炎の首席
実技試験初日。
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訓練場は熱気に包まれていた。
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学園中の生徒が集まっている。
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観客席も満員。
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教師たちも見守っていた。
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予選は順調に進む。
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様々な魔法。
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様々な戦い。
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歓声が上がる。
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そして。
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当然のように。
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アルフォンスが現れる。
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「次!」
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バルト教官が叫ぶ。
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「アルフォンス・レイヴン!」
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歓声。
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学園の首席。
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誰もが知る優等生。
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アルフォンスが中央へ歩く。
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その表情に緊張はない。
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対戦相手は二年生。
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実力者だった。
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だが。
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勝負は始まった瞬間に決まる。
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「炎よ」
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アルフォンスの周囲に魔法陣。
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鮮やかな赤。
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次の瞬間。
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轟音。
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炎の槍が空を裂く。
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相手は防御魔法を展開。
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しかし。
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押し切られる。
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数秒後。
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勝敗決着。
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歓声。
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「やっぱ強え!」
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「今年も優勝候補だな!」
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観客が盛り上がる。
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アルフォンスは何も言わず席へ戻る。
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当然の結果だった。
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その直後。
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「次!」
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「ダリウス・ヴァルハルト!」
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再び歓声。
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ダリウスが立ち上がる。
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マルクが叫ぶ。
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「見せてやれ!」
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ダリウスは答えない。
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ただ前を見る。
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試合開始。
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瞬間。
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雷鳴。
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紫電。
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雷属性魔法。
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轟く稲妻が訓練場を走る。
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観客が息を呑む。
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速い。
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圧倒的に。
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相手は反応すらできない。
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勝利。
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歓声。
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「アルフォンス級だ!」
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「今年こそあるぞ!」
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ダリウスは観客を見ない。
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ただ。
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アルフォンスを見る。
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ライバル。
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絶対に越えたい壁。
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その頃。
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観客席。
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カイルは寝ていた。
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「……」
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完全に寝ている。
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教師も注意しない。
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誰もしない。
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そして。
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少し離れた場所。
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レオンも座っていた。
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試合を見ている。
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何を考えているかは分からない。
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その時。
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カイルが薄く目を開けた。
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偶然。
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レオンを見る。
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数秒。
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レオンも視線を向ける。
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初めて。
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カイル・ヴァレン
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レオン・クロイツ
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視線が交わる。
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しかし。
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すぐ終わる。
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カイル
ん?
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レオン
無表情。
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何も起きない。
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だが。
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カイルだけが少し不思議そうな顔をした。
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「変な奴」
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それだけ呟く。
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そして再び寝る。
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誰も気付かなかった。
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学園最強が、
初めてレオンへ興味を持ったことに。
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そして。
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予選は続く。
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次の試合表には、
レオン・クロイツの名前が記されていた。




