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魔法学園のマキャヴェリ  作者: Kk


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20/25

地下への鍵

雨だった。



朝から空は重い。



窓を打つ雨音が学園を包んでいた。



そんな中でも授業は続く。



生徒たちはいつも通り。



少なくとも表面上は。




放課後。



図書館。



セシリアは再び訪れていた。



最近ここへ来る回数が増えている。



調べても答えは見つからない。



それでも。



調べずにはいられなかった。




本棚の間を歩く。



静かな空間。



その時。



奥の棚。



誰かがいた。



黒髪。



本を手に取っている。



レオン。



セシリアは足を止めた。



珍しく。



逃げるように消えない。



そこにいた。




レオンは一冊の本を棚へ戻す。



そして別の本を手に取る。



題名は見えない。



だが。



かなり古い本らしい。



「何を読んでいるんですか」



セシリアは聞いた。



レオンは少しだけ本を見る。



そして。



「歴史です」



それだけ。




セシリアは本の背表紙を見る。



そこに書かれていた文字。



『建国以前の王国史』



「そんな本読むんですね」



「たまに」



会話終了。



いつも通りだった。




その時。



司書が近付いてくる。



何冊かの本を抱えている。



そして。



驚いたような顔をした。



「それ……」



レオンの手元を見る。



「何か?」



レオンは首を傾げる。



「いえ……」



司書は少し迷う。



そして言った。



「その本、ずっと行方不明だったんです」



沈黙。




セシリアも固まる。



行方不明。



最近よく聞く言葉だった。




「本当に?」



司書は頷く。



「十年以上前から所在不明でした」



「ですが今朝、本棚に戻っていたんです」



「誰が戻したかも分からなくて……」




レオンは本を見る。



数秒。



そして。



「そうなんですね」



それだけだった。




セシリアはレオンを見る。



何か知っている顔ではない。



だが。



何も知らない顔にも見えない。



最近ずっとそうだった。




その夜。



職員室。



バルト教官は資料を読んでいた。



古い学園資料。



そして。



一枚の紙。



今まで見つからなかったもの。




【旧校舎地下管理記録】




バルトは目を見開く。



なぜ今になって。



こんなものが。




ページをめくる。



記録は古い。



かなり古い。



そして。



最後のページ。



そこに記されていた一文を見て、


バルトは言葉を失った。




【地下封印区画管理責任者】


【勇者アーク】




部屋の空気が凍る。



あり得ない。



そんなはずがない。



勇者アークは千年以上前の人物だ。



歴史上の英雄だ。



なのに。



なぜ学園の管理記録に名前がある。




窓の外で雷が鳴る。



雨はさらに強くなる。



そして。



学園の深い場所で、


長い眠りから目覚めようとしているものがあった。


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