



レオンは避けるだけ。




一歩。



また一歩。




攻撃しない。




「なんだあいつ」



「逃げてるだけじゃね?」




観客席から笑い声。




ダリウスが眉をひそめる。




「……」




気に入らない。




戦う気が見えない。




その時。



相手が焦れる。




「なめるな!」




風魔法を強化。




一気に距離を詰める。




そして。



剣を振る。




次の瞬間。



レオンが半歩動いた。




カン。




相手の剣が弾かれる。




静寂。




誰も見えなかった。




何をした。




レオン自身も驚いているように見えない。




ただ。



自然に。



当然のように。




相手は体勢を崩す。




バルトが即座に判定する。




「勝者、レオン・クロイツ!」




数秒の沈黙。




そして。



「え?」




観客席がざわめく。




何が起きた。




誰も分からない。




アルフォンスだけが目を細める。




今の動き。




速かった。




だが。



魔法ではない。




純粋な技術。




ダリウスも見ていた。




しかし。



理解できない。




「偶然だ」




自分に言い聞かせる。




観客席最上段。




カイルは寝転がったまま空を見ていた。




「へぇ」




初めて。



少しだけ笑う。




「なるほど」




誰にも聞こえない声。




そして。



再び目を閉じる。




その頃。



レオンは試合場を後にしていた。




周囲の視線。



笑い声。



噂話。




全部変わらない。




それでよかった。




目立つ必要はない。




知られる必要もない。




だが。



誰もいない通路を歩くレオンは、


気付いていなかった。




二階の渡り廊下。




黒髪の少女が一人。




無言でこちらを見ていることに。




長い黒髪。



冷たい瞳。




エルナ・ノクス。




彼女だけは、


今の試合で違うものを見ていた。




「……隠してる」




小さな呟きは、


誰にも届かなかった。


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