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魔法学園のマキャヴェリ  作者: Kk


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17/32

見ていた者

翌朝。



学園には妙な空気が流れていた。



誰かが見た。



何かがいた。



そんな噂。



証拠はない。



だが。



噂は広がる。




「旧校舎の窓だったらしい」



「やっぱり誰かいるんじゃないか?」



「教師じゃないの?」



「だったら隠れる必要ないだろ」



生徒たちは好き勝手に話している。



いつも通り。



学園の日常。




しかし。



セシリアは違った。



昨夜。



彼女も見ていた。



寮の窓から。



旧校舎。



一瞬だけ光った青白い灯りを。



距離が遠かった。



だから確信はない。



だが。



見た。



確かに。




昼休み。



生徒会室。



セシリアは考えていた。



最近起きていること。



禁書。



消えた記録。



結界異常。



旧校舎。



そして。



誰かが何かを隠している。



「……」



机を見つめる。



すると。



コンコン。



扉が開く。



アルフォンスだった。



「少し話がある」



珍しい。



セシリアは頷く。




数分後。



二人は向かい合って座っていた。



「昨夜、旧校舎へ行った」



いきなりだった。



セシリアは眉をひそめる。



「規則違反ですよ」



「分かっている」



アルフォンスは即答した。



珍しく真面目な顔をしている。



「灯りを見た」



沈黙。



セシリアの表情が変わる。



「……本当に?」



「見間違いじゃない」



断言だった。



そして続ける。



「バルト教官も見ている」




その瞬間。



セシリアの背筋が冷える。



教師まで見ている。



なら。



ただの噂ではない。




二人はしばらく話し合った。



だが。



結論は出ない。



情報が少なすぎる。



分かるのは。



旧校舎で何かが起きていることだけ。




放課後。



セシリアは一人で校舎を歩いていた。



窓の外。



雨上がりの空。



生徒たちが帰っていく。



その中に。



レオンがいた。



一人で。



いつも通り。



誰とも話さない。



誰とも目を合わせない。



ただ帰っていく。



その姿を見て。



ふと思う。



レオンは。



この件を知っているのだろうか。



最近。



何かあると真っ先に頭へ浮かぶ。



嫌なことだ。



最初はただ嫌いだった。



それだけだった。



なのに。



今は違う。



気になる。



理解できない。



分からない。



だから。



余計に気になる。




その夜。



旧校舎。



誰もいないはずの廊下。



静寂。



風もない。



そして。



奥の暗闇で。



何かが動いた。



人影。



ゆっくりと。



誰にも気付かれず。



暗闇の奥へ消えていく。



その姿を見ていた者は、


誰もいなかった。


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