表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園のマキャヴェリ  作者: Kk


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/32

読まれなかった本

翌日。



旧校舎の調査結果は公表されなかった。



教師たちも口を閉ざしている。



そのせいで。



噂だけが大きくなっていた。



「絶対何か隠してるだろ」



「だから言ったじゃん」



「幽霊だって」



「それはない」



笑い声。



だが誰も本気ではない。



本気になりたくないだけかもしれない。




放課後。



図書館。



セシリアは調査資料を返却していた。



禁書。



二十年前の事件。



旧校舎。



調べるほど分からなくなる。



そんな感覚だった。



「すみません」



司書へ声を掛ける。



「何かありましたか?」



「古い封印術の資料を探しているんですが」



司書は少し考える。



そして首を傾げた。



「封印術ですか……」



「何か気になることでも?」



「いえ」



少し迷った後、


司書は棚の奥を見る。



「最近なんです」



「最近?」



「誰かが古い専門書を読んでいるんです」




セシリアは反応する。



「専門書?」



「はい」



司書は頷く。



「古代結界理論」



「封印術概論」



「失われた術式」



どれも。



普通の生徒は読まない。



いや。



教師でも読まない。



そんな本ばかり。




「誰が読んでいるんですか」



司書は困った顔をした。



「分からないんです」



「貸出記録は?」



「残っていません」



「え?」




普通は残る。



誰が借りたか。



いつ借りたか。



全て記録される。



だが。



その本だけ。



なぜか記録がない。




セシリアは嫌な予感を覚えた。



まただ。



記録。



今回も記録がない。



禁書と同じ。



二十年前の事件と同じ。




その頃。



中庭。



アルフォンスは自主訓練を終えていた。



汗を拭く。



そしてベンチへ座る。



ふと。



近くの机に視線が向く。



そこには本が置かれていた。



誰かの忘れ物らしい。



題名が見える。



『失われた術式』



聞いたこともない本。



興味本位で手に取る。



ページをめくる。



難しい。



理解できない。



だが。



途中で目が止まった。




古代封印術は学園地下へ応用された形跡がある




「学園地下?」



思わず呟く。



次のページをめくる。



だが。



そこだけ破られていた。



綺麗に。



意図的に。




アルフォンスは眉をひそめる。



最近こういうことが多すぎる。



破られた記録。



消えた資料。



存在しない図面。



そして。



学園地下。




その時だった。



風が吹く。



ページがめくれる。



最後のページ。



そこには誰かの書き込みがあった。



古い文字。



かすれている。



だが読めた。



開いてはならない



たったそれだけ。




アルフォンスは本を閉じた。



空を見上げる。



夕日が沈み始めている。



最近。



知れば知るほど。



学園が分からなくなっていく。



そんな気がしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ