表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園のマキャヴェリ  作者: Kk


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/25

風紀の噂

最近。



学園には妙な噂が流れていた。



夜になると誰かがいる。



そんな噂だった。



「聞いたか?」



昼休み。



食堂。



男子生徒たちが盛り上がっている。



「またその話か」



「本当だって」



「夜の旧校舎だろ?」



「見た奴がいるらしい」



女子生徒が苦笑する。



「どうせ見間違いよ」



「いや、三人も見てる」



「だから幽霊なんだって」



笑い声。



学園七不思議。



その程度の話。



誰も本気にしていない。



ただ一人を除いて。




アルフォンスは黙って聞いていた。



最近。



こういう話が増えている。



夜の人影。



結界異常。



立入禁止区域。



全部。



禁書事件以降だ。



偶然とは思えない。




放課後。



図書館。



アルフォンスは資料を探していた。



禁書についてではない。



旧校舎について。



学園の歴史。



建築記録。



そういった資料だ。



数冊を読み漁る。



しかし。



不自然だった。



「ない……」



旧校舎の建築図面がない。



存在しない。



正確には。



途中から消えている。



現在の校舎。



訓練場。



寮。



全て残っている。



だが旧校舎だけ。



詳細図面がない。



まるで誰かが持ち去ったように。




その時。



近くを司書が通る。



アルフォンスは声をかけた。



「質問があります」



「なんでしょう」



「旧校舎の資料はありませんか」



司書は少し困った顔をした。



「昔はあったはずなんですが……」



「今は?」



「見当たりません」



妙だった。



本当に妙だった。




夕方。



アルフォンスは図書館を出る。



空は赤い。



帰路につく生徒たち。



平和な学園。



だが。



何かが隠されている。



そんな気がしてならない。



その時。



視界の端。



中庭。



ベンチ。



レオンが座っていた。



本を読んでいる。



いつも通り。



最近気付いたことがある。



レオンはよく本を読んでいる。



だが。



誰もその内容を知らない。



魔法書。



歴史書。



結界理論。



禁術研究。



毎回違う。



そしてどれも難解だ。



問題児の読む本ではない。



「……」



アルフォンスは少しだけ考える。



そして。



初めてだった。



レオンへ向かって歩き出したのは。



だが。



途中で止まる。



レオンは既にいなかった。



ベンチだけが残っている。



「またか」



最近これが多い。



気付けばいる。



気付けば消えている。



そんな男。



レオン・クロイツ。



アルフォンスは空を見上げた。



夕焼けの向こう。



どこかで鐘が鳴っている。



学園の日常は続く。



だが。



誰も知らない場所で、


何かが少しずつ動いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ