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魔法学園のマキャヴェリ  作者: Kk


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18/25

開かずの扉

旧校舎。



最近その言葉を聞かない日はない。



幽霊。



灯り。



人影。



様々な噂が飛び交っている。



だが。



誰も真相を知らない。




放課後。



セシリアは旧校舎前へ来ていた。



もちろん一人ではない。



隣にはアルフォンス。



そして。



バルト教官。



教師公認の調査だった。



「本当に行くんですか」



セシリアが聞く。



「行く」



バルトは即答した。



教師としても放置できない。



最近の異常は明らかに増えている。




三人は旧校舎へ入る。



ギィ。



古い扉が軋む。



空気が重い。



長年使われていない建物特有の匂い。



廊下は薄暗い。



静かだった。



あまりにも。




「何もないな」



アルフォンスが呟く。



確かにそうだ。



灯りの痕跡もない。



侵入者の形跡もない。



ただの古い校舎。



それだけ。




しばらく歩く。



そして。



セシリアが立ち止まった。



「教官」



指差す。



廊下の奥。



一枚の扉。



他の扉より大きい。



そして。



妙だった。



古い建物なのに。



その扉だけ綺麗だった。



まるで最近まで使われていたように。




三人は近付く。



「資料室か……?」



プレートは掠れて読めない。



アルフォンスが取っ手を掴む。



回らない。



鍵が掛かっている。



「開かないな」



バルトも確認する。



魔法による封鎖。



普通の鍵ではない。




セシリアは違和感を覚えた。



誰も使っていない校舎。



なのに。



なぜここだけ封鎖されている。




その時だった。



ピシッ。



微かな音。



三人が顔を上げる。



天井。



いや。



壁。



何かの魔法陣が一瞬だけ光った。



そして消える。




「見たか」



バルトの声。



二人は頷く。



見間違いではない。



確実に。



今。



何かが反応した。




アルフォンスは剣へ手を添える。



セシリアも魔法陣を展開する。



緊張。



だが。



何も起きない。



静寂だけ。




数分後。



調査は打ち切られた。



証拠がない。



扉も開かない。



強引に壊す許可もない。



結局。



何も分からなかった。




帰り道。



セシリアは振り返る。



夕日に染まる旧校舎。



窓は暗い。



誰もいない。



だが。



本当にそうなのだろうか。



そんな気がしてならなかった。




その頃。



学園のどこか。



静かな図書館。



窓際の席。



誰かが本を閉じた。



ページの題名。



『古代封印術概論』



誰も気付かない。



その本が、


数十年間誰にも読まれていなかったことを。


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